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ネフェルテム Nefertem(仏語:Néfertoum)

古代名:ネフェル=テム/ギリシア名:?/別称・別綴り:
性別:男性


――――ラーの鼻先に香るもの

主な称号
原初の水より出現するもの、香料の主人、二つの国の保護者<ケネル・タウィ>

主な信仰
おはながさいてる頭の上にロータスの花を咲かせた男性、またはロータスの花の上に座る幼児の姿で表される神。
死者の書 呪文249では「ラーの鼻先にあるロータスの花」と語られ、太陽神に香りで活力を与える存在とされている。また、別名に「ケネル・タウィ」(二つの国の守護者)がある。

ロータスはスイレンの一種で、神殿の中にある聖池などに好んで植えられた植物だ。彼の花は青いロータス。(Nymphaea cerulea/the Blue water lily)その象徴、というより化身であるネフェルテムは、太陽の祝福を受けた子供、または若者とされ、若さやみずみずしさを象徴する。美しい花の化身なのでもちろん美少年設定である。

なんだか爽やかそうなイメージだが、母は人類大量虐殺の恐ろしい女神様、セクメト。また、時に獅子を象徴とするところからして、見た目と裏腹に、怒らせると激しい性格と考えられていたようだ。

母であるセクメトは厄病を制御し、病をバラまくと同時に鎮めることも出来るとされたが、ネフェルテムも同様で、人を罰するとともに癒すことも出来ると信じられた。ネフェルテムは神々の薬師でもあった。
ロータスの実は薬として用いられ、神殿付随の医薬所の守護下に置かれたという。


●生命力の象徴として

ロータスの花自体、若さやみずみずしさを象徴するため、ロータスを象った護符は女性に人気があったようだ。
また、夕方に死んで地下世界で復活を待つ太陽神に活力を与える存在として、その鼻先で咲く再生・復活の象徴でもあった。

また、世界がまだ混沌にあった時代、原初の水から出現した太陽はロータスの花の上で輝き始めたという伝説もあり、二重の意味で太陽神話に結び付けられた存在である。
太陽の復活の神話との関りから、ネフェルテムは形式上「ラーの息子」と呼ばれることがある。


●メンフィス三柱神として

神話上は親子関係が希薄ではあるが、固定の家族セットとして父は冥界の神プタハ、母は戦の女神セクメト。メンフィスの主要三柱神として信仰されていた。


* 左から、ネフェルテム、セクメト、プタハ。


神話
・ ロータスは、原初の水から太陽が生まれたとき、その太陽を載せて咲いたといわれる。日蓮が、蓮の花の上…なんだか和風な極楽浄土イメージである。
・水からだけ生えるのかと思ったら、野原にも生えるらしい。荒地に咲く花、と書かれることもある。えらい生命力だ。

聖域
もとの信仰地はデルタ地域。個人の神殿は知られていない。
セクメトの息子としてメンフィスで崇拝されていたが、蛇の女神であるウアジェトの息子として、ブートで崇拝されたこともあったようだ。

DATA

・所有色―緑、黄、青
・所有元素―水、土、火
・参加ユニット―メンフィス三柱神<プタハ、セクメト、ネフェルテム>
・同一化―なし
・神聖動物―ライオン、場合によって隼、猫
・装備品―羽毛つきロータス、ロータスの杓、メナト。お花がとってもよく似合う男性。



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