Menu

アブ・シンベル


アブ・シンベルには、本当にアブ・シンベルしかない。
観光客むけの商品などを売って地元に住んでいる人もいるが、他に周囲に何も無い。グーグル・アースを使って上空から見ると空港→集落→神殿(ダム湖のほとり)しかないのがよく分かる。

なので、アブ・シンベルに到着した飛行機が次に飛び立つ時、ほとんどの観光客が帰りの飛行機に乗って帰る。

↓飛行機から見る、ラー様ご出勤の瞬間


夜明けとともにカイロ、ルクソールを経由して行く飛行機。
東側の席からだと、飛行機の窓からアブ・シンベルがはっきり見える。上空から見ても像の形がはっきり見えるんだから、そりゃデカいに決まってるよ。



海みたいだけど、これが湖。ダムが出来て水位が上がったために作られた地形なので、とても複雑な形をしている。

遺跡の中には、鳥が巣を作っている。…上空からのブツに注意。毎朝扉がひらき、夜に閉まるという神殿なので、鳥にとっては住むのに都合がいいようだ。

とにかく鳥の声が凄くて、ラメセス像はハトとススズメの集会所と化していた。自然と一体化した遺跡。と言えば聞こえがいい…か。



神殿内は、クヌムやプタハ、トトといった主要な神様たちにささげ物をする部屋が作られていて、壁は神様へのささげ物のシーンで埋め尽くされている。ま、巨大な神様攻略本ってところですかね。(おい)

↓縛られた人。アジア人もヌビア人もいる


この神殿は、エジプトの南、ヌビアに対し王の威光を知らしめるために作られたものだという。そのため壁面には、やや誇張しすぎた感じの戦勝記録がある。が、それらが微妙に鳥のフンで汚れている…。
はりきってるラメセスさんの壁画の側でスズメが羽づくろいをしているのは、まあ、平和というか何というか。


↓やたらとわんこが多い。


排泄物がそのへんに転がっているので注意…


遺跡は、歩いて一周できる遊歩道つき。一定間隔で木陰にベンチがあり、神殿付近の照りつける太陽に疲れた人には、ちょうどいい。
ライフルもった警官が巡回しているし、監視カメラもついているのだが、あんまり人がこないので木陰で昼寝したり休憩したりするにはいいかもしれない。



後ろから見ると、神殿のデカさがよく分かる。よく切り取ったもんだと感心する。


アブ・シンベル入り口のみやげ物屋さんは、ヌビア人が経営していた。ヌビア人は、エジプト人より肌の色が濃くて、文化も違う。ヌビア人だよね? と聞いたら、めっちゃ笑顔で「そうだよ!」と答えてくれたる

ダムができたとき、アブ・シンベルや他の神殿が沈むのと一緒に彼らのご先祖が住んで来た土地も沈んでしまい、移住せざるを得なくなった人たちなんだろうな… と思うと、ニコニコしながらみやげ物屋なんてやってるのが少し切なくなった。
彼らの顔に悲壮感はないけど。
…もう慣れたんだろうか。


「俺が作ったんだよ」と自慢の神様彫像を見せてくれたが、カイロで見たものより出来が良かった。ヌビア人のほうが彫刻はうまいのか。
ヌビア模様の帽子や、服も可愛かった。さっそく帽子を買って被っている人が妙にほほえましかった。


▲top