■地図にある都市の解説■
レオントポリス
ギリシャ語名で、意味は「獅子の都」。獅子の姿をした戦神マヘスの守護する土地。
ブバスティス
女神バステトの守護する土地。リビア人王朝の首都として機能した時代もあります。
アヴァリス
エジプトに侵入したヒクソス人が首都としたところ。ヒクソス人は西アジアからやってきたので、進入路に近い場所に首都があります。
ヘルモポリス・パルヴァ
上流のヘルモポリスと同じく、トト神の神殿があった宗教都市。上エジプトエリアにあるヘルモポリスのほうが本家。
サイス
首都になったこともある古い都市。女神ネイトの故郷。古代名は「ザウ」、現代名は「サ・エル=ハジャル」。
アブシール
現在は、アブシール「村」。ピラミッドだらけの村です。名前は古代エジプト語の「アブゥ・ウシル」(オシリスの場所)から来ているらしい。
タニス
王の権力がかなり弱まって国土が分裂していた時代の首都。タニスが首都だった時代、上エジプトでは、テーベを首都とする神官国家が誕生していました。
クロコディロポリス
名前はギリシャ語で「ワニの町」。鰐の姿をした豊穣神セベクの町。
この町を含む現代の地名「ファイユーム地方」の名は、古代エジプト語で「水」を意味するパヨムから来ているそうです。
■下エジプトの主要ノモス(州)の首都/古代名と現代名の対比
※ノモスは自治体の単位。時代によって異なる場合あり。また、州の区切り変更により、中心都市が異なる場合もあり。
町によっては、いまだ現代地名との対比が確定されていないものもあるため、とりあえずの「目安」としてお使いください。
地名のカナ表記については、他の本と合わせるため、微妙に変えた部分があります。
ノモス番号 | 古代エジプト名 | ギリシア語名 | 現代名 |
1 | イネブ・ヘジュ (メンネフェル) |
メンフィス | ミト・ラヒーナ |
2 | イユーア (ケムゥ) |
レトポリス | アウシーム |
3 | イウム | ジナヨコポリス | コーム・ル=ヒスン |
4 | ニイト・シィ | プロソピイス | ザーウィヤ・ラズーン |
5 | ニイト・レス | サイス | サー・アル=ハジャル |
6 | ゴカソ | クソイス | サカー |
7 | ラー・アメンティ | ムツリス | アル=アタフ |
8 | ラー・イヤーブ | ヒロンポリス | テル・アル=マスターク |
9 | アンジェティ | ブシリス | アブースウィール・バンナー |
10 | イーア・カム | アトリビス | テル・アトゥリーブ |
11 | カー・ハサブ | カバサ | ハルビート近郊 |
12 | チェブ・ネチェル | セベンニュトス | サムヌード |
13 | ヘカ・レジュ | ヘリオポリス | アインシャムス |
14 | ケント・イヤブ | タニス | サーン・アル=ハジャル |
15 | ジェフウト | ヘルモポリス・パルヴァ | ダマンホール |
16 | ハトメヒト | メンデス | テル・アル=ルバア |
17 | ベヘデト | ディオポリス | テル・アル・バラモーン |
18 | イムティ・ケンティ | ブバスティス | テル・バスタ |
19 | イムティ・バホ | ブト | コーム・ル=ファライーン |
20 | ペル・ソプドゥウ | アラブヤ | サフト・アル=ヘンネ |
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