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タイトル ファラオのミイラの花輪
記事No 2647
投稿日 : 2007/06/07(Thu) 21:58
投稿者 Johannes.C-7
雑談掲示板の方で始めた話ですが、なんだか長くなってきたので、こちらで続けさせていただきます。


先に挙げた本『ファラオの秘薬』には、ツタンカーメンの花輪の詳細の他、ラムセス2世やアメンヘテプ1世・2世、イアフメスなどのミイラを飾っていた花について書かれていました。
引用されている花輪をつけたラムセス2世のミイラのスケッチは、古代エジプトの植物研究に先鞭をつけたドイツの植物学者G.シュヴァインフルト(1836-1925)の手になるものだそうです。
ラムセス2世のミイラに花輪がつけられていたらしいことは、『古代エジプト探検史』(ジャン・ベルクテール著、吉村作治監修/創元社)にも書かれていました。
また、マスクと花輪をつけたアメンヘテプ1世のミイラの写真は下記のページで見つけました。
http://www.eternalegypt.org/EternalEgyptWebsiteWeb/HomeServlet?ee_website_action_key
=action.display.element&story_id=&module_id=&language_id=1&element_id=66092


これらのファラオのミイラはカシェから発見されたので、花輪もおそらく再埋葬の際に作られたものでしょう(アメンヘテプ2世は自身の墓で発見されていますが、その墓は他のミイラの隠し場所にもなっていたので、同様に考えていいのではないかと)。
多数のミイラを集めて隠す時に、包帯を巻きなおすだけでなく花輪まで作ったのなら、棺に花を入れるのは異例どころか慣例だったのではないでしょうか。

ところで、録画してあった吉村氏の正月特番を見返してみました。
その番組では、アンケセナーメンが持ち込んだヤグルマギクの花束とは下記の画像にあるものだということでした。
http://www.moonover.jp/bekkan/ooparts/egy_8a.jpg
そして、ツタンカーメンの墓が盗掘されていたのは、アンケセナーメンが暗殺の真相を神に訴えるべく墓に入れた文書を、暗殺者が奪うためだったと説明されていました。

……言ってることが微妙に変わっているような……。

タイトル Re: ファラオのミイラの花輪
記事No 2648
投稿日 : 2007/06/07(Thu) 23:33
投稿者 岡沢 秋
ちーと週末までテンパりぎみですが。

リズ・マニカって、「古代エジプトの音楽」を書いたのと同じ方ですね。ロイヤル・カシェにも花束あったんですか? ふむ。カーターはそれを見ていなかったからツタンカーメン墓の花に驚いたのかな?

> ラムセス2世のミイラに花輪がつけられていたらしいことは、『古代エジプト探検史』(ジャン・ベルクテール著、吉村作治監修/創元社)にも書かれていました。

創元社の本はほとんど吉村先生ノータッチだと思いますよ。「古代エジプト ファラオ歴代誌」(これも吉村作治監修となっている)は、学生が翻訳したんじゃないか? 的な細かいミスが沢山ありました。
他の本や、ご自分の本との整合性が取れていない部分は結構あります。そもそもワタシが最初に吉村作治という人物に違和感を覚えたのは、そのへんからでしたから…

> 多数のミイラを集めて隠す時に、包帯を巻きなおすだけでなく花輪まで作ったのなら、棺に花を入れるのは異例どころか慣例だったのではないでしょうか。

まあ、そうでしょうね…。

ヤグルマギクの青い色が魔除け、とかいうのもウソでしょう。エジプト人が魔除けにした青はラプスラズリやファイアンスの「青」であって、ヤグルマギクの紫がかった「青」ではない。
古代エジプト人の認識していた「魔除けの青」は自然界には無い青、稀有な青であって(だから人工的に作った)、野に有り触れた青では意味が無い。

墨の黒と髪の黒が別の単語で表されるように、単語が違うものは別の色として扱うべきだと私は思います。

#古代エジプトの壁画に使われた絵の具を再現していたのは早稲田の研究室のはずなのに、どうして色についての考察がこんなに滝等なんだろう?


> ところで、録画してあった吉村氏の正月特番を見返してみました。
> その番組では、アンケセナーメンが持ち込んだヤグルマギクの花束とは下記の画像にあるものだということでした。
>http://www.moonover.jp/bekkan/ooparts/egy_8a.jpg

狽ヲーーーー

えーーーー

そ、それはないわ。。
棺の中じゃないし。
おいてあるのは前室だし。
等身大の木像と見比べて分かるとおり、女性一人が担いで運ぶには大きすぎるし。
大半がオリーブだし…

> そして、ツタンカーメンの墓が盗掘されていたのは、アンケセナーメンが暗殺の真相を神に訴えるべく墓に入れた文書を、暗殺者が奪うためだったと説明されていました。

Wikipediaの「ノート」の部分に英語からの翻訳でそんな内容がありましたよ。
確かにツタンカーメンの墓は盗掘にあっているんです。
香油のツボの中に盗人の指のあとが残されていたり、箱を運びだそうとして崩した跡があったりします。

でも、それは逆に言えば、盗賊にとっての目的が副葬品であり他の何かではなかったことの証明でしょ。

神に訴えるってのもどーかと。
入れるなら棺の中じゃないの? 棺は暴かれてないのに、なんでその文書が残っていないの?

アホらしい・・・。

言ってることをコロコロかえるのにちらが追従する必要はないと思うのでいちいち書き換えはしませんが、しかしなんだかもうgdgdですね…;;
こんな人の撒き散らした妄想が、この先何十年も残り続けると思うと気が遠くなりますよ。いちど広まった誤解を訂正するのに、どれだけの労力が費やされると思っているんですかこの人は。

個人サイトの管理人ですら、自分がもし間違った指摘をしてたらどう責任とったもんかと考えながらやっとるというのに。

恥を知れと言いたい。

タイトル Re^2: ファラオのミイラの花輪
記事No 2649
投稿日 : 2007/06/14(Thu) 16:44
投稿者 Johannes.C-7
お忙しいところありがとうございます。


>リズ・マニカって、「古代エジプトの音楽」を書いたのと同じ方ですね。
そうです。日本語版の翻訳者は編集部となっていましたが、訳注でツタンカーメンの棺から見出された植物について書かれたニューベリーの報告文の矛盾点を指摘していたり、『ファラオの秘薬』は純粋な意味での植物学書ではないこと、リズ・マニカの著作であることを抜きにして植物学的な内容を軽はずみに引用すべきでないことなどを指摘している辺り、慎重さを感じました。

>ロイヤル・カシェにも花束あったんですか? ふむ。カーターはそれを見ていなかったからツタンカーメン墓の花に驚いたのかな?
おそらく……生憎カーターの本は手元にないので、すぐには参照できないんですが。

>そ、それはないわ。。
……ないですよねぇ。
花束は無造作に置かれていた、というような説明でしたが、無造作以前に目立つでしょうそんなところじゃ。暗殺者サイドは誰も「ダイイングメッセージ」に気付かなかったんでしょうか?

>確かにツタンカーメンの墓は盗掘にあっているんです。
>香油のツボの中に盗人の指のあとが残されていたり、箱を運びだそうとして崩した跡があったりします。
>でも、それは逆に言えば、盗賊にとっての目的が副葬品であり他の何かではなかったことの証明でしょ。
香油壷の指紋には言及してませんでした。
箱を運び出そうとして崩した跡は、「文書」を探した形跡だということです。
吉村氏の説明では副葬品はひっくり返されたりはしたもののほとんどそのまま残っていた、番組ナレーションでは侵入者は副葬品には目もくれなかった、というような話でした。
……盗掘するとて、一度や二度で全部持っていくのは無理でしょうに。ましていきなり椅子やらベッドやらを持っていくかと。まずはアクセサリーとかの高価かつ手軽に持ち運べるものから手を付けるのが妥当でしょう。
箱のドケットから推して、宝飾品は6割方失われてしまったと、カーターは推測してるんですよね。

>神に訴えるってのもどーかと。
>入れるなら棺の中じゃないの? 棺は暴かれてないのに、なんでその文書が残っていないの?
第一の厨子の封印が破られていたのに第二の厨子は無事だった、ということはそこに「文書」があったのだ……ということのようですよ。

「私たち考古学者は、物証はないけれどなんとか犯人を探し出さなくてはならない刑事のようなもの」
番組内でもこんなことを言ってましたが、こんな刑事じゃ冤罪になってしまいますよ……。

タイトル それ考古学者チガウ。
記事No 2652
投稿日 : 2007/06/16(Sat) 18:13
投稿者 岡沢 秋
>> 「私たち考古学者は、物証はないけれどなんとか犯人を探し出さなくてはならない刑事のようなもの」

言ってますね。本でもテレビでも言ってますね。

私は考古学畑の出身ではないので「考古学とはなんぞや」みたいな基礎は知らないのですが、

物証がない、証明しようがないものに仮説を立てることは出来ても、証明されるまでは決して断言してはならない。
その証明のための発掘であり、発掘品の分析である。

ってのが考古学じゃないのだろうか?
証拠もないのに答えが出せるわけないですよ。
証拠もなく思いついただけの話なんて小説とかわんないじゃん?


文献研究だけの人ならまだしも現場で発掘していてこれかよっていう。
私が彼の言うことを信用しなくなったのは、まさにその発言を見た瞬間からでした。


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