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タイトルコショウの用途
記事No1904
投稿日: 2024/05/26(Sun) 22:44
投稿者勉強中・・・
岡沢様
私は30代の社会人なのですが、近ごろ自分の教養の無さを感じ、世界史を勉強し直しており、調べものをする際に岡沢様のブログ拝見させていただいております。大学教授とかでもなく、普通にお勤めの中でこれだけの内容をまとめている事に感心しております。今後も時折拝見させていただきたく存じます。
さて、今回直接書き込みさせていただきましたのは、コショウについて疑問があったためです。西洋では古代からコショウが有名な交易品の一つだったと思うのですが、コショウはあくまで薬用や珍味、嗜好品として用いられていたと理解していたのですが、食肉保存のために需要があった、という記述がありました。普通に考えれば単なる食肉保存を目的にするなら、塩漬け、燻製、天日干しなど安価な方法は他にもあるように思いますから、コショウの輸入が「食肉保存目的」というのはどこかズレているように感じます。
ブログ内で特定の関係するページを見つけられなかったので、もしかすると岡沢様の興味の対象外なのかもしれませんが、何か見解があればご指摘頂きたく存じます。

タイトルRe: コショウの用途
記事No1905
投稿日: 2024/05/27(Mon) 18:41
投稿者岡沢 秋
コショウが保存料だったっていうのは、よくツイッター(X)で中世ヨーロッパクラスタに叩かれてるやつじゃないですか…? 怪我にお酒吹き付ければ消毒になる、みたいなのと同じ系列の間違い雑学。
(お酒はアルコール度数がよっぽど高くないと意味ない)

保存料は塩で、コショウは香辛料であってると思いますよ。
自分は古代のことしかわからんので、古代エジプト新王国時代以降のインド〜紅海のコショウ交易しか語れないですけど、少なくともエジプトではコショウは保存料ではなく風味づけですね。
あと酸化を防ぐのでワインに入れていたらしい。プトレマイオス朝ではおそらくワインに入れていただろうとされ、クレオパトラがそれを飲んだかどうか、みたいな話があったりします。

コショウは、エジプトでは紅海沿岸のベレニケ港から出土してます。あとは、ラメセス2世のミイラの鼻の形を整えるために突っ込まれてるのがコショウなんで、その時点ではもう輸入されてたっぽいです。(豆知識)

タイトルRe^2: コショウの用途
記事No1906
投稿日: 2024/05/27(Mon) 21:35
投稿者勉強中・・・
岡沢様
ご回答頂きありがとうございます。自分の浅い知識だけでは確信が持てませんでしたが、少し安心しました。
ツイッター(X)で叩かれているというお話は知りませんでした。私などはその話を最初聞いた時、「へーそうなんだー」としばらくは疑いもしませんでした。真剣に勉強し始めてよくよく考えてみると、「なんか変だな」と思うようになりましたが、考古学というか、歴史というのは真面目に学んでみると奥が深くて面白いものだなーと思いました。
海水や砂漠の岩塩から入手できる塩での保存なら分かりますが、インドや東南アジアなどでしか取れず、時代によっては金と並び称される香辛料を日常使いするなど、挙げて頂いたような王族、高貴な方の所業でしかないのでしょうね。。勉強になりました。引き続き活動を応援しております。