タイトル | : Re: ギリシャ語とアラビア語表記が気持ち悪い件について |
記事No | : 1844 |
投稿日 | : 2022/07/02(Sat) 17:34 |
投稿者 | : 岡沢 秋 |
> ご無沙汰です。 すいません、誰なのか全然分かりません。
> メンネフェル、メンフィス、ミト・ラヒーナ > のようにエジプト語、ギリシャ語、アラビア語 > と表記ずれしてますがなぜエジプト学では由緒正しき > エジプト語の発音に統一しないんですか?
まぁなんかお察しされていると思いますが、理由は片手に余るくらいありますね。
・古代エジプト語の発音はわからないので、どう書いても暫定になる
・古代エジプトの歴史は約3000年あり、同じ綴りで記録されていても発音が時代ごとに少しずつ違う。それを推定でカタカナになおしていくと結局ブレる
・それならブレの少ない方法で記載したほうがわかりやい
・ぶっちゃけ古代エジプト語の地名が分かっていない地点も少なくない。記録にあるのは都市名だけなのでビール工房しか出てこなかったりすると近くの遺跡の一部にするか、最寄りの村の名前をとって名付けたりする
・古代エジプト語が解読されるまではギリシャ語やヘブライ語など、別の言語からエジプトの地名を認識するしかなかった。先行で「テーベ」「ヘリオポリス」などギリシャ語名で定着している地名を敢えて置き換える意義が少ない
・現代名の町名と古代名の町の位置が異なる。たとえばメンフィスの正確な位置は実は分かっていない。現代のミト・ラヒーナ村のあたりで遺跡が少し出ているため、そこが一部だったことだけはわかっている
・一つの地点でも、切り口によってメインで使われる言語が異なる。 エジプトの場合、古代遺跡と現代の住居がほとんどの場合は重なっているため、地図的には現代のアラブ語地名で記載する。 ギリシャ人入植地の歴史として取り扱うならギリシャ語地名に、コプト教の歴史としてはコプト語の地名になる。
ざっと書いてもこのくらい。 まとめると、古代エジプト語で地名を統一することが「そもそも無理」という事情と、分かりづらくなるので「面倒くさい」が半々じゃないですかね。
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