中世騎士文学/パルチヴァール-Parzival

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第十五巻  パルチヴァールとフェイレフィース



 当てもなくさ迷い出たパルチヴァールは、魔法の城からそう遠くない大きな森の中で、立派な身なりをした異教徒と出会い、一騎打ちとなる。この異教徒は、ものすごく強かった。さしものパルチヴァールも敗北しそうになるものの、こんなところで死ねないという思いから、激しく反撃する。その衝撃で、かつて鎧とともにイテールから奪った剣が折れた。
 剣をなくしたパルチヴァールを見て、相手は、剣を持たぬ相手とは戦えない、と言い、名を名乗るよう求めるが、先に名乗るのは負けた者であるとして、パルチヴァールは応じない。
 相手は、笑って自分から名乗った。その名は、”アンシェウヴェのフェイレフィース”。
 今まで戦っていたのが実は、一度も会ったことがない異母兄だったと気づいたパルチヴァールは、兜を取り、互いに顔を見合って兄と抱き合うのだった。
 何せフェイレフィースはとても特徴的なまだらの人なので、顔を見れば、一度も会ったことがなくても分かるのだ。

 フェイレフィースの目的は、名前だけしか知らない父に会うことだった。そのガハムレトが既に亡くなっていることをパルチヴァールから聞かされて、彼はがっかり。そのかわり、アルトゥースら親戚に会ってみたい、と言う。
 せっかく出てきたのにパルチヴァールは再び円卓に逆戻り。
 ちなみに、この二人の壮絶な一騎打ちは、魔法の城の例の柱から見られていたため、既に先方にも知られていた。
 一体誰が(あの)パルチヴァールと激しく戦えたものかと待ち受ける皆さん。
 そこへ到着した二人。フェイレフィースがガハムレトのもう一人の息子だと知ると、人々はさっそく盛大な歓迎の宴をもよおし、フェイレフィースも、親戚や美女と会えて大喜びだ。
 旅や、戦いの話をするフェイレフィース。

 と、そこへ、聖杯城からの使者があらわれた。あの、魔女クンドリーエである。
 彼女はパルチヴァールに、既に悲しみは去り、喜びが訪れつつあること、パルチヴァールが次の聖杯王として神から指名されたこと、彼の妻、コンドヴィーラームールスとその息子たち(つまりパルチヴァールの子供)も既に聖杯城に向かったことなどを告げた。
 当たり前だが、いきなりで驚くパルチヴァール。聖杯城のあるじに指名されたことよりも、気づかないうちに二人の子持ちになっていたことのほうが吃驚だったり。

 宴のあと、彼は、兄に聖杯城への同行を頼む。フェイレフィースも、これを快く承知した。
 クンドリーエに連れられて、彼らは聖杯城へ、最後の舞台へと向かう…。




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