資料;朝鮮神話伝承の研究 依田千百子 瑠璃書房 (1988)→本格的な研究書
世界神話伝説大系12−朝鮮の神話伝説 名著普及委員会 (1979)→お子様向け物語。
日本に最も近い場所にありながら、神話としては人気や知名度が低いのが、この「朝鮮神話」。
ギリシアやエジプトなどのポピュラーどころに比べて華やかさに欠けるせいもあるだろうが、まだ生きている神話なので、流動的であることが挙げられるかもしれない。
朝鮮神話は、文献もあるものの口伝による部分が多い。だから、現地へ行って実際に語ってくれるおばーちゃんおじーちゃんから収集しなきゃならない。現在のその国の文化もひっくるめて、理解しなければならないのである。
神話の分類の上では「朝鮮」とひとまとめにしてはいるものの、その実体は、現在で言うところの北朝鮮、いわゆる「朝鮮民主主義人民共和国」と韓国、「大韓民国」であり、一つの国ではない。
朝鮮神話とは、「朝鮮半島」という地域の神話、と、いう意味だ。語られていた元々の言語は違うだろうし、語られ方も違っていただろう。それでもって朝鮮全体を理解せよ、となると、まず歴史から紐解いていくという膨大な作業が必要にるのではないか。
しかも、神話の中に登場するのは、現代人の思い描く「北朝鮮」と「南朝鮮」ではない。百済であったり、新羅であったり、高句麗であったり、日本史の授業で出てきたような国々である。歴史的要素もプラス。おおお…奥が深そうだ…。
と、なにやら難しそうだけど、ハッキリ言ってそんなんあんまり気にしなくていい。ただ純粋に面白そうだったのでコーナー作ってみたカンジ。
朝鮮神話には、日本と関係のあるものも多い。ある島に3人の男の神様がいて、海を渡って日本から来た3人の女の神様と結婚して云々、なんて話は「おお」と思ってしまう。
神話の中では、神様は気楽なお隣さんどうし。二千年も前から親しく交流してんのに、たかだかここ五十年やそこらの話で仲が悪いのぎこちないのって、なんか勿体無いというか、器がちっちゃいというか。…おおっと、そんなん言い出したらまた誰かに突っ込まれるな(笑) いいじゃないか。神話でハマるのも悪くはない。
ここは、キムチも焼肉も出てこない、花咲かせ競争やら卵から生まれるお子さんやらについて愉快に語る、「朝鮮神話」の世界。
どうぞ気楽にお愉しみを。