北欧神話−Nordiske Myter

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奥様代表・フリッグ

神々の「奥様連合」代表者。

奥様。

 アスガルドの影の実力者、否、実質上の実力者と目される主神様の奥方、フリッグ女史。ひたすらダンナを尻にしき、権力握りながらも、自らの出自は一切不明という謎な女神様。
 何かにつけて夫と張り合う女神連合の筆頭である彼女は、神界の第二派閥、もしくは抵抗勢力。奥様連合軍の総帥。容易にイエスとはいいません。

 フッラにフリーン、ヴァールにスウェン、その他さまざまな女神たちを従えて、今日も彼女は男どもの不正を暴くため民会答弁で主神様を攻め立てる。いつか政権取る日まで。
 GoGo女神様。
 もう「女の涙は最大の武器」なんていわせない。(時事ネタか、これ。)


 そんな彼女も、息子のこととなったらスゲエです。「ウチのコが一番!」とばかり、バルドルを守るため人々に誓いを強要したり、嫁とりに奔走したり。
 養子をめぐって、夫をワナにかけてみたり。

 …でもさ、失敗作のヘズのことは無視なのね。せめて殺されたときには泣いてやれ…。




【神様データ】

Friggjar (古ノルド語) Frigga (英語)

主属性; 
女神の中で最高位の者にして、主神オーディンの妻。愛と結婚の女神とされ、ギリシア神話でいけばヘラみたいなノリの人。
ときどきオーディンと知恵比べしてますな…。

その他の役割; 
フリッグの属性について、彼女は天の女神であり、トールの母・大地の女神(ヨルド)と対を成す、という説と、ドイツ語のFeugtからして、「実れるもの」を意味する名前なのだからヨルドと同じく大地の女神だとする説の二種類があり、どちらなのか分からない。

彼女は本来、愛情や出産、子供の庇護にあたる女神だったのではないかと言われる。たとえば「ヴォルスンガ・サガ」では、子供に恵まれないレリル王の祈りを聞いて、子だねの宿るリンゴを遣わしたという。

またドイツの伝承に登場する「ホルダ女神」は、フリッグの別名とされている。

ただし、ドイツに移住したゲルマン人たちは早い段階でキリスト教化してしまったため、北の果てであるノルウェーやアイスランドより神話の変化が早かった。そのため、北欧神話の神々の変化したもの…とも思われる神はいても、具体的にどの神なのか区別がつきにくい。
このホルダも、フレイヤかフリッグかで意見が別れることがあるが、ここでは、「ホルダは南ドイツでのフリッグの呼称」とする説をとる。

ちなみにドイツのホルダ伝説では、雲をつむぐ織姫としてのホルダ、亜麻を大地にもたらした恵みの女神としてのホルダの伝説があり、もしホルダ=フリッグだとすると、天と地の両方の女神である可能性も出てくる。

運命の女神、ノルニルのひとりに数えられる。人々の運命をすべて知る。そのわりに息子バルドルの死は防げなかったところを見ると、知っているのと、変えることが出来るのとは、違うらしい。

家族関係; フィヨルギュンの娘。その他の出自は謎に包まれている。
住居; フェンサリル。息子バルドルが死んだとき、彼女が号泣する場所でもある。おそらく、夫オーディンが斃れた時も。
持ち物; 
補足; 召使いはフッラ。



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