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ティアマト

別名・別綴り/フブル、タムト、ティワワト
性別/女性
守護都市/


【主な役割】
神々の太母、塩水の擬人化

【神話・資料別エピソード】
名前の意味はアッカド語で「海」。
夫アプスーとともに多くの神々を生み出した太母。世界の始まりに「淡水と塩水が混じりあい」かれらすべてを生んだ、とされる。これはペルシャ湾に注ぐメソポタミアの大河のイメージから来ているのだろうか。「エヌマ・エリシュ」では夫アプスーを殺されたことに怒り、さそり人間や怪獣ラハムなど様々な生き物を生み出し、アプスーの殺外者である神々に挑ませる。

別名である「フブル」はは冥府の河を意味する。

アッシリアのテキストは、ティアマトは「ドゥルナのイシュタル、彼女はベール(マルドゥク=アッシュル)の乳母である」とも呼ばれる。ドゥルナとはニネヴェの別名である。

●「エヌマ・エリシュ」
アプスー殺害、ティアマトの怒りと神々との戦争、ティアマトがマルドゥクに殺される顛末が書かれた神話。
この神話の中で、ティアマトは自らが生み出したキングに天命の書版を与え、エンキを圧倒する神威も付与している。ティアマトの与えた威光に対抗できたのはエンキの息子マルドゥクだけであった。神話の中でティアマトは古き秩序、古き権威を体現している。
この神話の中で、殺されたティアマトは解体され、マルドゥクは彼女の体から世界を作り上げている。

●後世にエウセビオスの「年代記」に書かれたバビロニア神話

元は、バビロンの神官ベロッソスがアンティオコス1世(在位前281-261年)に献呈した「バビロニア誌」で、それが伝わったものがエウセビオスの「年代記」に記録されたバビロニア神話の抄訳であるとされる。エウセビオスの記録では、マルドゥクの別名ベールがギリシャ語にされ「ベロス」、ティアマトは「タラッタ、すなわち海である」と書かれている。


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【参考】
母なる神よ、汝は魚の干物のなるや… 「神殺し」で創られる世界

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