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ニサバ

別名・別綴り/別名 ニダバ、ヌンバルシェグヌ(女君・斑入り大麦の生命)
性別/女性
守護都市/エレシュ、ラガシュ


【主な役割】
穀物を司るもの
書記、学問の女神

【神話・資料別エピソード】
天の神で最初の最高神アンと大地の神ウラシュの娘、またはエンリルの娘とされる。アンの娘として、兄はニンギルス、姉にナンシェがいる。
彼女の娘はエンリル神の妻となるニンリル(スド)。

農耕神で別名にもメソポタミアで最も重要な作物だった麦に関するものがあるが、書記・学問の女神でもある。シュメール語のテキストの多くで、テキストの末尾に「ニサバ女神万歳。(ニサバが書記として書き記すため)」という文言が付け加えられる。
ただし書記の神としての役目は、前2千年紀後半(アッシリア)からは別の書記の神ナブーに取って代わられるようになり、ニサバはその妻とされるようになる。

初期王朝時代にはラガシュ市で信仰されていたようだが、イシン・ラルサ時代にはエレシュ市の守護神だった。

●「人間創造」の物語に関連して

人間は、エンキ、アヌ、エンリルと母なる女神ニンマハによって、ウズムア(肉の生じる場所)でつくられたとされる。この神話の最後で、人間創造の場所に祀られることになるのは穀物女神ニサバである。

●「マルドゥク預言」

マルドゥクの命により、牧畜の神シャカンとともに天に戻される。穀物の女神ニサバと牧畜の神シャカンが居なくなったことによりバビロンは衰退するが、一定の期間が過ぎたのちマルドゥクが帰還し、全ての神々を呼び戻す、というストーリーになっている。これは、バビロニアに実際に起きた戦争と勝利の記憶が神話化されたものだと考えられている。


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【参考】

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