別名・別綴り/ニンカルラク、ニンティンウッガ
性別/女神
守護都市/
【主な役割】
治癒神、医療神
【神話・資料別エピソード】
犬を随伴して描かれる治癒神。(これを"侍獣"という) 後世にはイシンの守護女神、ニンイシンナと同一視されるようになる。
同じ治癒神であるダムやニンアズが息子とされることがある。夫はアブまたはパビルサク。この女神への祈願には犬の小像を捧げることになっていた。
ニンイシンナ意外にも、バウ女神もグラと同一視されている。また別名としてニンカルラク、ニンティンウッガもあるが、元々別の女神だったのか本当に別名なのか良く分からなかったので、とりあえずここに入れておく。
●ハンムラビ「法典」
アヌ神の娘ニンイシンナへ、敵に病を送ってくれることを祈願する呼びかけがでてくる。
医療神が疫病も操れるという思想は珍しくないが、癒すも病ませるも思いのままとは実は怖い女神様である。
●なぜ医療女神のお供が犬なのか
メソポタミアでは少なくとも4,000年前には狂犬病と特定可能な症状に関する記述があり、都市の入り口に狂犬病の侵入を防ぐためかと思われる犬の護符が埋められることがあった。現代でさえ死亡率ほぼ100%である狂犬病は、都市国家にとっては死活問題である。そのため、病を運ぶ犬が、病を支配する女神のお使いと見なされたのではないか、という説が存在する。
Four Thousand Years of Concepts Relating to Rabies in Animals and Humans,
Its Prevention and Its Cure(Tarantola,2017)
-----------------
【参考】
------------------