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アダド

別名・別綴り/アッドゥ(シリア)、ハダド(シリア)、ウェル(古バビロニア語版ギルガメシュ叙事詩)
性別/男性
守護都市/ハラブ


【主な役割】
天候神/嵐の神

【神話・資料別エピソード】
アレッポ(ハラブ)が起源地と考えられている神。メソポタミア北部では最高神。名前は雷鳴の轟きに由来するとされる。風または嵐を意味する文字で表現される。妻はシャラ女神。のちに同じ嵐の神であるイシュクルと習合する。

古バビロニア時代、北メソポタミアの都市カラナではゲシュティンアンナ女神とともに主神の一人として祀られ、壮麗な大神殿を捧げられている。マリ市の王ジムリ・リムが特に帰依したことで知られる。
アッシリアでは5人の王がアダド神に由来する名前をもち、その中のひとりがシャムシ・アダド(アダドは我が太陽)である。

メソポタミア中流域では息子としてアプラダド神が設定されていた。


●ギルガメシュ叙事詩
冒頭部分では、ギルガメシュに「雄雄しさを授けた」となっている。
また、ウトナピシュティムの回想の中で、シュラトとハニシュを従神としてもち、エンリルの命によって人類を滅ぼす大洪水を起こした場面が出てくる。
"アダドは雲の中から吼えた"と表現されている。
古バビロニア語版ギルガメシュ叙事詩では、「ウェル(War)」という名で登場する香柏の森の守り手はアダドと同一視されている。

●ハンムラビ「法典」
「アダド、豊饒の主、天地の水管理人、私の助け手が、天の雨と水源の増水を彼から奪い取ってくれるように。…」

●呪詛の神としての属性
シャマシュとともに卜占(ぼくせん)を司る神として扱われていたため、占いで凶兆が出た際にアダドの名が呼ばれることがある。

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【参考】

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