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ニーベルンゲンの歌/ディートリッヒ伝説



「ニーベルンゲンの歌」前編/後編  相良守峯 訳 岩波文庫 1955初版⇒改訂版 

完訳基本資料。これを読まなければ、はじまらないです。ニーベルンゲン語りたくなったら、とりあえず買っとこうぜ!b
前半から後半にかけてのクリエムヒルトの豹変っぷりには初めて読んだ人の大半が驚くはず。原典がどういう構成になってるのかは、この文庫2冊で見て欲しいです。


「ニーベルンゲンの哀歌」  岡崎忠弘 訳 鳥影社 2021年初版 

本編写本に付随する、別の作者による「キリスト教的な解釈を加えて書かれた外伝」。本編完成後に、おそらく本編と同じパトロンが書かせたものとされ、写本A、B、Cそれぞれに独自のものが付けられている。「歌」と「哀歌」は本来セットだったものなので、本編を読んだあとにこちらも読んでみると、異教的な物語をキリスト教世界で生き残らせるために苦労した雰囲気とか分かると思います。


「ニーベルンゲンの歌」の英雄たち W.ハンゼン 河出書房新社 (1996)

作家さんによるドラマティックな筆で、ぐいぐい中世世界に引き込まれていく本。「ニーベルンゲン伝説」の英雄たちには実在モデルがいるのか、いるとしたらの可能性は? また、元になった出来事は? …といったことがテーマになっています。実在した歴史上の人物と、物語の中の登場人物たちが二重に重なりながら、時代を超えていく感じです。表紙めくったところにある物語の舞台MAPも、とてもお役立ち。


「ニーベルンゲンの歌」を読む 石川 栄作 講談社学術文庫 (2001)

読み応え十分。ニベ歌の主な原典となっている写本についての解説、ニーベルンゲンの歌を題材にしたドイツ映画、日本のマンガに至るまで網羅し、さらに伝説の舞台となったドイツにも足を運んでいる仕事ぶりです。ニーベルンゲンの歌のみならず、その周辺の作品を多く取り上げているのが特徴。
旅行先の駅の書店で運命的な出会いを果たし、新幹線で京都駅を乗り過ごしたという思い出の本です(笑)


「ニーベルンゲンの歌」・・・言葉と舞台・・・ 石塚 茂清 朝日出版社(1998)

googleで検索かけても出てこず。
参考文献一覧で見かけるので発刊はされているはずなのだけれど…??


ニーベルンゲンの歌 構成と内容 石川栄作 郁文堂(1992)

すいません、古本屋にあるの見つけたんですが高くてorz 図書館にあれば…


ジークフリート伝説 ワーグナー「指輪」の源流 石川栄作 講談社学術文庫(2004)

ニーベルンゲン伝説を、その源流からワーグナーに至るまでサラリと流した本。北欧のサガについてはあまり詳しく触れられておらず、16世紀の民衆本や戯曲として作られてからの内容が詳しくなっています。ニーベルンゲン伝説をもとに派生したさまざまな作品についての資料在。


ドイツ中世叙事詩研究  相良守峯 郁文堂(1948初版⇒改訂されてない可能性)

ドイツ古典文学研究の決定版です。これ一冊で、ニーベルンゲンの歌と同時代の作家すべてが網羅できます。また、原語のつづりもわかるため、あとあと海外サイトで検索かける時にもお役立ち。値段に比例してたいそう分厚いですが、本格的に深みにはまりたい人には、この上ない道しるべとなるでしょう。


フン族 謎の古代帝国の滅亡 E・A・トンプソン 法政大学出版局

エッツェル王の原型である、フン族の実在した王アッティラについての足取りを調べる参考資料。
そもそもフン族は謎の多い民族であるため、多くが推測になり分かりにくい話ではあるのですが、それに輪をかけて原文が難解。日本語のはずなのに、物凄く理解に苦労することは請け合い。ただ、どこまでが史実で、どこからが想像なのかは分かりやすいため、物語の原型を追う資料としては役に立つと思われます。


アッチラとフン族 ルイ・アンビス 文庫クセジュ

これもアッティラ王とフン族に関する参考資料。「フン族は匈奴ではない」とする説をとっている。文章は読みやすいが、画像などの資料が少ないため若干分かりにくいかもしれない。文章も難解。かなりハードな一冊でした。


■絶版・ふるい本■

ドイツ中世英雄物語1 ニーベルンゲン 市場 泰男訳 現代教養文庫>>別版で復活の模様 (1997)

固有名詞や此処の登場人物のそぶりが微妙な感じ。原典忠実な訳ではなくダイジェストになっており、書き流すようなかたちになっているため、岩波文庫のような言葉の荘厳さは無いです。読み比べるぶんにはいいかもしれません。


ドイツ中世英雄物語3 ディートリヒ・フォン・ベルン 市場泰男 訳 現代教養文庫>>別版で復活の模様

外伝的作品も取り入れつつ、主要なエピソードを翻訳した数少ない有力資料です。名前の読み方がドイツ語っぽくないですが、英語からの訳かもしれない。翻訳の言葉が砕けた感じなので、ヒルデブラント師匠が若干ポップな性格に。(笑)


ニーベルンゲンからリルケまで ゲルマン神話   吉村貞司  読売新聞社 (昭和47)

北欧神話の概要と、「ニーベルンゲンの歌」などドイツ神話の資料としては自分の中でいちばんのお気に入りです。古本屋にはなかなか出回っておらず、図書館でも見かけることは稀。北欧神話の中でも、英雄伝説を愛した人は必ず気に入るはず。


ゲルマン北欧の英雄伝説―ヴォルスンガ・サガ 菅原邦城 訳 東海大学出版会(1979)

ヴォルスンガ・サガの完訳&各単語の細かい解説。内容の深さに注目。
谷口訳とは一部異なる部分もあり、読み比べると、細かいニュアンスの違いに驚かされること間違いなし。


世界神話伝説体大系24 ドイツの神話伝承[2] 名著普及会 1928初版/1980改訂版

あらすじを流した本。読み易くするため、原文をはしょったり、間を付け足したりしていますが、注釈はひじょうにマニアック。
ちょいと古い本なので、なかなか見つからないかもしれませんが、このシリーズには他では見られない「オルトニット」なども扱われています。


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