「トンネルの向こうは、不思議の国でした。」
 人々は、隣の乳搾り牧場に逃げこんでいた。
 そこは首長ゲイルムンドの領地だった。
 「ここまで来れば大丈夫」
 だがアースヴィーヴィルは、足にひどい怪我を負っていて、とても戦えそうには見えなかった。
 「大丈夫か、弟よ」と、ヘルギ。
 「あなたの怪我に比べればね。」

 このとき生き残った手勢は、わずかに数名だった。




 彼らはゲイルムンドに会い、この話をした。
 「モルズは、また随分と強気ことをしたものです。あなたを追放するつもりでしょうか」
 「わからん」
 ヘルギは答えた。「だが、奴にはわしを民会で追放できるだけの材料が揃っている。こっそりサイトに上げた○○とか、過去に××な話とか」
 「なぜ奴がそれを?」
 「…うん。話しちゃった」
 「……。」ゲイルムンドはためいきをついた。「この件で、どれだけあなたを援助できるかはわからないが、出来るかぎりのことは、やってみましょう。」

 人々が、広間でそう話し合っていたときだった。


「まだまだじゃな…。」

突然、灰色の髯をもつ片目の老人が広間にあらわれた。
(わぁ、オーディンだよ…。)
老人は名乗らなかったが、変装してもみんなにバレバレである。
しかし、こういうときは、気づかないフリをしてあげるのが、お約束。


 「あなたは一体誰です」と、精一杯のリアクションでゲイルムンドが聞いた。
 「わしの名はハールバルズ。はーるばるやって来たからハールバルズじゃ。(嘘)
  お前たちに勝利の秘策を捧げよう。モルズは無類のごはん好きじゃ。白い飯を炊き、おつけものと味噌汁を用意して待つがよい」
 「……。」
なんだかよく分からないが、勝利の父はこちらに味方してくれるようだ。
ってことは、モルズを殺してヴァルハラへ送ってちょv ってコトか?

 言うだけ言って、老人はさっさと帰って行ってしまった。
 「と、とにかく、やるしかない。」


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