■ディートリッヒ伝説-DIETRICH SAGA |
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Witege(Witig)
かなりクールなヴィテゲ君。つづりは主に二通りあり、()内のつづりだとヴィテッヒとかヴィテヒとか。あとヴィドガなんてのもあります。綴り色々。
ハイメよか5歳くらい年下で、ディートリッヒと同い年。巨人と妖精と王族の血を引いてる混血児なので、とりあえずフツーの人間は絶対勝てません。強いです。
序盤では世間知らず丸出しで、ハイメとケンカばっかしている人です。王族出身だけあって、モノホンの田舎もんであるハイメとは馬が合うのか合わないのか、実に衝突の多い二人です。さらにそこに、ディートリッヒも巻き込んで三つ巴に。(年齢が近いですしねぇ。)
とりなすヒルデブラント師匠は大変だったでしょう。
なんせ、きかんぼうの子供が3人いるようなモンですからね。
ヴィテゲ君、お母さんが元・王女だったんでちょっとプライド高いんですよ、多分。それでハイメと仲が悪いんだって、きっと。^^;
何かと悪役、裏切り者呼ばわりされるヴィテゲですが、彼もまた、「ニーベルンゲンの歌」のハゲネ同様、単純な悪役ではありません。
母が王族のため少々気位が高く、序盤では、父ヴィーラントの鍛えた剣、ミームングを手にディートリッヒを追い詰めるほどの腕前を誇るヴィテゲですが、彼は、決して邪まな思いを抱いて戦場に立つことはしません。
一度結んだ友情を壊すことはしない、律儀な人物なのです。だからこそ、敵対する立場として戦場に現れた時も、ディートリヒや、その兄弟であるディートヘア、昔よくしてくれたヒルデブラントとは戦おうとしません。
「聞け、ディートリッヒの兄弟よ、俺はお前とは戦えない。他の者を狙って行け。でないと、俺はお前を殺してしまうだろう」
…の、名ゼリフを残します。
じゃ戦わなきゃいいじゃん! …と思うんですが、そこはそれ、複雑なんですよ。退けない理由があったんです。
彼の裏切りは、おそらく、ヒルデブラントの旧友ライナルトの場合と同じ。
ヒルデブラントに好意を持っていて、戦いたくないと思っているライナルトが、なぜ非情な王エルムリッヒのもとを離れなかったのか。
誰もが、全てを犠牲にして自分の信じる道だけを突き進む勇気は持ち合わせているわけではありません。友達には死んで欲しくない、でも、圧倒的優勢を誇るほうに付いて戦功を立てたほうが、自分の野望を満たす道に近い。
捨てられないものや意地が絡み合い、最後に残るものが、最も汚れなきもの、捨てられないもの―――友情なのです。
身を守るため、心ならずもディートリッヒの弟・ディートヘアを手にかけてしまったあとも、ディートリッヒとは剣を交えず、追跡を振り切って海の彼方へと消えてしまいます。
その後の行方は定かではなく、悲観して海の中で命を絶ったという説もありますが、それはあまりにつまらんでしょう。天下のヴィテゲが自殺なんかするもんですか。まだ海の妖精にさらわれた説のほうがマシ(笑)。予想としては、そのまんま地中海を泳いでって、どこかへ逃げたんじゃないですかね。人生見つめなおしの旅とか。ハイメはケンカ仲間がいなくなって、ちょっと寂しい思いをしたかもしれません。
戦いたくない相手と戦って、殺したくない人間を殺して旅に出る…、ヴィテゲの切ないその後の物語は、皆さんのご想像にお任せしましょう。
あのシーンは、熱いシャウト系がひとりいないと、どうにも湿っぽくなって致し方ありませぬ。一人でクールに決めてないで、たまには仲間頼れよ、迷ってるなら話してくれよ!…とか、胸の奥で叫びつつ(自分)。
せめて最後は逃げないで、しっかりディートリッヒと話して欲しかった…。
■ヴィテゲ君のチャームポイント■
・あらゆる意味で、ハイメと対等に渡り合える唯一の人。(笑)
・スベるときもクールなので、本人も周りも気がつきにくい。
・妖精族の子孫。
・色んな意味で悩み多し。(将来の進路とか)
・かと思ったら、実は何も考えてないときがある。(だからハイメと同レベル?)
・さりげなく高貴な血筋。