■ディートリッヒ伝説-DIETRICH SAGA |
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ここでとりあげているのは、「シドレクス・サガ」などディートリッヒを主人公とする物語群なので、当然、ディートリッヒがno.1の扱いをうけています。
「ニーベルンゲンの歌」は、ブルグント族を中心として語られるためディートリッヒはチョイ役でしたが、こちらでは逆に、ブルグント族の面々のほうがチョイ役です。
語る視点が変われば、おのずと役割も変わってくるもの。
英雄物語というのは、語り手がひいきにしている勇士を褒め称える傾向があるもので、基本的に、自分の出身地の勇士をひいきにするものです。
従って、登場する人物は同じでも、それぞれのエピソードが成立した場所によって役割が変わっていたり、語り手によって話の筋が変わったりするのも、よくあることでした。
ディートリッヒを主人公とする物語に登場する「ニーベルンゲンの歌」の登場人物たちが、やったら弱いのも、あまりカッコよくないのも、そういう理由からなのです。
「シドレクス・サガ」ではグンテル王とハゲネ(グンターとハーゲン)がシドレクの配下についているようですし、「クリエムヒルトのバラ園」では、こてんぱんにやられる側になっています。
ニーベルンゲンファンからすると、ちょっと心がイタイものでもあります…。
ディートリッヒの仲間たちも好きだけど、だからってそんな戦いしなくても。本音を言えば、どっちにも勝ってもらいたいですし…。
ちなみに、クリエムヒルト側12人vs.ディートリッヒ側12の対決と結果は、以下のようになっています。対戦表は、参謀・ヒルデブラント師匠による考案。
バラの印がついてるほうが勝者(笑) クリエムヒルト側、4人が巨人ですね。そんなもん、どっから雇って来たんでしょうか。ある意味、人材不足です。
しかも、巨人はどーでもよかったらしく、サクサク殺されていきます。ディートリッヒ側は、負けても捕らえられるだけなのに…。
※名前の読み方は、自分がいちばん聞き覚えのあるものに変えました。
そのせいで、古ドイツ読み、英語読み等、いろいろ交じってしまいましたが…。
第一試合 | 巨人プゾルド | vs | ウォルフハルト(ヒルデブラント、イルサンの甥) |
第一試合は、ヒルデブラントさん家のアツい若者、ウォルフハルトの突進攻撃によって巨人撃破。 首をはねて、勝利します。ここらへんはアッサリと。 |
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第二試合 | 巨人オルトウィン(プゾルドの弟) | vs | ジゲスタップ |
存在の薄いジゲスタップ公。かなり頑張って巨人を倒します。 | |||
第三試合 | 巨人シュツルータン(プゾルドとオルトウィンの叔父) | vs | ハイメ |
いちどは相手にドツき倒されるけど、持ち前の体力でがっちり立ち上がり、殴り返して勝利。 ハイメ君がまともに勝ったことにビビったのは、私だけではあるまい。(口げんかにも勝ちました。) |
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第四試合 | 巨人アスピリアーン(両刀使い) | vs | ヴィテゲ |
「巨人なんかと戦うのはイヤだ」と言ってたくせに、愛馬スケミングを返してと言われた途端、意気揚々と戦場へ。 もちろん彼が負けるわけないですね…。 |
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第五試合 | シュツートフックス | vs | ロイセン王ハルトゥング |
騎士らしく闘った最初の試合。馬に乗って槍なんか使ってる。 接戦のすえ、ハルトゥング勝利。どっちもマイナーどころの仲間だな、名前知らんよ。(オイ) |
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第六試合 | ワスゲンシュタインのワルテル | vs | ディートライプ |
ここでワルテルを出してくるか…。それにディートライプをぶつけるか…。 純粋に勝負としてみた場合、かなりの好カード。結果は引き分け。 |
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第七試合 | 楽人フォルケール(フォルカー) | vs | 修道士イルサン |
注目の戦い、っていうか、異種格闘技戦と化しとります(笑) 双方の装備品に注目。 フォルケールが逃げ回るシーンっていうのが、どうしても「ふふふ。私を捕まえてごらんなさい」 イルサン「待てコラ!!」 …っていう、なんかからかわれてるようにしか思えんのですが。 |
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第八試合 | ハゲネ(ハーゲン) | vs | エッケワルト |
この組み合わせなら絶対ハゲネが勝つところ、ろくに戦わずアッサリ負けてるあたり、ヤル気無いです。 まぁそりゃハゲネとしては、こんな試合別にやりたく無かったかもしれませんが。 この話を作った詩人の、ニヤリ笑いが見えます。 |
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第九試合 | ゲールノート | vs | ヘルムシュロート |
あっさりヘルムシュロートの勝ち。 あんた誰だよ、的な存在のくせに〜。 |
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第十試合 | グンテル(グンター) | vs | アルプハルト(ウォルフハルト、ジゲスタップの弟) |
巨人より人間相手が好きなアルプハルト。さっくりグンテルを倒して手加減ナシ。 | |||
第十一試合 | ギヒコ王 | vs | ヒルデブラント師匠 |
強。師匠、強いよ。 そんでもって、若い娘(クリエムヒルト)の口付けより奥さんの口付けのがいい、とか、自信たっぷりに言うのが男前。 |
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第十二試合 | ジーフリト(ジークフリート) | vs | ディートリッヒ |
ディートリッヒ様…口から火ィ吐いて勝利するのは、反則です。 っていうか、その火でジーフリトの硬い体を溶かすって、もしやアナタはサイボーグ?!(006) |
と、まぁ、ブルグントの面々はボコボコにされてしまうわけで、「やっぱりディートリッヒのほうが強いんだ!」と、いう結論として、話は終わるわけです。
この話では、グンテルやハゲネは敵側ですが、シドレクス・サガでは、ディートリッヒの12人の仲間として、ともに戦っています。(残念ながらフォルケールは間接的なつながりだけで、仲間には入っていない。)
連続剣技試合の話は、他にもあり、ジーフリト率いる異国の王子たちとディートリッヒ率いる12人の勇士たちが戦うものも、あります。
共通しているのは、ディートリッヒを主人公とする物語では、ハゲネやグンテルは弱い、ってことですね(笑)
あまり活躍の場もないのです。それでも…一緒に戦ってくれると、ドリームユニットみたいで、ちょっと嬉しい…。