ディートリッヒ伝説-DIETRICH SAGA

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イルサン

Ilsan


 シドレクス・サガではなく、ヘルデン・ブッフに収められた「クリエムヒルトのバラ園」、通称「小バラ園」というエピソードに登場します。
 「ニーベルンゲンの歌」をかなりパロディした話で、ラインの姫君・クリエムヒルトが、自分の手持ちの勇者たち12人を、ディートリッヒの12人の仲間たちとぶつけて、どっちが強いか試してみたーいv などと言い出す話です。
 賞品は、姫のキッスと花束でして。
 まことに身勝手なお姫様です。クリエムヒルト。

 そんなこんなで、ディートリッヒが連れて行く12人の仲間の一人が、ヒルデブラントの弟、イルサンです。20年も寺院にこもって修行してた、とか言ってますが、ウォーミングアップなしでバラ園で戦いまくってるところ見ると、剣の道を忘れていたわけではない様子。
 マジメに修行してたなんて、絶対ウソですね。(言い切り)
 剣は持たなくても、十字架で人を殴っていたのではあるまいか。

 怪力な坊さん、と、いうことは、もちろんファイター系聖職者です。
 なんてオイシイ人物なのでしょうか、なまぐさ坊主ですよ、坊主。普段は教会で神に祈りつつ、たまにディートリッヒたちの仲間に加わって、説教杖片手に大暴れ。もちろん、人殺しをしたあとはちゃんと始末もつけます。自前で葬式。
 ナイス、聖職者! これでクエスト失敗でも大丈夫☆ 蘇生魔法を覚えてもらえばゲームオーバーも怖くない!
 …ザオラル使えますか…?(どきどき)

 この話はキリスト教時に作られたものですから、もちろん、イルサンはキリスト教の坊さんです。要するに神父さん。
 どのくらいの階級にいたのかは分かりませんが、ま、一種の破戒僧ですし…そんなエライ人では無かったのでしょう。

 それで破門されないのは、やっぱり王族(ディートリッヒ)と仲良かったからなのか? 教会の維持ってのも、お金がかかるもんなぁ(しみじみ)。
 ディートリッヒたちに誘われて、ウォルムスに試合しに出かけて行くときも、残された修道士たちは「神様。どうかあいつが無事に帰ってきませんように」って(笑) よっぽど暴れん坊だったらしい。
 仲間にハイメやらヴィテゲやら、あからさまに異教徒な連中がいても気にしてないあたり、どう考えても堅苦しい僧侶ではないですし。
 仲間の僧侶に薔薇の花束を投げつけて、その刺で痛がっている様を見て「坊さんのタコ踊りだ!」などと言って笑ってるし…。
 そういう自分は薔薇の花束なんて似合ってたのか? イルサンよ。^^;

 想像としては、大柄でガタイのいい僧侶。救いのためには、大人しく聖書読んでるだけじゃダメだ、世直し旅もしなきゃね? なんて。
 あんまり登場しないのは、泣いてるクリエムヒルトから無理やりうばったキッスによって、ご婦人方の不興を買ったらいではないか、と思われる…。



■イルサンのチャームポイント■

 ・なまぐさ坊主。
 ・食えない男。
 ・冗談が下品。
 ・乱暴者。
 ・自分哲学「女のくちびるは荒々しく奪うもの」。





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