■ディートリッヒ伝説-DIETRICH SAGA |
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「ニーベルンゲンの歌」に登場する主要メンバーが、こちらシドレクス・サガにも登場するのは、既に書きましたが、どうも話によって扱い方がまちまちです。
外伝的エピソードにあたる「クリエムヒルトのバラ園」では、敵対者として戦うだけ。(しかも異様に弱い。アッサリ負ける)
しかしてサガ本体では、ハーゲンとグンターが主要な12人のメンバー中に入って、ディートリッヒと共に戦っている。
ともかくシドレクス・サガとは英雄集大成ですから。近隣諸国の主要な英雄はすべて突っ込み放題です。さりげなくアルスル(アーサー王のこと)まで入れちゃってますからね…!
もっともアルスルの名前が出てくる部分は、「あきらかに、それ、あとから付け足しただろう」とバレバレな具合になっていますが。
ぶっちゃけた話、シドレクス・サガは、ディートリッヒ主人公で、ディートリッヒの素晴らしさを語る「うちとこの英雄がNo.1!」な、物語なので、よその英雄に目立っていただいては困るわけです。
ハーゲン・フォン・トロイエンはあくまで引き立て役。
ジークフリートも同じく。
これらスゴ腕の英雄たちを、いかにしてディートリッヒより劣る人物に見せるか。…もともとアクの強い人たちですし、独自の伝説も持つくらいですから…「負かす」「従える」等、イベントが必要なわけです。
しかし、自分ひとりで求婚に行けないグンターや、筋肉バカなジークフリートはともかく、ハーゲンだけは弱っちく見せることが難しい。
なにしろ、彼がポカミスをしたり、色恋沙汰に溺れたり、人に頼ったりする話が全然ないです。上げ足取ろうにも、一部のスキもないんです。
もしかしてハーゲンにツッコミ入れられたのは、相方のフォルカーだけなのか。
対してディートリッヒは、勝負に負けたり、失敗したり、師匠に叱られたり、だんだん成長していく過程ですから、過去の過ちなどで幾らでもツッコミは入れられます。どうすれば、このディートリッヒよりハーゲンを目立たなく出来るのか?
登場回数へらせばいいんです。(なんじゃらほい)
何だか途中で出てきて、あっさりいなくなっちゃいますね。彼。
ニーベルンゲン族のエピソードが、とても少ないです。一緒に戦うシーンが無い。無さすぎ。ディートリッヒが国外に追放されてるときも知らん振り、とってつけたようにジークフリートを暗殺して、その後、「ニーベルンゲンの歌」の展開と同じくクリームヒルトの復讐に巻き込まれて死亡。うーん。あっけない。
なんていうか、それはディートリッヒの仲間だった、と言えるんでしょか。
仲間らしい振る舞いをしているところは全然ないみたいなんですが…プリュンヒルトへの求婚の旅について行ったりして、むしろディートリッヒのほうが脇役になってませんか。
このへん、なかなか目立ちかたのバランスが難しいです。
余談ですが、この時代の王には、だいたい「指南役」という、剣技等の師匠がついていたそうです。
ハーゲンは、ここではグンターの異父兄弟となっていますが、指南役も兼任。ディートリッヒのところでいうと、ヒルデブラント師匠に相当する地位です。
つーことは、ハーゲンに対抗できるのは、師匠だけ…。ディートリッヒがかなわないわけです(笑)
師匠クラスの人なんて。ゲームでいったら隠しキャラですね。かなりステータス上げないと、仲間になってくれなさそう。
と、いうわけで、ディートリッヒが目立つためには、ハーゲンは、かなり押さえ気味に行動するしかなかったようです。
大変ですね…主役を食わないようにっていうのも(笑)