エルムリッヒ
Elmrich
シドレクス・サガ登場の王様。その中で、彼の甥はテオドリクとなっており、ディートリッヒ伝説とは別の、独立した物語として語られています。
エルムリッヒのモデルとなったエルマナリク王もテオドリク王も実在した人物ですから、彼らの不可解な行動は、元ネタとなったエピソードを消化し切れていないためだと思われます。(「史実と歴史から」を参照のこと。)
さて、この王様。別に気弱じゃないんだけど、むしろ気が強すぎたために余計なことまでしでかしてたのが、このお方です。行動力も指揮能力もあります。当時の王様としては典型的な勝気で勇敢な性格で、まぁそれだけなら大した問題にもならなかったハズなんですが。
ただ…欲深でワガママなんですよ…本当に。
家臣の美人妻にホレたなら、「男の価値は甲斐性だー!家臣のモノはワシのモノ! うははは、良きに従え〜v」 「い〜やぁ〜」
息子(未成年)が、家臣の娘に邪まなことをしたと聞くや否や(実際はしてないんだけど)、「何ィ! お前、子供の分際でそんな淫らな! 良家の子息が何たることを! それにな、あのコはワシが狙っておったのだぞ! ビシッ、バシッ」 「うわーー!」
さらに甥っ子ディートリッヒが皆に人気で自分より好かれていると思いきや、「何者も、私と同等の権力を得ることなどあってはならない。たとえそれが、甥のディートリッヒであってもだ。国よこせ! 嫌なら殺す」 「な、なんて無茶な…。」
と、まぁ、こんな感じで。
どっかの大企業のワガママな社長みたいですよねぇ。上司には持ちたくないな。
この民族大移動の激動の時代に、「黙ってワシについて来い」タイプの独裁者に仕えたら、速攻で戦争に行かされそうでヤです。しかも、上記のような、王様のワガママが戦いの発端。そんなんで命落としたかなぃわぁ〜!(泣)
そりゃあ、何かあったときはバシバシ指令下してくれて、困ったときには在り難かったかもしれませんが、独断が過ぎるのも考えものです。だいたい、他の人の言うことは聞かないくせに、何だって顧問官のジフカの言うことだけは素直に聞いてたんでしょう。やっぱ、ジフカって男だっき?^^;
怪しい。
とにかく怪しいよ王様。奥さんがいるのに家臣の美人妻には手ェ出してるし、家臣の娘の美少女と息子がイイ仲かもしれないと噂を聞いただけで息子を折檻死させてるし、さらに捕らえたハイメ相手に、処刑前に
何かいやらしいことをもくろんでいたというウワサもあります。
甥のディートリッヒも美少年だったハズだから、もしかしたら範疇か?!
バイオレンスな略奪愛に、同性愛に、幼女趣味に、少年愛も。めちゃヤバじゃないですか王様。美しければ何でもいいのか? そーなのか! あんたのせいで余計な戦争が起こっとるんじゃぁ責任とれー! 女性の権利を守れ! 消費税さげろー(意味不明)
さらにジフカと王様がホ●(もちろんサブ)な関係だったりしたら、私は号泣しながらローマの町に殴り込んでいたでしょう。
嗚呼、激しい世界。
まだ「ニーベルンゲンの歌」のグンテルやエッツェルのほうが、人間的には好きになれます。
これで王様やってられるってか。
ジフカのほうはハイメが一発殴り倒してくれたんでちょっとはスッキリしましたが、王様のほうは、何も天罰受けて無い気がして無性に悔しいです。ちなみに、古英詩「ベーオウルフ」
にも、この人の名前は登場しますが・・・。
どこで見かけても、悪役です。
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