■ディートリッヒ伝説-DIETRICH SAGA |
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Egard & Aki
ディートリッヒのいとこ。兄弟のお父さんの名前も「アキ」。そして、父さんのアキも、息子のアキも、ともに早死にしてしまうという。
や、自分と同じ名前の人間がサックリ死ぬのは、結構辛いっスよ…? つづりも一緒だし^^;
弱いのか、と言われれば、確かに弱い。父さんの「アキ」は、ディートリッヒの祖父の「庶子」、つまり、認知された妾の子。しかも三男。それゆえ相続出来たものは少なく、長男のエルムリッヒがローマ、次男のディートマルがベルンをもらい、残った辺境の土地を継いだのがアキ。
それも二人の息子を残してサックリ死んでしまっていますから、物語に登場するのは息子二人だけです。しかも死に役。(泣)
ある時とつぜん、「私の父のものは全て長男であるこの私のものだー」などとキレ出したエルムリッヒが、細々と暮らしており決して反抗などするはずもないエガルド&アキ兄弟の領地に攻め入ります。弟はともかく、兄はこの理不尽さに怒り、逃げられるか、と男気を見せました。
しかし相手はローマ軍、弱小領主の適う相手ではありません。
決して勝つことの出来ない戦いに挑み、城内に若い命を散らす二人。その知らせ聞いて怒るディートリッヒ、何の罪もない従兄弟たちの命を奪うとは、さては伯父上はご乱心か?!
このままいけば全面衝突間違いなし。
ベルンの町もわしのもの、とばかり、容赦なく軍を差し向けるエルムリッヒでしたが…
このとき、ヴィテゲはエルムリッヒ側についていました。
そして何と、無残にも殺されたエガルド&アキ兄弟の後見人でもあったのです。(一つの話によれば、ヴィテゲは兄弟の母の未亡人と結婚していたのだとか。…年齢を計算してみると、かなり厳しいんですが。)
後見人としてついているからには、兄弟は義理の息子です。それを殺すかエルムリッヒ!
ハイメが大臣のジフカを殴り飛ばしている間にヴィテゲがディートリッヒに進軍の知らせを運んだ、というのには、実はそういうエピソードが裏にあったからなのでした。あまりに戦力に差がありすぎる、逃げたほうがいい、と助言したのも、彼でしょう。
当然、ディートリッヒとしては一緒に行って欲しかったのでしょうが、結局、ヴィテゲは現在の主君:エルムリッヒのもとへ戻ることを選んだのでした。
話の表面に出てくる兄弟の役割はちっちぇーですが、物語の分岐に及ぼす影響は大きかった。
もしも彼らが死ななかったら、ヴィテゲの心は動かず、ディートリッヒはエルムリッヒと戦って、死んでいたかもしれない?
散っていった二人の魂に合掌。