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(3) …そして、太平洋の真ん中へ


サンティアゴを満喫したところで、再び飛行機に乗って今回の旅のメインステージ、イースター島へ。


イースター島は、最初に立ち寄った西洋人の船がイースターの日に島を発見したことからそう名付けられただけで、現地の人は「ラパ・ヌイ」と呼んでいた。
チリの国土名としては「イスラ・デ・パスクア」と呼ばれている。イースター島は英語名で、航空券はその名前では売られていないので注意だ。

飛行機はわりとちっさいこのチリ本土とイースター島を結ぶ航路は、とにかく遅れるので、タイトな乗り継ぎはしないほうがいい。
と、いうか、今回も行き2時間、帰り30分遅れた。と、いうか、2時間遅れで出発して何故か到着したら30分遅れとか、飛行機に「飛ばす」という概念があるんかどうかよくわからんがとにかく謎いタイムスケジュール。

太平洋のド真ん中往復している飛行機はほかにないので、航路が詰まっているわけではないのだろう。

遅れる原因は純粋に風の影響というのもあるが、島民が時間にかなりルーズなため、乗合バスの感覚で「ちょっと飛ばすの待ってようちのバァさんがまだ乗ってないんだよ」的な感じで止めちゃうこともあるらしい(笑)
まぁそんなかんじで、島時間を見込めってこった。



島についたら、空港の前には島唯一の村ハンガ・ロアが広がっている。


ちょっと沖縄っぽいはしからはしまで歩いても一時間くらいの小さな村。島の人口5000人の大半がここに集まっている。水道、電気、電話などのライフラインはここにしかない。いちおう空港や宿ではWi-Fi表記もありインターネットも繋がることは繋がるが、衛星回線なので風の影響を受けやすく、速度は一昔前のダイヤルアップなみ。期待してはいけない。

尚、電力は村から見て空港の反対側にある火力発電所で発電しているが、強風の日は電線がぶっちぎれて頻繁に停電がおこる。悪いことは言わんので懐中電灯は持っていけ。

太平洋のド真ん中の島といってもハワイやタヒチりようなリゾート地ではないこと、物資は乏しいんだってことは理解して行くべき。もちろん道が舗装されているわけもなく、雨が降れば池となり、この道は夜になれば漆黒の闇に包まれる。
だがその剥き出しの自然が良い。


海辺の道。
波が高い日は波に洗われる。ここの近くにキャンプ場があるのだが、高波の日はモロに波かぶる場所なんで、夏場以外はオススメ出来ない。
バックパッカーさんは何組か泊まってたけど、貸し出しテントはちゃんと張らないと風で飛ぶと思われる。


南国風ですが。。。この海沿いの道を歩いていると、モアイ像はそのへんの道端に転がっている。^^; モアイ像は基本、海沿いに、集落の方向を向いて建てられていたものなので、海に沿って歩けば島中のそこかしこで見ることができる。周囲に柵などもなく場合によっては看板すらもないというフリーダムさ。「え? まじこんなんでいいの?」っていうくらいポソっと存在する。

もちろん、いくらフリーダムといってもモアイは触ったり傷つけたりするのは禁止、見つかると高額罰金なので注意されたし。


沖合には豆つぶのように、島の人の漁船が見える。
頼むと乗せてくれることもあるらしいが、今回は旅行日程がギリギレだったのでそこまでは出来ていない。周囲にほかの島がなく生活排水も少ないので海の透明度は世界最高レベル。波が静まった瞬間に覗き込むと、ヤバいほどはっきりと海の底が見えている。


海岸通りを歩いていくと、たくさんのモアイが見つかる。


ぬぼーん
生首状態のモアイ。
長年のうちに体の部分が土に埋もれてしまったらしい。

モアイ像の大半は、島の東にあるラノ・ララク山から切りだされたものなのだが、元になっている火山岩はとても脆く、加工しやすい反面、風化もしやすい。
ごくごく一部には硬い岩で作られたモアイもあるそうだが、大半は風化が進み、おぼろげに目鼻立ちが分かる程度だ。

「巨石文明」と呼ばれるものは、基本的に石の「永遠性」に注目して築かれている。(ex.ストーンヘンジ、ピラミッド)
だがこの島の場合、資源に乏しく、木材よりも豊富で加工しやすいお手軽な素材として石が選ばれた。永遠性は求められておらず、石で作られた像でありながら、木材などの朽ちてしまう素材と同じく「使い捨て」目的で使われているのだ。

現に、モアイ像は何度も立て直しがされ、古くなったものは単なる石材としてモアイの立つ土台部分「アフ」に再利用されている。
石に持たせる意味が全く違うということに気づいた時、この島の像は、巨石文明に入れてしまってはいけないんだと悟った。モアイはそれ自体が記念碑なんじゃない。代替わりすると取り替える、墓の「卒塔婆」みたいな存在なんだ。



貨物船海の向こうに見える貨物船。

島には何も資源がないため、石と一部の自生果実以外の物資はすべてチリ本土からの輸入。もちろん燃料も。

だが島の周囲は断崖絶壁で、小さな港しかないため、貨物船は沖合に停泊して島から小型船がコンテナを迎えに行くんだそうだ。コンテナを一つずつ島に運び込むのでたいそう手間がかかり、全部おろし終えるのに何週間もかかるのはザラだそうな。もちろん風の吹く日、波の高い日は荷物が運べずお休み。^^ なんとものんびりした島時間である。

そのコンテナ降ろしに使われているのは、日本のクレーンメーカー・タダノが寄付した二代目のクレーン。モアイ像起こしに使われたあとは貨物降ろしで活躍しているそうだ。



こちらが、貨物の積み下ろしをしているピコ港。
すぐそばに、モアイの立つアフ・リアータがある。

港ですこのあたりは村のはずれで、観光客はあまりこない。

ちなみに荷物の積み下ろしはかなりテキトー(ホテルの人いわく)で、品物が破損してるのも良くあるそうな。
本土から送られてくるたまごは割れまくりで無事なものが少ないため、最終的に1コあたり30円くらいのお値段になってしまうんだそうな。チリは日本より物価安いので、日本で言うとヨード卵・光くらいの価値にされているということか。

ちなみに、島にはニワトリがたくさんいるのに何故たまごが輸入なのかというと、島民が面倒くさがってニワトリを管理しないからだそうだ。
ニワトリはそのへんてテキトーに卵を生んでしまい、人間が見つけるのは困難なので、たまごも鶏肉も輸入。わけがわからない。だがそれが、この島の現実だ。


この後、島を歩いていると、野生化したニワトリがあちこちでヒヨコを連れてフリーダムに闊歩しているのを見かけることになる。というかニワトリだけじゃなく馬も牛もフリーダム放牧だった。牛がモアイ像に脱糞してるとか普通の光景だった。

 イースター島民ェ…。



モアイとコンテナ
おまけ、コンテナと港とモアイ。
生活風景に溶け込んでるのはともかく、なかなかにシュールな風景だ。
ちなみにこのモアイは夜にはライトアップされて何ともいえない不思議な感じになる。


次の日からはガイドさんつきで島をめぐることになるのだが、この日は自分で地図を片手に村とその周辺をひたすら歩いて回った。村のレストランやショップは、やっていたりいなかったり。島民はその日の気分で開店を決めるそうで、開いてるかどうかは「行ってみないとわかんない」という状態のようだ。





だいぶ風化しているモアイ村のサッカー場あたりを歩いているときに突然の夕立ち。
島の天気は変わりやすく、毎日が「晴れ時々くもり ところにより一時雨」。

生暖かいスコールに打たれながら、子供たちはサッカー場を元気に駆け回る。












夕日
夕日が雲を蹴散らして















虹
そして、虹。

島には高い建物がないので虹がとてもきれいに見える。
わずか30分ほどの間に空はめまぐるしく姿を変えていく。海を渡る風が常に吹き続け、雲の流れが早い。なのに時の流れはとてもゆったりしている。

ここは世界最果ての不思議な島。









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