■シャルルマーニュ伝説 |
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つっこみルネッサンス
・オルランドゥ⇒帰国命令を無視して今もアンジェリカを追っかけている。
・アストルフォ⇒リナルドと一緒に帰国途中、止せばいいのに魔女にちょっかい出して攫われる。
・ブラダマンテ⇒ロジェロを探して戦線離脱。
・ロジェロ(敵)⇒リナルドとの手合わせの途中でいなくなったかと思ったら、リナルドの妹とフォーリン・ラヴ。
主要キャラが皆して出払っていた、その頃…
リナルドだけは、シャルルマーニュの命令を優先して必死で本国フランスを守っていた。
「うおお! 異教徒どもめ!(オルランドゥの馬鹿! 役立たず! 二度と戻ってくんじゃねェ!)」
サラセン人を片っ端からぶっ倒していくリナルドの姿は、悪魔か鬼のようであったという…。
ま、八つ当たりですが(笑)
「くそ、あいつら〜…オレ1人にしやがって。何でオレ1人!!」
オリエヴィエ「いや、一人って私もいますが」
オジエ「…わしは?」
オルランドゥにおいてけぼり食らった歯止め役オリヴィエ&恋愛ネタに絡めないデンマーク人オジエ、やたら影薄い(笑)
12勇士というからには、もちろん他にもいるンですが、実際、話にはあまり出てこなかったり。
リナルドは、めっちゃ機嫌が悪かった。(それも仕方がない…)
彼の不機嫌な剣の前に、サラセン人の部隊は皆、恐れをなして逃げて行った。そんな中。
一人だけ、無謀な若者が立ち止まり、リナルドに挑戦したのだった。
手にした盾の紋章は――赤と白の四分塗りわけ。そう、オルランドゥの紋章と同じだったのである。
戦場では、鎧でフル装備していると顔も体格もほとんど分からず、紋章は個人を識別する、ほぼ唯一の指標だ。もちろん敵軍にオルランドゥがいるわけないので、たまたま同じ紋章をつけた別人なのだが、リナルドには今、ちょうど腹をたててる最中のオルランドゥに見えたことだろう。
「貴様が誰だかは知らないが、その紋章をつけるとは命知らずな。貴様のような奴は早めに死んでもらうに限る!」
どしゅっ
…一瞬でざっくり殺されてしまった若者の名は、ダルディネルといった。
ズマラの王子で、まぁそれなりに強かったらしい。しかし、その勇敢なダルディネルさえあっさり倒されるのを見て、異教徒の皆さんは恐慌に陥った^^; 怖いよ、リナルド君…。
必死で逃げるムーア人。王マルシリウスは何とか敗残兵を集め、その夜は震えながら眠りについたという。
「主力の騎士が居ないのに、なんで負けてるんだ、おれたちは…。」
それはね。勝利のカギを握るはずのロジェロが戻ってないからだよ。そっちも主力いないから(笑)
夜中も少し過ぎた頃のことだった。サラセン人の陣地で、小さな動きが起こった。クロリダンとメドロ、ふたりの若者がむっくり起き上がり、危険をともなう戦場へ戻ろうと相談しはじめたのだ。
彼らは、死んだ王子ダルディネルの従者だった。クロリダンは弓の名手で狩人だったが、メドロはろくに戦うこともできない、ぽっちゃりふっくらの若者だ。そして王子に、少し憧れも抱いていたらしい。
「ねえクロリダン、王子様が何も無いさびしい草原に投げ捨てられて、獣たちについばまれているなんて、僕耐えられないよ。なんとかして、助けてあげようよ。せめて遺体を探し出し、葬って差し上げよう?」
クロリダンは、驚きつつそれをもっともだと思った。そして心底思った。「こいつ、いいヤツだなぁ」と。
二人は、見張りの義務をすっぽかして、真夜中の敵陣へと乗り込んで行った。
夜とはいえ、敵陣に乗り込むことは危険でいっぱい。
メドロはさっそく、昼間の戦場でいとしの王子を探し始めるが、クロリダンはわりとどうでもよかったらしく、手伝いもせずにフイ打ちで寝ているフランス軍の兵の首を討ち始める。とにかくチャンスがあったら殺しとけ。ある意味、漢である。
ともかくも二人は、目指す王子の遺体を見つけた。
だが運悪くそこへ、敗残兵を追いかけて行っていたゼルビノが戻ってきたのだ。ああ! もう、クロリダン! アンタが余計なことしてなきゃ、もっと早く逃げられたろ?!
…ってなのは、言っても今さら仕方が無いんだが。
「む、曲者?!」
ゼルビノ配下の兵が剣を抜く。おどろいたクロリダンは、荷物(ダルディネルの遺体)を放り出して素早く「逃げる」コマンド発動!
だがしかし。メドロは逃げていなかった…!
「王子様のご遺体を見捨てて逃げられるもんかー!」
ああ。心底イイヤツ系だ、メドロ。
自分だけ我を忘れて逃げたクロリダンは赤っ恥。おれは一体、なんてことを?!(※裏切りというコトです)
茂みの中から矢を番え、逃げるメドロを援護しようとするクロリダン…だがメドロは、ゼルビノの制止に耳を貸さなかった部下によって、一瞬のうちに瀕死の重傷を負う。それを見たクロリダンはキレてしまい、もはや自分の命もなんとも思わない狂戦士と貸した。
突っ込むクロリダン。討ち死にするクロリダン。(早ッ)
まだ息のある親友メドロの傍らに伏したクロリダンの体…さらば友よ、君のことはきっと忘れない…。
侵入した若い異教徒たちが倒れたのを見届けて、ゼルビノは去って行った。まだ僅かに息の在るメドロも、このままでは死んでしまうはずだった。
だが、運命のいたずらによって、その様子を、たまたま物陰から隠れて見ていた人物がいたのだ。
アンジェリカだった。
おいおい! 何でこんなところにいるんだアンタは!
しかも農民の娘の仮装して?!
魔法の指輪を取り戻し、再び変身でき…いや、姿も消せるマジカル・プリンセスへと戻れたアンジェリカは、今や元の傲慢でプライドの高い王女だった。(健気に涙流しながら助けを求めてきた乙女とは違うのデスヨ…。)
リナルド、オルランドゥ、サクリパン、その他大勢の地位と名誉ある男たちを袖にふり、利用しつくして来た彼女。苦難を越えるごとに自信は高まり、もはや、ありきたりの男とは結婚する気がなくなっていた。
…それが、何故か!
主人の遺体を必死で守ろうとしてあえなく倒れたメドロに、胸ときめかせてしまったのである。
女って謎ですね。
アンジェリカは、負傷したメドロを近くの農家に連れ込みかくまった。彼女の献身的な看護と怪しい漢方薬によって命を救われたメドロは、当然のようにこの絶世の美女の口説きに落ち、国も故郷も捨てて、ともに、遥か東方はカタイの国へと、旅立つことになったのであった…。
[さようならアンジェリカ。だけど、誰か忘れていないか…?]