この物語には、大きく分けて2つの国に属する人々が関わっています。
彼らの所属と関係を、表に纏めてみました。本によって名前の表記は異なります。
※この物語は前半と後半の間が50年開いているため、前半と後半では登場人物が大きく異なります。
「登場」部分は、その人物の登場するのが前半か後半かをおおまかに示すものです。
ウェデル族(ゲータ)
岩波文庫版では「イェーアト族」となっている。
名前 | 地位 | 家系・関係 | 登場 |
ベーオウルフ (ビーオウルフ) |
王の血族 のち、王になる |
祖父/ヒゲラーク王 父/エッジセーオウ 母/レーゼル王の娘 ゲータ王の甥。レーゼルはヒゲラークの前の王。 |
両 |
エッジセーオウ | 王妹の婿 | ベーオウルフの父。 かつてデネの国に渡ったとき、ロースガール王と会っている。 |
− |
ブレカ | ? | ベーオウルフの戦友、幼馴染。直接は登場しない。 | − |
ヒゲラーク (ヒィエラーク) |
王 | レーゼル王の息子。 前半で、ベーオウルフが仕えている主君。 |
前 |
ヒュグド (ヒュイド) |
王妃 | 父/ハレス(ヘレス) 夫/ヒゲラーク 夫との年はかなり離れているらしく、前半では「うら若い」。 |
間 |
ヘレベアルド | 王兄 | ヒゲラークの父、レーゼルの長男。弟の矢に当たり死亡。 | − |
ヘスキュン (ハスキュン) |
王兄 | 国がオフテレとオネラの襲撃を受けたとき、 スウェーデンに出兵して討ち死にする。 |
− |
レーゼル (フレーゼル) |
先王 | ヘレベアルド、ヘスキュン、ヒゲラークの父。 孫のベーオウルフをひきとって育てていた王。 |
− |
ウィフスターン (ウェーオホスターン) |
スウェーデン 王家出身 |
ウェーグムンディング一門の貴人。 かつて、スウェーデン王オネラのもとに仕え、叛旗を翻した エーアンムンドを討ち、その剣を奪う。 |
− |
ウィーラーフ (ウィーグラフ) |
王の親戚、部下 | ウィフスターンの息子。ベーオウルフの父、エッジセーオウと、 ウィフスターンはともにスウェーデン王家出身。 一族の最後の一人が、彼である。 |
後 |
ヘアルドレード (ヘレベアルド) |
王位継承者 (だった) |
ヒゲラークの息子。 スウェーデンの王権争いに巻き込まれ、戦いで命を落とす。 |
間 |
エアヴォル (イオヴォル) |
王の血族 | 父/ヒゲラーク 過去の回想に何度か登場。 |
− |
デーン族(シュルディング)
岩波文庫版では「デネ族」となっている。デネはデンマーク人のこと。別名イングウィネ。
名前 | 地位 | 家系・関係 | 登場 |
ヘレモード | 過去の王 | かつての悪王。巨人に欺かれ異境で死ぬ。その後、シルドが流れ着く。 | − |
シルド (シュルド) |
過去の王 | 波を越えてやって来た、デーン族の伝説の王。 「シェーフの子シルド」という意味でシルド・シェーヴィングとも。 死した後は、船に乗せられ海へと送り出された。 |
− |
ベーオウルフ | 過去の王 | シルドの息子。主人公ベーオウルフとは、同名だが別人。 | − |
ロースガール (フロースガール) |
王 | 曽祖父/シルド・シェーヴィング 祖父/ベーオウルフ 父/ヘアルフ・デネ かなりのご高齢のようです。 |
前 |
ヘオロガール (ヘレガール) |
先王 | ヘアルフ・デネの息子、ロースガールの兄。死去。 死因は不明。死後、弟のロースガールが王位を継いだ。 |
− |
ハルガ | 王族 | ロースガールとヘオロガールの兄弟。 | − |
ローズルフ (フローズルフ) |
王弟 | ヘアルフ・デネの孫、ハルガの息子、ロースガールの甥。 優しい、人望が厚いなどの話が出てくるが、その信頼とは裏腹に、 ロースガール亡きあと、その若き息子たちから地位を奪わんと謀反を起こす。 |
前 |
ウェアルフセーオ (ウェアルフセーオウ) |
王妃 | ロースガールの妻。 | 前 |
レスリーク (フレースリーチ) |
王子 | ロースガールの息子。長男。 | 前 |
ロースムンド (フロースムンド) |
王子 | レスリークの弟。 | 前 |
フレーアワル | 王女 | ロースガールの娘。 のちに、ヘアゾベアルド族の首領インゲルドのもとに嫁ぐが和平はならず、 争いとなり、フレーアワルとインゲルドの仲は険悪になってしまう。 |
− |
ホンドショー (ホンドシオーホ) |
家臣 | グレンデルが襲ってきたとき、最初に落命する家臣。 | 前 |
ウンフェルス (ウルフェンス) |
家臣 | 父/エッジラーフ 兄弟/兄弟を殺した、との記述が出てくる。 ロースガールに仕える戦士の一人。ベーオウルフに剣を渡す。 |
前 |
アシュヘレ (アッシュヘレ) |
家臣 | 弟/ユルメンラーフ 老顧問官。グレンデルの母なる水魔に殺害される。 |
前 |
その他(他の国の人たち&分類不明)
ヘアゾラフ (ヘアゾラーフ) |
ウィルヴィング族 | 主人公ベーオウルフの父、エッジセーオウがかつて戦で倒した勇士。 この男を倒したことから、エッジセーオウはデネの国に渡ることになる。 |
シゲムント (シィエムンド) |
詩人の語り | ワルス(ウェルス)の子。龍を倒した伝説の英雄。 「ニーベルンゲンの歌」に出てくるシゲムントと同一人物。 |
フィテラ | 同上 | シゲムントとともに旅をしたという人。詩人の語りの中に出てくる。 |
フィン | フリジア王 | フォルクワルダの子。フリジア人の王。ヒルデブルフを妻とする。 |
フネフ | ヘアルフデネ | ヘアルフデネの首領。 妹ヒルデブルフがフィンに嫁ぐが、そのフィンの裏切りによって命を落とす。 |
ヘンゲスト (ヘンジェスト) |
ヘアルフデネ | フネフの家臣。武将。 主君の暗殺後、フィンと和平を結ぶが、やがて復讐のためグースラーフらとともにフィンを殺害する。 |
グースラーフ | ヘアルフデネ | 旅から戻り、主君フネフが暗殺されたことを知り、逸る心を抑えかね、フィンを殺害する。 |
オースラーフ | ヘアルフデネ | 同上 |
ハーマ | 詩人の語り | ブロージングの首飾り(ブリシンガメンと同義)を持って逃亡する人物。 ヴォルスンガ・サガやシドレクス・サガのヘイミル(ハイメ)のことと思われる。 |
エオルメンリーチ | 同上 | ハーマに首飾りを奪われた王。エルマナリク、エルムリッヒと同一人物。 |
スリュス (モードスリューゾ) |
? | オッファ王の妃。以前は残忍な人物だったが、 夫を持ってからは生まれ変わったような賢夫人に。 …ヴァルキューレ?^^; |
オッファ | ? | ヘミング(ヘムミング)の親族。 |
エオメル (エーオーメール) |
? | オッファの息子。ガールムンド公の甥(孫?)にあたる。 |
インゲルド | ヘアゾベアルド | フローダ王の子。ロースガールの娘、フレーアワルを娶るが、和平はならない。 |
エーアンムンド | シルヴィング (スウェーデン) |
シルヴィングの先王、オフテレ(オーホトヘレ)の息子。 現在の王で叔父であるオネラに叛旗を翻し、ゲータ族の国に助けを求める。 |
エーアドギルス (エーアドイルス) |
シルヴィング (スウェーデン) |
同上。 |
オネラ | シルヴィング (スウェーデン) |
シルヴィングの王。オフテレの弟。 ヘアルドレードの跡をついで王となったベーオウルフが エーアドギルスに手を貸し、倒す。 |
ダグレヴン (デイフレヴン) |
フリジア | ヒゲラーク王の殺害者と思われる勇士。 戦場にてベーオウルフと一騎打ちして破れ、命を落とす。 |