■アーサー王伝説-Chronicle of Arthur |
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アーサー王伝説と言ったらケイ卿。アーサーの乳兄弟でもあるケイ兄さんは、とっても性格が悪いことでも有名です(笑)
業務はこなすが口うるさい!
気は強いが腕っ節は弱い!
勇気はあるが運が悪い!
だがしかし!
そんなケイ卿がいなければ、アーサーの宮廷は運営されない、という影の立役者。みんな結構、自分勝手で、人を纏めるとか使うとか、下手そうだもんなあ(^^;) 個人プレイ大好き。まともに領地おさめるよりは恋と冒険に走っちゃってますからネ。
一人くらいは、ケイ卿のようなお人が居ないと国の運営は出来んのですよ。 夢ばかり追いかけちゃあ国政は成り立たない。世の中、本当はちょっぴり世知辛いもんです。
そんなケイ卿を、ハルトマンよ、あなたは何故、そんなに苛めるのか。
ケイ卿の口が悪いのは、いつものことじゃあありませんか。それがご愛敬というものではありませんか。
たとえば、「イーヴェイン」。
これの元になったマビノギオンの「ウリエンの息子 オウァインの物語」では、単純に、ケイ卿に当たるカイがケノンに話を求め、ケノンが自分の体験した泉での不思議な出来事を語る展開です。そのあとカイが「そんな話はウソだろう。」と、嫌味を言っておしまい。
そこをハルトマンは、わざわざケイ卿の嫌味を言うシーンを増やし、グウィネヴィアやその場にいた騎士たちに、「ま、この人いつもこんなだから。」と、馬鹿にさせることまで行っている。何で、こんなくだらないイベントに3ページも使うのか。そんなに読者に「ケイ卿は嫌味ばっかり言うヤなヤツだ。」と印象づけたいのか。
確かにハルトマンの性格を慮るに、ケイ卿とは馬が合わなさそうですが…。
でもハルトマン、イヤミいうオッサンまでプリチーに描いてこそプロよプロ。
見よ!
敵わないのにイーヴェインに向かって行ってガツンとやられてひっくりこける(方言→派手に転ぶこと)ケイ卿を。
しかも、手当たり次第負けまくってるのに、それでも毎回一番に相手に打ってかかる無茶っぷり! その無謀なる勇気! (よく死なないなぁ…)
実際は百敗の民でありながら、自分たちは百勝していると信じるアイルランドの民みたいだ。
なんてぷりちぃ。
実際に下について働くのはちょっとカンベンってカンジですが、見てて楽しいと思いませんか。真面目にやってんのにズッコケてる具合は毎度のお約束、愛すべき名脇役でしょう?
かませ犬とか言わない。
いい人ですよ、ケイ卿。常にno.2の位置に在りながら、下克上は企まない。
口の悪さのわりに人望はあるらしく、仕事はキッチリとこなす敏腕執事。
他の騎士さんたちのようにホレたハレたの色恋沙汰もなく、家庭一筋に生きてますし。
奥さん・息子・娘を意外と大切にしていそう。でもって、何だかんだ言いつつ義弟思いだから、ずっと仕えてるんだろうな…。
しかも「マビノギオン」では、ちゃんと見せ場もあるんですよ?!
九日九晩水の中にいても息が出来る。九日九晩寝なくて大丈夫。人に負わせた傷は絶対治らないし機嫌のいいときは背が伸びる。おまけに手から出る熱で洗濯物もすぐ乾く!(どんな人間だよ…)
「キルフフとオルウェン」の物語では、巨人ウルナッハのもとに単身乗り込み、騙してサックリ殺したりもする。
ただマヌケなだけじゃ無いんですって。生き残ってるあたり、強いんですよ一応。ただ間合いが悪いのと。自分を過信ぎみなのがイケナイだけなんですって。
そこが、味。
愛すべき二枚目半なケイ卿が、面白い。