2005年3月4日
「E-10試し撮り

撮影 OLYMPUS E-10

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なんだかんだで結局買ってしまった、
レンズ一体型一眼レフのE-10。
少しだけ試し撮りのために近所を回ってみた。
万博会場の観覧車とリニモ
(真ん中に写ってるリニアモーターカー)。
周辺では工事の追い込み真っ最中という感じで
なんとなく慌ただしい雰囲気がただよっている。
もう20日後には工事を完了して、
後かたづけもして、すっきりと開幕を迎えなくては
いけないから、大変だ。
でも、本当にきっちり工事を間に合わせるのは、
世界の中でも日本くらいなんじゃないだろうか。
車の運転席からウインドウ越しに撮っても
不自然なところはない。
E-10はいかに自然さを追求するかという
テーマで作られたように思える。
派手さはないけど、地味でもない。
見たままそのまま。
あとは撮影者の腕にお任せします、
という無言のメッセージを感じる。
そんなに全面的に任されても、
と思ってしまう私であった。
明暗差には弱くはない。
けど思ったほど強くもない。
設定でコントラストを一番弱くしてるけど、
ノーマルでは黒潰れや白飛びを起こしやすい。
遠景はちょっと甘いような気もするけど、
もっと絞り込まないといけないのかもしれない。
レンズのF値が2.0-2.4と明るいので、
F4くらいで撮ってしまいがちだけど、
まだだいぶ足りないようだ。
青空が自然な色に写るのはとても嬉しい。
DiMAGE7 UGがどうも青空が上手くなかったので
よけいにそう思う。
ホワイトバランスが色温度で
設定するようになってるので、
夕暮れ空などもイメージに近づけやすそうだ。
E-10は花マクロが一番得意なんじゃないか、
と買う前から思っていた。
こういう派手な色のときは、
風景では出さないような色を出す。
色再現性も高い。
背景のぼけ具合もいい感じで、
レンズ交換式の一眼よりも被写体深度が
深くてピントが合わせやすい。
ただ、20cmまでしか寄れないので、
専用のマクロレンズか、クローズアップレンズ
は絶対に必要になる。
オートフォーカスはものすごく速い。
たいてい一瞬で合う。
だから、カメラが大の苦手で、
撮ろうとするとすぐに逃げていくアイも、
今後は撮っていけそうだ。
ある程度動きのあるものもこれなら撮れる。
DiMAGE7 UGはオートフォーカスがあまりにも
遅くて動きのあるものがまったく撮れなかった。
ただし、ピントを外すときは外す。
焦りすぎ。


 まだ初日で、何時間かしか使ってないので分からないことが多いのだけど、これは常用できないかもしれない、という感じがしている。
 とにかく大きすぎる。体積でいうと、コンパクトデジ4台分くらいある。
 散策のお伴として、ストラップも付けずに片手で持ってふらふら歩いたり駆けたりする私のスタイルには向かない。
「取材ですか?」とか訊ねられそう。
 重さはなんとかなるにしても(けど、本体だけで1kgって。鉄アレイじゃないんだから)、この大きさは慣れでは克服できない気がする。

 画質に関しては、DiMAGE7 UGを使っていた後ということで、びっくりするほど違うわけではない。
 確かに上質な絵で発色もいいけど、解像感に関してはそれほどでもない。
 画質の差とサイズの差を天秤にかけると、E-10をあえて選ぶ必然性は弱い。
 しかも、35mm(換算)から始まる4倍ズームでは守備範囲が狭すぎる。

 使い勝手は慣れとかいうことだけでなく、あまり良くないと思う。
 まず液晶が暗すぎて、撮った写真の露出が合ってるのかどうか分かりづらい。
 それと、思った以上に手ぶれを起こしやすい。重ければ安定するというわけではなくて、シャッターの押し具合とか形状と手の関係とかで、かなりの確率で手ぶれを起こす。1/4以下のシャッタースピードでは根性だけでは止められない。
(個人的に、手ぶれ補正機能なしのデジでは同じOLYMPUSのC-3030ZOOMが一番手ぶれしにくいと感じた)
 あと、ファインダーはクリアできれいに見えて、ピントも分かるんだけど、けっこうのぞきづらい。アイカップの形が良くないのだと思う(NikonのDK-4を上からかぶせてる人が多いのはそのせいだろう)。
 視野率95パーセントというのも微妙に掴みづらい。これまで100パーセントのDiMAGE7 UGやC-2100UZを使ってきたので。

 と、割と欠点ばかりが目立ちがちなE-10。でも今後は分からない。ぴたっと決まったときの画質はさすがと思わせるものがあるし、欠点と思えたものも慣れが解決することもあるだろう。
 DiMAGE7 UGも第一印象はあまりよくなかった。
 いずれにしてもE-10は踏まなければいけないステップだったので無駄ではない。しばらく使ってみることにする。

 レンズ交換式一眼レフへの思いはかなり弱まった。やっぱり大きすぎるというか、大げさすぎるというか、考えたらそこまで求めてなかったです私、とふと我に返った。
 引き返すような形で、12倍ズームのDMC-FZ10か、DiMAGE7 UGの後継機である手ぶれ補正付きのDiMAGE A1に落ち着きそうな予感がある。
 やっぱり、テレコンでも交換式の望遠レンズでもない、高倍率ズーム機が私のスタイルに合ってるし、撮っていて楽しい。高画質よりも、超望遠を捨てることで撮れなくなってしまうことの損失の方が大きい。

 ひとつの到達点だと思ったE-10との付き合いは意外と短いものになるかもしれない。

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