2005年2月9日
「足助城
(あすけじょう)
東加茂郡足助町
地図
撮影 MINOLTA DiMAGE7 UG

日常・非日常写真一覧へ ホームに戻る

いい天気で時間もあるときは少し遠くへ。
今回は足助町にある足助城。
名古屋周辺の人なら、香嵐渓といった方が
分かりやすいだろう。
153号線から420号線に入って、足助中学を
過ぎたところにある道を左に入ったところ。
まだ雪がかなり残っていた。
今日は15度くらいあってすごく暖かったのに。
ここから急勾配の細い道を上っていく。
軽に4人乗せていくと上れないかもしれない。
ここの駐車場は年中無料。約30台。
すごく傾いている。
運転席側のドアが、お、重い……。
助手席のドアを勢いよく開けたら
ちぎれて飛んでいきそう。
オート三輪(若者は知らない)なら手で押すと
ゴロゴロゴロっと下まで転がっていくだろう。
足助城は公園として整備されていて、
入るにはお金がかかる。
大人は300円。高校生以下は100円。
入城は午後4時まで。
タイルに書かれた足助城の説明。
足助城は、戦国時代、鈴木氏が建てた城で、
徳川家康のお祖父さんに攻められて従属したり、
武田信玄に落とされたり、
その後徳川家康に取り戻されたり、
こんな田舎の山城なのに慌ただしい歴史を持つ。
平成5年に、3年ほどかけた発掘調査を元に
復元されて、現在のような公園に整備された。
とかなんとか。
入ってすぐ、矢倉らしきものが見えてきた。
土嚢袋とか、土砂崩れを防ぐための補修とかが
あって、やや興をそぐところもあるのだけど、
なかなか雰囲気はある。
本格的に発掘調査されただけあって、
井戸(の跡)や堀切、曲輪なども見ることができる。
こういう柵も麻縄を使って復元されている。
なかなかのこだわりを見せる。
復元に4億だか5億だかかかったそうだから、
300円くらいは払わないと。
これは西の物見台。
こういうところから敵を見張っていたのだろう。
建物自体はたぶん想像が入った復元だと思う。
でも場所は発掘の結果をふまえているから、
案外往時の姿に近かったりするのかもしれない。
ここは居城というより砦に近い性格のところだった
らしいのだけど。
はねあげ戸。
室町時代からこういうスタイルは割と
ポピュラーだったらしい。
ふーん、そうなんだぁ、
と感心してると、
横に「マムシに注意」という看板がある。
山にはありがちな注意書きだけど、
いつかホントに遭遇してしまうんだろうか。
ここも発掘で見つかった、かまど。
戦に備えて、ここで煮炊きをしたのだろう。
焼けた石なども見つかったらしい。
厨(くりや)と呼ばれる武士の詰所の内部。
囲炉裏(いろり)がある。
その他の生活用具なども。
南の物見台。
かつてはここに登れば東西南北が一目瞭然
だったわけではなく、隣のもっと高い山に
見張りがいて、そこからの知らせを受けた。
のかもしれないという話だった。
ガイドのおば様によると。
実は、入り口から入るとき、ポンポンポン〜♪
というチャイムが鳴って、それを上で控えていた
ガイドの女の人が待ちかまえていたのだった。
ええ〜、頼んでませんけど〜。
いえいえ、ありがとうございます。
この城や歴史にまつわるいろんな話を
楽しく聞かせてもらいました。
手取り足取り根掘り葉掘り。
所要時間約15分。
でも実際、なかなかためになった。
あ、そうそう、これが本丸の高櫓と長屋(手前)。
出来たては白々としてたようなんだけど
(パンフレットの写真によると)、
10年以上経って、いい感じに風合いが出ていた。
ここが上っていったところ。
畳敷きと白木で清潔だった。
説明書きとか発掘の写真などもあって
しばし見入る。
今日も私の貸し切り。
香嵐渓自体が今は一年で
最もシーズンオフな時期でもあり、
周りに観光客がほとんどいなかった。
高櫓の2階から見た景色。
足助の町並み。
けっこうたくさん住んでいる。
ここらは昔から交通の要所で、
いくつかの道が交差する場所だから、
割と人は多かったのかもしれない。
高櫓の屋根。
こけら(柿)葺きだったと思う。
こけら材を使ったもので、長屋は茅葺きだったか。
石置き板葺きとかいうのもあったような。


 今回は足助城をしっかり堪能することができた。
 ガイド付きで。
 個人的にはひっそり静まった岩村城みたいな雰囲気が好きなんだけど、あそこは本丸に何もないから、復元された城跡とどっちがいいとも悪いとも言い切れない。
 両方あっていいと言えばそうだし。
 しかし、単なる想像の復元ではなく、きちんと発掘調査した上での復元という点でこの足助城は意義がある(復元された姿がどこまで実際のものと似ているのかは判断できないにしても)。
 城好きなら一度は訪れたい。
 城や歴史にあまり興味がなくても、香嵐渓に行った際にはついでにでも。

日常・非日常写真一覧へ ホームに戻る