2004年11月1日
「茶臼山
(ちゃうすやま)
愛知県北設楽郡豊根村
地図
撮影 Kodak DC4800

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昼から雨があがるという天気予想が当たった。
偉い。
こんな雨上がりの日はきっと人も少ないだろう
ということで、茶臼山へ向かった。
愛知県で最も標高が高く、
一番早く紅葉が見頃になるということで。
紅葉情報ではもう終わりかけとなっていたので、
これでもやや遅れたか。
グリーンロードに入るまでがかなり混雑してたが、
(来年3月の愛知万博のための道路工事で)
有料道路に入ってしまえばこの通りがらんどう。
通行料は終点までいくと400円。
値上がりした?
近づくにつれて山や木々が微妙に紅葉してる。
でも平地はまだまだ。
茶臼山の手前にある有名スポット
「香嵐渓」もまだ早い感じだった。
山道に入るとやはり涼しい。
下とは5度くらい違った。
茶臼山への道は基本的に一本道なのだけど、
とても分かりづらい。というよりすごく不親切だ。
「茶臼山方面」という看板は一切見かけなかった。
たぶん、153号線から257号線に入って、
茶臼山高原道路を行くのが一般的で、
そっちで想定してるのだろうけど、
あんな中途半端な距離で1,500円は高すぎる。
153号線から県道46号線へ入る場合は
ちょっと注意が必要だ。
案内看板も出てないし、矢印がしてあって、
「→10号線」とか書いてあるので。
私は間違えてだいぶ行きすぎてしまった。
隣の山は、紅葉といえば紅葉。
枯れているといえば枯れているだけかも。
そんなにびっくりするほどきれいなわけじゃない。
そもそも茶臼山の紅葉スポットってどこなんだ?
下調べの段階ではよく分からなかった。
(結局行ってみても分からなかったのだった)
茶臼山登山は、歩きの登山じゃなく、
車のドライブ登山だ。
どんどん登っていくとだんだん空が近くなる。
青空と雲と平行くらいになった。
こういうシーンはDC4800が最も得意とするところ。
晴れていると、露出はいじらなくてもちゃんと合う。
茶臼山周辺を道路がくるりと取り囲んでいる
のだけど、どこからが茶臼山で、
どこからがそうじゃないのかの区別がつかない。
何度も車を道路脇にとめて確かめたけど、
今ひとつ掴めなかった。
もしかしたら茶臼山というのは標高だけは高いけど
山自体はとても小さいのかもしれない。
で、この辺はまだ茶臼山周辺に過ぎないのかも。
遠くに見えている山並みも方角が分からず不明。
開けてるところがあったので、
車を降りて見てみたら、
「山頂まであと600m」の標識発見。
なんですと?
もうそんなに近いんですか?
しまった! ほとんど車で上ってしまったぞ。
本当はもう少し下にとめて歩く予定だったのに。
正面の山を見たら、スキー場らしき斜面があった。
あれが萩太郎山だろうか。
時間に余裕があればあっちも登りたかったけど、
今日はもう無理そうだった。
とりあえず車を空き地にとめる。
周りにはたくさんの無料駐車場があるので、
スキーシーズン以外は困ることはないだろう。
ここは第4駐車場の手前だろうか。
山頂まで一番近いところにとめたい人には
おすすめだ。
何しろここから山頂まで
600メートルちょっとしかないのだから。
西登山ルートだったかな。
しかし、何やら霧が……?
うわぁぁぁ。
あっという間に辺り一面、霧に包まれてしまった。
なんも見えん……。
ここは森の広場だったか、
その手前の自由広場(?)だったか。
何しろ瞬く間にどこからともなく流れ込んできた霧
によって白い世界になってしまったのだった。
山って怖いかも。
そういえば紅葉は?
霧に気を取られていたけど、
見渡してみても紅葉らしい風景はどこにもない。
わずかにこんな感じで個別に木が
紅葉してる程度で。
どうも茶臼山自体が紅葉するわけではない?
ということにだんだん気づき始めた。
紅葉するのは周辺なのか?
ちょっと歩くと、もう見晴台。
でもこんなに近いとありがたみがない。
ここの見晴台は立派だった。
100人どころか1000人乗ってもびくともしない、
と思う。
たぶん大丈夫。
身を乗り出しすぎて転げ落ちていかなければ。
最近気づいたけど、
私は軽度の高所恐怖症かもしれない。
こういうところから下を見るとぞっとする。
見晴台からの展望は霧に阻まれ、
ほぼゼロ。
見えるのは手前の木だけ。
晴れていたらここから紅葉の山並みなどが
見えたりするんだろうか?
それにしても人っ子ひとりいないなぁ。
山頂に続く道はけっこうきつい。
下から登ってきたらけっこうへばるだろう。
雨上がりということで、足下は濡れて滑りやすい。
これはもみじ? かえで?
こういう葉っぱが落ちてるということは、
このあたりも紅葉してたんだろうか?
もうほどんど木は裸で、葉は残ってなかった。
見頃が始まったのが10月半ばということは、
もう終わってしまっていたのかもしれない。
いたるところが苔だらけ。
苔好きとしてはけっこう嬉しい。
標高が高いということで、
今まで見たことがない苔もあった。
採取したい気持ちを抑えて先を行く。
あっ、青空だ。
見上げればそこに青い空が。
霧はこうして晴れたり、
また出てきて一面を覆ったりしていた。
青空全開のときに来たかったけど、
霧というのもそう見られるものじゃないし、
今日は今日でよかったのだ。
青空もたまに見ることができたし。
たった600メートルがやけに遠いんですけど。
はぁ、はぁ、ぜぇ、ぜぇ……。
これはもしかして空気が薄いというやつか!?
それとも単に私が軟弱なだけなのか?
標高1,400メートルって、
少しは空気が薄いんだろうか?
人間が体感できるほど。
けど、確かにちょっと歩いただけで息が乱れる
ような気がした。
気のせい?
写真を撮ったりして休みつつ、
近くて遠い山頂に到着。
茶臼山、標高1,415m。
ふもとからから歩いてきたら、
感慨ひとしおだっただろうけど、
600メートルしか歩いてないから、
かなり物足りなかった。
はぁ、はぁ、はぁ。
楽勝だぜ。
ふぅ、ふぅ、ふぅ……。
三角点を記念写真。
これを見ないとやっぱりすっきりしない。
山頂の見晴台からの展望もこの通り。
また深い霧に覆われてしまって何も見えない。
晴れていたら、ここからは360度の
パノラマが広がる、らしいのだけど。
誰もいないので貸し切りで
しばらく待ってみることにする。
もう二度と来られないかもしれないし。
一期一会。
すると、そんな私の願いを聞き入れてくれたのか、
一瞬だけ視界が開けた。
おっ、見えた!
紅葉した山並みを照らす夕陽と、
下に広がる大草原牧場。
山の精霊よ、ありがとう。
と心の中でお礼を言って、山頂を後にした。
この景色が見られて満足。
帰り道、歩いていたら、
突然目の前を灰色の塊がささっと通り過ぎた。
うわっ、と思ったら、
この草むらの中に飛び込んでしまった。
やつは何者だったんだろう?
子猫より少し大きくて、灰色をしてたけど。
こんな高いところにすむ動物って何だろう。
タヌキとかかな?
ウサギにしては大きかったし、
サルではないと思う。
 地面をかなり速いスピードで駆け抜けたから。
しばらく待ってみたけど
もう出てくることはなかった。
たぶん、ツチノコだな(そんなわけねえ)。
標高が高いということもあって、
さすがに花の季節は終わっていた。
わずかに咲いていたのが、
このアザミ(モリアザミ?)と、
あとはノコンギクや、
アキノノゲシの枯れかけくらい。
春から夏にかけては、
この高原一帯にいろんな珍しい花が咲く
のだという。
できたらまたそういう時期に訪れたい。
車のところに降りてきたら、
更に霧が深くなっていた。
まだ明るさが残っていて、日没前だったので
もったいなかったんだけど、
あまり暗くなると危険だと思い、帰ることにする。
結局茶臼山には1時間くらいしかいなかった。
もう少しのんびりしたかった。
できれば牧草地も行きたかったし、
周りの道路も一周したかったし。
で、紅葉はどこだったんだろう?
車を運転していても、霧で前がよく見えなかった。
対向車がほとんどいなかったから助かったけど、
これで夜になっていたら危ないところだった。
ただ、霧はやはり山頂付近だけだったらしく、
下がるごとに晴れていって、
下ではまったく霧などなかったのだった。
標高が高いところって、
あれが普通だったりするんだろうか?
紅葉はどうやら茶臼山へ行く途中の
道路脇のことらしかった。
帰り道で気がついた。
言われてみれば、車で走ってる最中は
きれいな紅葉があちこちにあった。
私が行けなかった反対側の道にもあったようだ。
薄暗くてあまり撮れなかったのが残念。
それに紅葉は青空バックがやはり一番だ。
曇り空では冴えない。ましてや霧ではなおさら。
暗闇の夜景でも1/8秒とかで撮ろうとするくせに
この程度の薄暗がりでも1/4秒とかになって
しまうとは、どうしたDC4800?
油断したらすっかり手ぶれ写真になってしまった。
DC4800は手ぶれしにくいデジだと思うけど、
さすがにここまでシャッタースピードが落ちると
どうしても手ぶれしてしまう。
このあたりは行きにちゃんと写しておきたかった。

 今回の茶臼山行きは行く日を間違えたと言えなくもないけど、霧に包まれた世界も面白かったのでよしとしよう。
 ただ写真としては少し残念だった。
 でもまだ本格的な紅葉シーズンはこれからだ。あと一週間もしたら低い山に降りてくるだろうし、今月の半ばには平地も秋色に染まるだろう。
 今年は行けるだけ行っていこうと思っている。
 超有名スポットを避けつつ。
 けど、紅葉と桜は、見るには感動するけど、写真を撮るのは難しいんだよなぁ。
 一部を切り取るとドラマティックじゃないし、全体を写すと迫力不足になるし。

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