2006年1月1日
「松阪帰郷2006冬
(まつさかききょう)
三重県多気郡
地図
撮影 Canon EOS D30+EF28-105mm

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今年も無事松阪帰郷ができてホッとした。
直前になって問題が発生して、
ちょっとあやうかった。
行って帰ってくるだけの帰郷だけど、
これがあるのとないのとでは気持ちの区切り
という点で決定的に違ってくる。
写真は祖父母の家の前の通り。
かつて水銀が採れたとき、ここは宿場町として
たいへんにぎわったそうだ。
今でも少しだけそのときの面影が残っている。
古い家は住むには何かと不便だ。
だから一階部分は建て替えたり
改修したりしてるところが多いけど、
二階部分は古いものがそのまま残っている。
古い家では明治や大正時代の姿を
とどめているのかもしれない。
西村彦左衛門といっても一般的には知られてない
と思うけど、地元では偉人として有名だ。
私財を投げ打って用水路を作ったりしたらしい。
(私もくわしくは知らない)
それをたたえて最近、
生家跡にこんな銅像が建った。
何を思って突然こんなものを建てたのかは謎だ。
村おこしの一環だろうか。
こんな奥まったところまで
観光客は来ないと思うけど。
丹生小学校。
なかなか立派な校舎だ。
しかし、去年だったかおととしだったか、
近くの学校と併合になって、
ここは廃校になってしまった。
今は村民(この1月から合併して町民に)
のための運動場や催し用に使われている。
住民の避難場所でもある。
盆踊りもここで行われてる気がする。
古い板壁とホーロー看板。
レトロを狙ったわけではなく、ただ古くなっただけ。
地元の人はもはや見慣れていて
何も感じなくなっているに違いない。
よそ者は、こりゃ古いなと感心する。
古すぎて看板の文字がほとんど読めない。
バスの時刻表。
何年か前まで三重交通のバスが
走っていたのだけど、
赤字路線でついに廃線となってしまった。
このバスは村営だと思う。
それにしても、これを逃すと
致命的なので気をつけなければならない。
9時や11時ではどう考えても
学校や仕事には使えない。
ここに住むには自家用車が絶対的に必要だ。
村には生きていく上で必要最小限の店しかない。
コンビニなんてもちろんない。
スーパーも本屋も喫茶店も、それ以上の店も。
信号機もないし、横断歩道、歩道橋なんてのもない。
店は、食料品店、生魚店、菓子屋兼おみやげ物屋、
履物屋、仕出し屋、文具と雑貨、それくらいだと思う。
電気屋もないし、医者と名の付く人もいない。
これで事足りなければ車で20分ほど走った隣町に
行く必要がある。自転車だと1時間くらいかかる。
大きな買い物は松阪駅に行くことになる。
丹生大師へと続くメインストリート。
両側に民家が並ぶ以外は
特にこれといったものはない。
大師湯という温泉があったけど、
最近になって出が悪くなったとかで
閉鎖になってしまった。
大きな車同士はすれ違うのが難しい。
丹生大師の境内。
左手の階段を上がっていった上に本堂がある。
子供の頃から見慣れているから特に感慨はないけど
はじめて訪れたら古さと立派さに
感心するんじゃないかと思う。
この日は大晦日で人は少なかった。
初詣はけっこうにぎわったことだろう。
こちらはお寺さん。
法事で一回中に入ったことがある以外は
ほとんど馴染みがない。
けっこう古いようで、
外の塀ははがれ、屋根がうねっている。
通りとしてはメインストリートに対する
裏通りということになるのだろう。
櫛田川の方へと歩いてきた。
案内標識がひっくり返ってるけど、
あまり気にしてはいけない。
でもまったくのよそ者だったら、
この見間違いは致命傷となる。
田舎の道は都会の道と違って、
一本間違えると取り返しがつかない。
櫛田川の流れは穏やかだった。
最近まったく雨が降ってないから、
水量もかなり下がっていた。
カモっぽいのが泳いでいた。
この場所でカモは珍しい。初めて見る。
望遠レンズを持ってなかったので、
正体が分からなかったのは残念だった。
サイズとしてはコガモくらいだったけど、
こんな田舎の山の川にコガモって飛んでくるのか。
もしかしたら初めて見る鳥だったかもしれない。
お地蔵さん。
というか、川の守り神?
古い高橋が架かっていた場所にある。
(高橋が新しくなったのは何十年も前のことだ)
ここを通る人たちの安全を守ってくれている。
川は相当下の方にあるから、
転げ落ちていったらまず助からない。
もうひとつのお寺さん。
こっちはたぶん入ったことがない。
場所的にもほとんど馴染みがないところだ。
田んぼや畑はほぼ全面的にお休み中。
当然だけど、夏とは風景が一変している。
これはこれで悪くない。


 これまで何度か散策のページでも故郷の風景を紹介した。今回は家並みや村の様子をあらためて写真に撮ってみた。ディープな田舎度が少しは伝わっただろうか。
 鳥や花などの収穫がほとんどなかったのは残念だったけど、その分田舎を紹介することができてよかったかもしれない。
 機会があれば丹生大師と勢和村を訪れてみてください。6月にはあじさい祭りもやってます。

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