2005年9月21日
「愛・地球博(あい・ちきゅうはく)」
愛知県長久手町
地図
撮影 OLYMPUS E-10
最後の最後でようやく行けた、愛・地球博。 一時は気分的にもう無理と思ったけど、 追い込まれたら強いということを 自らに証明するためにも 行っておく必要があった。 そして、行ったのはやはり大正解だった。 それにしてもすごい人だ。年齢層も幅広い。 若者や学生はもちろん、 元気なおじいおばあ様の多いこと、多いこと。 21世紀最初の万博は、入場者の平均年齢が もっとも高い万博となったに違いない。 |
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万博の写真の撮りどころは少ない。 外観を撮ってもさっぱり面白いものは撮れないし、 パビリオンは当然入らないと撮れない上に 入っても撮影禁止だったり、暗かったりで 実質撮れないところが多い。 ここは写真向きのところではなかった。 しょうがいない、人でも撮るか。 ってか、どこを向けて撮っても人が入ってしまう。 歩く通路はこんな感じ。 人の流れが制御されてないので、 とても歩きづらい。すれ違う人をよけつつ、 歩きの遅い人を抜きつつ、日傘をよけつつ、 突然立ち止まる人をかわして歩く。 |
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日陰を占領する人々。 会場は日陰が少ないので、あらゆる日陰シーンに 人はいる。 一度取ったら、なかなかもう動こうとしない。 会場内にいる人の半分はこうして休んでる感じだ。 あとは並んでるか。 |
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ドライミストがふりかかる道。 非常に細かい霧状のものを噴出して、 温度を2〜3度下げる効果があるらしい。 みんな好んでそこを歩いていた。 一応濡れないという名目ではるのだけど、 なんとなくカメラを持ってはそこを歩きづらい。 だから、なるべく中央付近を歩く。 が、そうすると、後ろから来る会場自転車や バスの邪魔になってベルを鳴らされたりする。 うー、どこ歩きゃいいんだー。 |
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建物の中のレストラン街。 ここは行列を作ってるふうではなかったけど、 (昼はもう過ぎてたから)、 しっかり人は入っていて、盛況だった。 きっと、長時間居座る人がたくさんいる。 何しろ涼しいし、歩き疲れてるし。 |
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ちびっこも引率されて元気に行進していた。 学生も思った以上に多かった。 制服を着た中学生や高校生たち。 もし、自分が学生のとき 学校につれられて来てたら、 反発して楽しもうとしなかっただろうと思う。 かつて、明治村やリトルワールドでそうだったように。 こういうところは、あえて学校では行かずに、 自主的に行かせた方がいいと思う。 その方がずっといい思い出になるから。 ちびたちはあんまり覚えてないだろうけど。 |
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芝生で死んだように寝てる人々。 通路でも、不人気パビリオンの床でも こういう人たちがたくさんいた。 こんなにたくさんの疲れ切った人たちを見たのも もちろん初めてだ。 他ではあまり目にする機会はないと思う。 なかなかに笑えた。 早朝組は無理もない。 昼も過ぎた頃にはぐったりだろう。 中には徹夜組もいるらしいし。 |
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大地の塔。 ちっちゃい男(藤井フミヤ)がプロデュースした 大きな塔。 巨大万華鏡が仕込まれている。 できればここは入って見たかったんだけど、 行列の長さに断念。 ここは心残りだ。やっぱり見たかった。 |
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展覧車。 これは小さい。 大きな大観覧車は他にあって、あっちは有料、 こっちは無料。 半分は外の景色を見られて、 半分は建物の中の展示物を見られる仕組みに なっているらしい。 ここもスルー。 |
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見えている建物はワンダーサーカス電気館。 壁に子供たちが描いた絵がたくさん貼られている。 バスのような乗り物は会場内での移動手段の一つ、 グローバル・トラム。 電気自動車のようなものだ。 グローバル・ループの上をゆっくり走る。 無料なら乗るけど、500円は安くない。 歩ける人は歩けということか? |
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ぬいぐるみのモリゾーかキッコロが運転してる という噂の無人バス。 床のセンサーが動きを制御してるのだとか。 未来型の乗り物っぽいけど、 実用という点では問題が多そうだ。 どれだけ機械化しても、 いざってときのローテク・マンパワーに まさるものはないと思う。 機会は壊れたら自分で修理できないし、 プログラムの想定外のところでは無力化する。 |
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愛・地球広場と、瀬戸会場と長久手会場を結ぶ モリゾー・ゴンドラ(だっけかな)。 キッコロ・ゴンドラかもしれない。 長久手会場内を動いてるのがキッコロか。 で、長久手と結んでるのがモリゾーか? いや、別にどっちでもいいんだけど、 会場内で動いてるのは有料(600円)なので やや注意が必要かと。 (瀬戸と長久手を結ぶのは無料) |
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乗り物つながりで超伝導リニア。 といってもこれは展示物で、会場内を 突っ走ってるわけではない(当然)。 予約制で中にも入って見られるようだ。 最高時速580kmオーバーの未来の乗り物。 私が生きてる間に実用化はあるのか!? |
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遠くに見えてるのは、「夢見る山」。 どういうものか、よく分かってない。 アニメ監督の押井守監督が総合プロデュース。 夜になると赤紫色にライトアップされる。 手前は少し花畑。 でも、自然の叡智というテーマにしては、 自然や花が少なかった。 もっと会場中を自然で埋め尽くすくらいの 勢いが欲しいところだ。 壁に緑を植えて温暖化をふせぐとかの試みは あったものの、どれも地味。 花フェスタ岐阜の全面協力で花だらけに するくらいでもよかったんじゃないか。 それに、花も野草じゃなく園芸品種で面白くない。 |
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オーストラリア・パビリオン。 ここはどうしても入ってみたい個人的な理由が あったのだけど、行列が長すぎた。 こりゃダメだ、と逃げ出す。 豪州館ってこんなに人気があったのか。 巨大カモノハシのオブジェ、見たかった。 でも、ワニ・ロールは食べたくないぞ。 クロコダイル・ダンディーじゃないんだから。 |
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ほとんどのパビリオンの前だけは通った。 入ったのは、マレーシアとかの 並んでないところだけで、 やはりそういうところはそれなりだった。 みんな、知ってるのね。 人気のところと不人気のところが両極端だった。 |
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エジプト館もえらく並んでた。 そんなに人気のあるところじゃないと思うけど、 国の知名度の高さゆえか。 全般的に建物の工夫はもうひとつ。 それっぽいところもあるけど、 ぐっとくるところはなかった。 予算もあまりないのか? ペイントでごまかしてるところが大半で、 建物で凝ってるのは、日本の企業パビリオン くらいのものだった。 だから、写真に撮るところも少ない。 この点はかなり残念なところだった。 もっとその国らしさが出ている建物が見たかった。 |
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ルーマニア・パビリオン。 ここは斜めにはめ込んだガラス張りの 外壁がちょっと面白かったけど、 ルーマニアらしいかといえばそうでもない。 ルーマニアといえばドラキュラしか思い浮かばない。 どんな展示があったのだろう。 |
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待ち時間のボードはどうも信用できない。 あの行列でこんな時間とはとても思えなかった。 イタリアやフランスなんてかなり並んでたし、 あんまり動いてもいなかった。 並んでみたらこんなもんなんだろうか。 ドイツ館は人気があるのか、何やら制限が かかっていた模様。 パビリオンも、見学型のものはわりとすいすい 流れていくのだけど、体験型のものは 回転が悪くて、なかなか進まない。 並ぶにしても、そのへんを見極めた方がよさそうだ。 (今更のアドバイス) |
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遠かった、サツキとメイの家、見学外周コース。 若いカップルの女の子は、あまりの遠さに泣きが 入っていた。 もうイヤ、あたし、帰る! とか。 確かにこんなに遠い場所に作る必要があったのか と思うほどはずれにあった。 予約が取れなかった人は、 はなれた展望台から眺めるだけ。 もちろん私も。 ただ、これは万博閉幕後もここに 残ることが決まった。 それはそれで最初は混むだろうけど、 いつか行けたら行きたい。 |
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池と日本庭園。 あまり趣はない。 元々青少年公園にあった池を流用してるから。 水もあまりきれいじゃない。 池沿いはちょっとした散策コースや、 森林体験コースなどもあって、 こちらは人が少ないから、 のんびりするには意外とねらい目かも。 |
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だいたい見終わったところで、 目的を異人さん探しに切り替える。 うーん、なかなかいないなぁ。 遊びに来てる異人さんはとっても少ない。 見たとしても多くが関係者だ。 やっと見つけたこの人は、 衣装からして東南アジアの人だろうか。 |
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日本人と異人さんのペアというパターンも けっこういた。 どっちかが案内役なのか、招待役なのか。 それとも普通に友達が一緒に来ただけか。 |
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異人さんがなかなか見つからず、 美人さんもいないので、 仕方なく赤ら顔のおっさんでも撮ってみた。 日焼けしたのか、一杯ひっかけたのか。 ドイツ人とかならこれくらいの時間から飲んでても まったく不思議ではない。 |
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これはアメリカ大陸のあたりだったか、 ヨーロッパのところだったか忘れてしまった。 カナダ人だと言われればそうなのかと思うし、 ブルガリアの人だと聞けばなるほどなと思う。 全然違うのに、区別がつかない。 欧米の人が中国人と日本人の区別が つかないように。 ああ、もっとたくさんの異人さんが見たかった。 |
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おねえさんの背中、 を撮りたかったわけではなく、 マンモスを見るため並んでいた行列を撮っただけ。 いや、ホントに。 マンモスの見学時間は強制的に1分弱なので、 これくらいの列でも20分かからず、はけてしまう。 マンモスは撮影禁止で残念。 ロシア館のマンモスはフラッシュを使わなければ 撮影可能らしい。 |
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マンモスを見たところで、ガクッと力が抜けた。 ふいに満足感におそわれて。 かなり歩いて足にダメージがたまっていたので 愛・地球広場で座って休む。 ここにも死んだように熟睡する人々多数。 何かイベントが始まってしまうと、 ここも大勢の人が押し寄せる。 でもそれ以外は休憩するのはいい場所だ。 靴をぬいで、座ったり寝ころんだりできる。 本を読んでる人もいた。 |
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最後にもう一度オーストラリア館はどうなったか 見に行ったら、さらに人が増えていた。 いかーん。ダメだこりゃ。あきらめよう。 と帰りかけたら、何やらおっさんが踊ってる。 なんだありゃ。 豪州館の前で奇妙な踊りを踊ってる 青いおっさん三人組。 面白くてウケていた。 |
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日も傾いてきて、曇り空で夕焼けも月も 期待できそうにないってことで、 そろそろ帰ることにした。 夜のライトアップまで粘ろうと思っていたのだけど、 もう間が持たなくなった。 パビリオンに入らないなら、4時間もいたら やることがなくなる。 グローバル・ループを2周も歩いて、 いい加減足がおかしくなりそうだったし。 |
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西ゲートを出るときがちょうど5時過ぎで、 5時からの夕方チケットで入ってくる人たちと 入れ違った。 いつも午後4時の集計人数から5万人以上の 上乗せがあるから、夕方以降に訪れる人も かなり多いようだ。 パビリオンをまわるなら、夕方からの方が 待ち時間が少なくていいかもしれない。 特に地元のリピーターにしてみたら。 |
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今回の写真と文章で愛・地球博の魅力や様子が伝え切れたとは全然思っていない。あそこは、やっぱりパビリオンを見学してなんぼ、だ。あと、食べ物や各種土産などにお金を使うほどに楽しめるという面もある。そういう部分が紹介できなかった私の万博レポートは、半分でさえないと言える。ただ、多少は会場の雰囲気を伝えられたかなと思う。主に人々の様子を。 それにしても、もっと魅力的にできたのに惜しいなと思った。総合プロデュースの失敗とまでは言わないけど、もう少し全体としてのコンセプトをはっきりさせた上で、各国にもそれを徹底してもらった方がよかったんじゃないだろうか。国ごとに任せるのではなく。 大部分のメッセージが建物の内側で自己完結してしまっていて、外に向かって開かれていない。だから、行った人、特にパビリオンにたくさん入った人にしかメッセージが伝わり切れてないように思う。 今はこれだけネットが普及してるから、愛・地球博関連のサイトで行けなかった多くの人もその断片を受け取ることができるのけど、その伝わり方は充分じゃない気がする。 逆に言うと、それが多くのリピーターを生み出すという結果につながったとも言えるのだけど(パビリオンを見れば見るほど別のものも見たいと思わせるのは、横のつながりがないから)。 もっとオープンセットのような方向性で、会場そのものが巨大なひとつの展示場となるようなスタイルだったらよかった。たとえば観覧車から下を見たとき、ある場所は森林の自然がそっくり残り、ある場所は都会の建物と光があふれ、あるところでは深刻な自然被害や災害が起こってる様子が見えるとか、そういう分かりやすい視覚的なメッセージが欲しかった。 地球の歴史と現在、そして文化を学ぶということをコンセプトとするなら、今回のスタイルはちょっと個別的すぎたように思う。もっと人の流れを制御して方向性を作りつつ、全体をまるっとつかみ取れるようなのが理想だったんじゃないだろうか。離れた場所のパビリオンでいちいち並ぶというのは印象としても散漫になりがちだ。 それも入場者数が5万人くらいならできたことなのかもしれない。最高を15万人とか17万人とか控え目に想定していた甘さもあった。 まあしかし、あと数日を残してここまで大きなトラブルもなく、たくさんの人でにぎわったというのは地元の人間としても喜ばしいことだ。名古屋オリンピックの借りをこれで少しは返せたかな? 個人的には、何がどうよかったとか、あれがどうだったとか、そういう部分ではなく、確かに自分も愛知万博へ行ったのだという事実が一番大きかった。ずっとあとになって、古い万博の映像がテレビに出てきたときに、そうそう自分もあれ行ったんだよなぁと思えるし、行った人たちと思い出話もできる。すごい人だったよね、などと。それが今から楽しみだ。 行かなければゼロだったものが、行ったという事実だけで100になった。それが私の愛・地球博だ。 行けてよかった、愛知万博。さよなら。そして、ありがとう。 所在地: 愛知県愛知郡長久手町 時間: 2005年3月25日-2005年9月25日 9時-22時 休み: 無休 駐車場: 有料(3,000円など)公式から私設までいろいろ 散策時間: 3時間〜13時間? 公式サイト |