2005年9月16日
「面ノ木園地から天狗棚
(めんのきえんちからてんぐだな)
愛知県豊田市、北設楽郡
地図
撮影 OLYMPUS E-10

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ここのところ散策を少し控え目にしてたので、
たまには遠出を、ということで面ノ木にした。
ずっと「おものき」だと思ってたら、
「めんのき」だった。
深読みしすぎた(面影の「おも」だと)。
遠いようでそんなに遠くない1時間半。
香嵐渓から45分くらいで着いた。
しかし、あいにくの曇天。
というより、車で登っていく途中からだんだん
天気が悪くなっていった。
さすがに愛知県内で一番雨が多い場所だ。
面ノ木といっても漠然としていて、
どこを指すのかよく分からない。
面ノ木の野草ということでネットに写真は
載っているのだけど、
どのあたりで撮られたものなのか
よく分からないまま行き当たりばったりになった。
(結局、それが失敗だったのだけど)
まずは車を駐車場(無料)にとめて
面ノ木園地を歩いてみることにする。
(園地といっても単なる広場だ)
おっと、先客。マツムシソウの群生を撮っていた。
写真の邪魔をしないように、私はまず登山から。
園地の東側が登山口になっている。
トイレはこの反対側の西側で、
そこだけというウワサなので、
最初に行っておいた方がいいかも。
(決してきれいとは言えないけれど)
熊には注意が必要だ。確かに。
けど、それ以上に見られるものなら見てみたい。
逃げたら追いつかれない距離で。
最近ちょっと熊関係のニュースを聞かないけど、
やっぱりいるところには本当にいるのだろう。
猫のカリカリを投げつけたらどうなるんだろう?
面ノ木は、ブナの原生林でも有名だ。
このあたりがそうなのかどうかは分からない。
これはブナっぽい気がしたんだけどどうだろう。
天狗棚まで徒歩20分とあったので、
まずはそちらを目指した。
こちら側の道はいたってゆるやかで楽だ。
ただ、雨が降ったのか、下はぬかるんで
滑りやすかった。
登山のつもりはなかったので
ウォーキングシューズだったのは失敗だった。
ここへはちゃんとした靴を履いていった方がいい。
このうつむきがちなアザミは、キセルアザミだと思う。
山道はこの時期これが一番多かった。
それにしても今回は没写真を大量生産してしまった。
天気が悪い上に山道は薄暗くて、
絞り開放でも1/4秒とかで全然まともに撮れない。
感度を上げると今度はザラザラノイズで使えない。
この日くらい三脚の必要性を
思い知らされたことはなかった。
でも三脚を持ち歩くのは散策スタイルからして
向かないから、一脚を買うことにしよう。
一脚なら杖代わりにもなるかもしれない(なる?)。
花が全然撮れないので、
こんなコケでも撮ってみた。
コケ好きとしては、なかなかにぐっとくる
コケ・グリーンだ。
おっ、カタツムリを久々に見た。
こんな体が黒いやつなんて始めて見た気がする。
調べたけどよく分からなかった。
そんなに珍しいものではないと思うけど、
小ぶりだったから、なんとかマイマイってやつか?
何者か知らないけど、
みんなでVサインをしていたのが面白かった。
いや、Vサインはもはや死語か!?
サインはV。
ヤブレガサかな?
自信はないけど、たぶん。
名前の由来はこの花じゃなくて葉っぱの方。
葉っぱが破れた傘に似ているから。
苦手な白いキク科の花。
今年もきっと見分けがつかない。
これはたぶんゴマナだと思う。
でも確信は持てない。
これなんかも秋の野草というイメージが強い。
去年の秋、よく見かけた。
山は一足先に秋を始めていた。
この日の園地の気温は21度。
花なのかつぼみなのかもよく分からず、
名前も不明。
秋の宿題。
写真を撮りながらゆっくり歩いていたら、
最初の分岐点までに20分くらいかかってしまった。
天狗棚はまだこの先だ。
尾根道との分岐点に出て、
右へ行くと天狗棚展望台、
左へ行くと山頂の1200高地に至る。
両方行くと2時間半コース。
私は時間もなかったので、
右の天狗棚の方だけにしておいた。
登山口から30分ちょっとで天狗棚に到着。
すたすた歩けばやはり20分くらいのコースだ。
展望台といっても、見晴らしが利く小広場で、
特に何があるというわけでもない。
木のベンチもグ〜ラグラに揺れて、
うっかり乗るとひっくり返りそう。
展望台からの景色。
天気がいい日なら、
かなり素晴らしい展望が開けてそうだ。
この日は天気が悪くてこの程度しか見えなかった。
なんにしても、ここはなるべく快晴のときに
訪れたいところだ。
曇りの日ではちょっともったいない。
写真のことも考えるとよけい。
天狗棚の祠。
天狗っていうくらいだから、ここは天狗伝説がある。
鎌倉時代から、天狗の棲む霊山として、
住人からあがめられていたのだそうだ。
これはその名残りだろう。
分岐点まで引き返して、
少しだけ1200高地の方にも向かってみた。
のだけど、5分も歩いたら、
道が突然険しくなって、それ以上進めなくなった。
はいつくばって登らなければいけないような
急な岩場があって、濡れてたので怖くなってやめた。
今回は準備が足りなかった。
心構えも。
トレッキングシューズは必須アイテムと思う。
下まで下りてきたら、曇りどころか、霧まで出てきた。
気温はさらに下がって18度。
もはや半袖では肌寒い。
ここの平均気温は北海道並みらしい。
雨も霧も多く、野草にしても野鳥にしても、
写真的には難しいところのようだ。
私が行くタイミングが悪かったのもあるだろうけど。
蝶もトンボもそれなりにいたけど、
ほとんどとらえられず。
撮ったものも、シャッタースピードが上がらず、
ボケボケで不採用。
撮れたのは、こんな動かないやつくらい。
キミはイナゴですか? ヒシバッタ科ですか?
それとも、別の仲間?
こう見ると、変な形の虫に見えるけど、
蛾を横から見たところ。
羽の一部がゴールデンで、おっと思わせる。
羽に金箔を貼ったみたいで、ちょっと贅沢な感じ。
キクキンウワバ。
日も暮れて、写真も撮れそうにないので
帰ることにする。
不完全燃焼だけど仕方ない。
物足りないので、帰り道の道ばたで
目についた花を撮って帰った。
これもゴマナのようなそうじゃないような。
これは木の花。
見覚えがあるけど名前が分からない。
近いうちに調べ直す。
シシウドかなと思うけどどうだろう。
林の中に白が目立っていた。
オトコエシとは違う気が。
道ばたのヤマハギ。
この紫もけっこう目立つ。
山里の夕暮れ風景。
里も一日が終わろうとしていて、
私の散策もこれでおしまい。
たくさんの没写真がとっても残念な
面ノ木行きとなった。


 今回の写真と文章紹介だけでは、面ノ木の魅力をまったく伝え切れてない。もっといいところに違いない。
 帰りに車で少し回ってみたところ、どうやら第一園地を通り越して、面ノ木ビジターセンターのところまで行って、そこから歩いた方が野草の収穫がありそうな感じだった。そちらには湿地帯もあると地図に出ていたし。
 ただ、登山というなら、私の歩いたコースでいいと思う。天狗棚と1200高地は第一園地から行った方が近い。
 これ以外にもたくさんの散策コースがあるので、その気になれば3時間でももっとでも好きなだけ歩ける。

 野草のベストシーズンはいつなんだろう。よく分からないけど、もう少し早い8月の終わりくらいかもしれない。平地では夏の終わり頃、ここは少し早く秋を迎え、野草がたくさん咲き始める。
 今回見つけられなかった、ウメバチソウ、イヌショウマ、ツリフネソウ、アケボノソウ、ヤマトリカブトなどが咲くらしい。ああ、見たかった。

 野鳥もかなり多いようだ。蝉の声はまったく聞かれなくなっていて、鳥の声が少しずつ戻り始めていた。
 秋から冬にかけてが写真を撮るにもよさそうだ。
 紅葉もある。

 ここへはもう一度訪れたい。ちゃんと準備をして、晴れた日を選んで。

 所在地: 愛知県豊田市稲武町面ノ木峠
 時間: 終日開放(ビジターセンターは10-16時で月曜定休)
 休み: 無休
 駐車場: 無料(たくさん)
 散策時間: 1時間半〜2時間(またはそれ以上)

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