2005年8月26日
「蟹江町の寺巡り
(かにえちょうのてらめぐり)
愛知県海部郡
地図
撮影 OLYMPUS E-10

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名古屋のすぐ西にある愛知県蟹江町。
誰が呼んだか「東海の潮来(いたこ)」。
車で通ったことはあったけど行ったことはない。
ということで、今回初めてちゃんと訪れてみた。
ところで、潮来ってどんなところだろう?
潮来のいたろう?

本とネットで調べて蟹江で一番有名そうな
龍照院(りゅうしょういん)へとやってきた。
なんだか、開放感というか、晒され感が強い。
うーん、特にこれといって
際立ったところはないかなぁ。
見た目のインパクトは弱いし、
変わったところもない。
がしかし、ここは有名な僧の行基が創建して、
「義経」でもおなじみの木曾義仲が再建した
というなかなかに由緒のある寺なのだ。
今でこそこんなにこじんまりとしてしまっているけど
当時は7万坪以上の広大な境内を
誇っていたんだそうだ。
戦国時代の蟹江合戦で本堂以外の大部分が焼け、
その後明治時代の濃尾地震で壊滅的に
壊れてしまったらしい。
そういうことを知っていて見ると、
ほーほー、そうなんだ、なるほどこれがね、と思う。
すぐ左隣には、冨吉建速神社と八劔社がある。
写真のこれが本殿。
室町時代の建物で、重要文化財になっている。
あまり古い建物オーラは感じないけど。
社殿は織田信長が造営している。
古くていわれのある門だと書いてあったけど、
しっかり読んでくるのを忘れた。
しまった。
横を流れている蟹江川。
冨吉建速神社・八劔社の祭礼で「須成祭」
というのがあって、そのとき船が上流へと
上っていくので、どこかの橋が
はね橋になっている。
はずなのだけど、どれだか分からなかった。
もしかして、私が写真を撮るために立っていた
橋がそうだったのか!?
いや、たぶん違う。
御葭橋(みよしばし)ってのがそうらしい。
どこにあったんだろう。
龍照院を後にして、
源氏塚というところへやって来た。
龍照院から南へ行ったところで、65号線の
佐屋川近くにある。
地図上では「天目」となっているところだ。
小さな公園の中にこんな石碑がある。
源頼朝、義経のオヤジさんである源義朝が、
平清盛に負けて、内海(うつみ)方面へと
落ちのびていくときに立ち寄ったのが、
ここ蟹江の小さな島だった。
地元の人間がそれを「源氏島」と呼び、
今に至るとういうわけだ。
源氏公園にいた素っ裸のおっさん。
ん? 露天風呂でもあるのか?
って、ないない。
公園内にはこのハダカおじさんと、
カメラを持った私の二人きり、
という軽い緊張状態の中、
ススっと背後に回り込み、
素早く激写した私であった。
何故、ハダカ!?
噴水が出てたから、
あれで体でも洗ってたのかな。
この日は神社仏閣、旧跡巡りということで
花には恵まれなかった。
これは公園にあった花。
枯れかけなのか、正体が分かりづらい。
遠目で見たときはラベンダーかなと思ったけど、
写真で見たら分からなくなった。
虫関係も少なくて、唯一撮れたのがこれ。
チャバネセセリ。
8月からぐぐぐっと数が増えるやつで、
上の写真の花にたくさん集まっていた。
見た目は蛾だけど、嗜好や行動は蝶に似てる。
蟹江城址を探して車でぐるぐる回ったのだけど、
このあたりは細い道が入り組んでいて、
どうやっても辿り着けなかった。
車をとめて歩こうにも、車をとめる場所さえない。
あきらめて、最後に鹿嶋神社を訪れた。
歴史的にどんな神社なのかはよく知らない。
文学苑ということで知られていて、
この地を訪れた文人や俳人の俳句が
句碑として参道の両端に建てられている。
ざっと見たけど知らない名前ばかりだった。
知ってたのは山口誓子くらいで。
ぐぐっと奥へ入ったところ。
蟹江好きだった吉川英治の句碑は、
ここじゃなくもっと南へ行ったところのようだ。
今回はそこまでは行けなかった。
そちらの川沿いに俳句の散策路があるようだ。
犬を連れてお参りに来た近所の女の人。
こういう光景はけっこうホッとする。
お参りに来る人がどうこうではなく、
神社に対して。
訪れる人のいない神社ってのは
やっぱり寂しいものだから、
自分のためじゃなく神社のために訪れたい。
最後にようやく華やかな色が出てきた。
神社仏閣巡りではどうしても写真が地味になる。
境内に咲いていたムクゲ(木槿)。
白やピンクや一重や八重などいろいろ品種がある。
韓国の国花で、無窮花(ムグンファ)と言うそうだ。


 蟹江を「東海の潮来」と呼んだのは、吉川英治だったらしい。
 それはちょっとどうなんだ、エイジ、と思わないでもないけど、何本もの川が入り組んだ地形はそう言えなくもないのかもしれない。もう少し南の方をゆっくり歩いて回れれば、もっと潮来気分が味わえたような気もする。

 神社仏閣巡りという点でもちょっと中途半端だった。全部は一気に回れないにしても、蟹江城址と歴史資料館くらいは行っておくべきだっただろう(歴史資料館は行ったときはもう閉まってた)。

 地域的には周辺にいろいろ歴史ネタが転がっているから、歴史散策というならそのへんも含めて回るのがいいと思う。美和町から七宝町には蜂須賀小六や福島正則の足跡があるし、前田利家の奥さんのまつの生まれ故郷でもある。
 蟹江だけだとやや物足りないので、周辺とあわせて半日くらいかけて回るとけっこう楽しめるんじゃないだろうか。私も美和町、七宝町はいずれ行きたいと思っている。
 あと、木曾義仲絡みでもう少し他も巡ってみたい。

 所在地: 愛知県海部郡蟹江町
 時間: 終日
 休み: なし
 駐車場: 龍照院などは数台分、その他はとめる場所がないところもあり
 散策時間: 1時間〜2時間

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