2004年9月8日
「猪高緑地(で迷子になるの巻)」
名古屋市名東区
地図
撮影 OLYMPUS C-2020ZOOM

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まだ謎の発疹が消えないので、
あまり無理はできない。
ということで、半ばリハビリを兼ねて近所の
猪高緑地(いたかりょくち)へ行ってみた。
が、まさか、家から車で15分の公園で
迷子になろうとは……。
人生、何が起こるか分からないものである。
駐車場が今ひとつよく分からず、
適当な路上にとめておいた。
(駐車禁止じゃない所がたくさんある)
入り口もいくつかあるのだけど、
ここは南端近くの南東あたりから入ったところ。
入り口付近こそ公園めいているものの、
少し中に入ると遊歩道のようになり、
公園という感じではなくなる。
何やら予想以上に緑が深い。
この緑地を歩くのは初めてなので
全然知らなかったのだけど、
どうも私の抱いていたイメージとはずいぶん違った。
何よりやけに広そう、というか広い。
あとで調べたら66ヘクタールだという。
66ヘクタールって広いの?
公園のイメージはもはやなく、
ほとんど山道に近い。
道路から離れると空気も音も
完全に森の中の雰囲気に変わる。
道は整備されているが、
それ以外は人が遊ぶような所はほとんどない。
そして、この空間は完全にまだ夏だった。
ヒグラシが大合唱しており、
たくさんの蚊がまとわりつく。
とても9月とは思えないほど夏真っ盛りだった。
蚊と写真の手ぶれとの闘いも激しかった。
人はぽつぽついた。
犬を散歩する人や、
ジョギングする人、
私みたいに散歩してる人、
リュックを背負ってる本格的に歩きに来てるなど。
すれ違った異人さんに
「コンニチワ」と声をかけられてしまった。
もう一人、ひとりで歩いていたおばちゃんにも。
なんか、山に来たみたい、とか思ったり。
おいおい、ホントかよ。
と、思わず心の中で突っ込んでしまう看板。
全然そんな心の準備をしてこなかったんだけど。
ただ、そう言われてもまんざら大げさではないと
思わせるだけの山道っぽさがあることは確かだ。
けど、今どき、名古屋市内でマムシはないだろう。
かまれたら血清が間に合わなくて死んじゃうかも?
今日の青空はあまりすっきりしてなかった。
台風一過というほどではなく、
やや濁っていた。
まあ、名古屋上空は通過してなかったから、
ノーマルな初秋の青空はこんなものか。
最近はすっかり日が短くなった。
5時を回るともう夕暮れ空になり、
6時を過ぎると暗くなってしまう。
写真を撮るためには、
これからの時期は厳しくなる。

見えてる景観は東山方面。
緑地の中にはたくさん池がある。
溜め池や、自然に湧き出してきた池など、
大きいものだけで5つくらい。
小さいのはもっと。
魚釣り用ではないのか、
釣り人は見かけなかった。
メダカの池もあり、
カメが浮いていた。
「生き物を捕獲しないでください」
という看板も。
先へ進むにつれ、ますます緑が深まり、
道はアップダウンがきつくなる。
もはや完全に人里離れた雰囲気で、
名古屋市内であることを忘れさせる。

これは紫陽花の道だろうか。
竹林になっているところもあるが、
雑然としている。
もう少し整備すればきれいな
竹林の道になるのに、
ほっぽらかしで、
切ったものをそのへんに置いているから
何やらとりとめもない。
もったいない。
竹ももう少し青々としてると
きれいなんだろうけど、
やや色褪せてるのが残念だ。
絵にならない。
竹林を抜けた先の休息所。
ここを見ても、ほとんど整備されてないのが
よく分かる。
基本的に人をもてなすような態度は見られず、
最低限の整備だけして、あとはそのまま好きに
歩くなりなんなりしてください、といった姿勢だ。
だから、電灯なども一切ないし、
自販機も一台も見かけなかった。
潔いというかなんというか。
「井堀の大楠」と書かれた木札があった。
ちょっと有名なのかもしれない。
もう少しちゃんと見た方がよかったか。
緑地内の簡易マップをプリントして
持っていたのだけど、
やっと半分近くきたところで
すでに1時間近く歩いていることに気づく。
広っ!
軽いリハビリのつもりが、
本格的な山歩きに近くなってるではないか。
しかし、半分で引き返すわけにもいかず、
更に先へ進むことにする。
まったくの軽装備で、
飲み物さえ持ってこなかったことを後悔しても
もう遅い。
財布も車に入れたままだっ。
一番奥(北側)あたりの広い池。
緑地内では一番大きな池のようだ。
少し恐ろしげな雰囲気がなくもない。
何か沈んでそうで。
嫌な想像はやめて先を急ごう。
一番北側には棚田がある。
どういう意図でこんなところに田んぼを
作ったのかは不明だけど、
場所としては少し不自然な気がした。
その向こう側はもう緑地ではなく街中で、
東名高速が走ってる。
ここでいったん引き返して、
また別の道へ進む。
が、その道を間違えたばかりに
あとで迷子になることに……。
緑地の内外にはいろいろな花が咲いていた。
これはこの前も古戦場のそばで
見かけた白いやつだ。
名前はいまだに分からない。
そして、今回もまたピントが合ってない。
QV-3000EXもそうだったけど、
もしかしたらデジカメって、
こういう立体感のある白い花に
ピントを合わせるのが苦手なのか?
C-2020ZOOMは割とオートフォーカスは
賢い方だと思うのだけど、
それでも合わない。
それと、この頃は暗くなっていたので
手ぶれをしてるということもある。
これもピントが少し合ってない。
液晶画面では合ってるように見えても、
実際の写真を見てみると合ってないことが多い。
何枚か撮ってるけど、
もっと枚数を撮らないと駄目か。
<追記>
ハハコグサ(母子草)だろう。
緑地の中は夏真っ盛りという感じだったけど、
これは夏の終焉を迎えている。
ヒマワリが溶けるように枯れていた。
色づく前の何かの実だろう。
これでも薄いグリーンがきれいだけど。
たぶん予想では赤くなるはず。
もしかしたら紫かも?
昔は見向きもしなかったこんな花にも
目がいくようになった。
というか、花と見ると何でも撮りたくなる。
♪どれもみんなきれいだね〜♪
と、歌いながら。
遠くから見たら特徴のない花でも、
こうやって近づけば違って見える。
距離感で印象が変わるというのは、
すべてにおいて言えることかもしれない。
人間関係においても。
これは松阪の道にも咲いていたやつだ。
田舎にしか咲かないものだと思ったら、
意外とポピュラーな種なのかもしれない。
まとまって咲いていた。
というか、栽培される感じだった。
<追記>
ヤブラン?
花の蜜を吸う虫。
ハチ?
ちょっと形が違う。
何かよからぬ不人気な虫だろうか。
これは蛾?
羽の内側は青くてきれいな色をしてたけど、
外側からみると茶色い羽の蛾だな、こりゃ。
緑地はいろんな生き物がいるらしいけど、
今回はその点ではあまり収穫がなかった。
黒い蝶なども見かけたけど
写真には撮れず終いで。
野鳥もあれこれいるらしい。
C-2020ZOOMのマクロはやっぱり物足りない。
ある程度大きさのある花なら
20センチでもいいけど、
小さい花を近づいてフレーム一杯に
入れようとすると20センチ以内に近づくと、
ピントが合わなくなる。
接写以外に不満の少ないデジだけに残念だ。
でもこれは今の私にしてみたら致命傷だ。
自然界には紫色がたくさんある。
人間界にはあまりないのに。
自然の紫色は安らかないい色が多い。
<追記>
キキョウっぽいけど違うかなぁ。
キキョウはもっと濃い紫色かな。
ヒナギキョウ?
キキョウ科の何かだとは思う。
面白い形の花もいろいろあるもんだ。
別の花が同居してるみたい。
<追記>
ランタナ、だね。
今回は予想外の険しい道だったが、
靴に関しては準備万端、ぬかりなかった。
この前、歩き用に買った、
リーボックのトラベル・トレーナー。
トレッキングほど本格的なものは必要ないから、
これくらいで軽い山道歩きにはちょうどいい。
今回は普通の靴で行ってたら、
もっと厳しいことになっていた。
木から生えた謎のキノコ。
本当はフラッシュは使いたくなかったのだけど、
あまりの暗さに手ぶれがひどくて、
この一枚だけフラッシュを使った。
でもやっぱりフラッシュの写真って不自然で
好きじゃない。
思いっきり怪しげな雰囲気を発散してるキノコ。
間違っても食べてみようとは思わない。
食べたら即死しそう。
けど、実はよく知られたキノコで、
食べられたりするのかもしれない。
私が知らないだけで。
でも私は遠慮します。
こちらは多少食べられそうな気がするキノコ。
でも、案外こっちの方が
毒がきつかったりするかも。
あたりはすっかり暗くなり、
手ぶれを抑えきれなくなっている。
C-2020ZOOMのF2.0のレンズでも
シャッタースピードが1/3くらいになってしまい、
そうなると手持ちではなかり厳しい。
じっとしてると蚊にくわれまくる。
これは頑張れば食べられるかもしれない。
ちょっとシイタケっぽい。
とはいえ、こんなところに生えているキノコを
食べなければいけないほど
食生活に困ってるわけでもないし、
それほどのチャレンジャーでもない私は、
もちろんお土産に持ち帰ったりはしなかった。
道に迷った!
別の出口から出たら変なところへ出てしまい、
引き返して緑地の中に入った頃には
あたりはすでに日が落ちて真っ暗直前。
これは走りながら撮った一枚。
明かりなど気の利いたものはないし、
とにかく真っ暗闇になったら大変なので、
勘で山道を走った。
10分ほど駆けて、ようやく広い道に出たけど、
まさか名古屋市内の緑地で迷子になるとは
思ってもみなかった。
危ないところだった。
猪高緑地は思いもよらず手強かった。
あれは山だ。
公園とか憩いの広場じゃない。
(そういう部分もあるにはあるけど)
逆に言えば、名古屋でここほど自然が
残ってる場所は他にあまりない。
私は迷子になった時間を入れて、
たっぷり2時間歩くことになったけど、
普通に歩いて一周したら、
1時間くらいだろうから、
近場でワイルドな歩きを楽しむには
ここはオススメのスポットだ。

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