2005年6月1日
「二村山(ふたむらやま)」
愛知県豊明市
地図
撮影 OLYMPUS E-10
二村山へ行ってきた。 二村山と聞いて、ああ、あそこかとすぐに分かる 人はそんなにいないと思う。 源頼朝が歌に詠んだあの二村山か、 と連想できる人がいるのかもしれない。 私はまるで知らない。 たまたま散策本に載っていて知っただけで。 無料駐車もあって、一応名所になってるようだ。 国道220号線沿いの左側。 入り口が狭いので注意。 |
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駐車場の奥(西側)が入り口になっている。 深閑としてるけど、とりあえず踏み跡があるので 入ってみる。 不気味とまではいかないけど、 やや進むがためらわれるような雰囲気はある。 |
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少し進むと、こんな案内標識も出てるので安心。 木製だけど朽ちてないところをみると、 そんなに寂れてるわけではなさそうだ。 まずは左の鎌倉街道方面へ向かった。 |
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10分も歩かず、こんな碑を発見。 あっけなかった。 でもこれが鎌倉街道、 源頼朝がここに立ったのだと思うと、 なかなかに感慨深いものがある。 よそに見し をささがうえの 白露(しらつゆ)を たもとにかくる 二村の山 源頼朝 二村山というのは、かつては歌枕になるほど メジャーなところだったらしい。 |
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鎌倉街道というのは中世の古道で、 鎌倉時代にできた道というわけではなく、 江戸時代になってから、これは昔鎌倉に行く道 だったということで そう呼ばれるようになったのだとか。 源頼朝がこの場所を訪れたのは、 初めて上洛するときだったそうだ。 現在、鎌倉街道として残ってる道は多くない。 |
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これが鎌倉街道、らしい。 かなり道幅は狭い。 馬は横に二頭並んで歩けないくらい。 かつての面影をどの程度残しているのか。 思い入れを持って歩けば感動的。 何も思わなければただの山道。 |
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鎌倉街道の見所は、あまりない。 石碑と説明板くらいのもので。 なので、気持ちは花や昆虫に向かいがち。 途中から花探索に目的が切り替わってしまった。 また区別の難しい木に咲く白い花。 バイカウツギ? 分からない。 |
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上のと一緒のようだけど、たぶん違う。 これはテリハノイバラだろうか。 まったく自信がない。 |
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次々に現れ、私と悩ます白い花たち。 ミヤマザクラか、そうじゃないとするとお手上げ。 |
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ハルジオンにとまるキチョウ。 最近知った、キチョウとモンキチョウがいて、 別のものだということを。 黒い斑点があればモンキチョウ、 写真のように目立つ黒い斑点がないとキチョウ。 花はたぶんハルジオン。 つぼみが下を向いてるから。 つぼみが上を向いてるとヒメジョオン。 ハルはジオンで、ヒメはジョオンって、 これも紛らわしい。 |
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カマキリ発見。 久しぶりに見た。 街中では空き地というものがなくなったから、 カマキリさえ目にする機会がほとんどなくなった。 でもちゃんといるところにはいる。 この他、小さな茶色のカマキリも見た。 |
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最近よく見かける、 このちっちゃいハチみたいなやつ。 何者だろう。いつも花のところにいるけど。 ホソヒラタアブかと思ったけど、 なんとなく尻の模様が違うような。 |
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小さなテントウムシ。 ヒメカメノコテントウのようだ。 |
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鎌倉街道に戻ろう。 しかし、道がだんだん狭くなっていって、 後半はこんな感じになる。 ちょっと狭すぎないか。 これじゃあ、馬では通れないくらいだ。 昔はもっと人通りがあって広かったのだろうか。 またちょっと心細くなる。 |
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とりあえず進めるところまで進もうと行ってみたら、 遠くから人の声が聞こえてきて、 こんなところに出てきた。 うわっ、いきなり。 夢から覚めたみたい。 まさかあのひっそりした道からテニスコートに 出てくるとは思わなかった。 ここで引き返すことにする。 |
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これは山頂付近にある「身代わり地蔵」。 山頂といっても、小高い丘程度なので、 歩きは全然たいしたことない。 延命地蔵として有名らしく、 お参りに訪れる人もけっこういるとか。 枝振りのいい立派な松が立っていた。 |
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あ、犬だ。 ノラ? 首輪はしてないようだったからノラなのか、 ここの飼い犬が自由に走り回ってるのか。 軽やかな足取りで私の前を走り去っていった。 |
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地蔵さんの横を通って上に登っていくと、 こんな場所に出る。 ここらが山頂になるのだろう。 「二村山勝地」という石碑も建っている。 |
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ここにもお地蔵さんが。 花も供えられていた。 かつてここは見晴らしのいい場所だったのだろう。 今は木が茂っていてよく見えない。 奥に展望台があって、そこからは見えるはず。 このときは子供たちが何人かいたので、 あがるのはやめておいた。 |
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山頂にも登って、散策路も歩いたので、 さあ帰るかと駐車場まで戻ってきたら、 別の入り口を発見した。 南側に。 二村山緑地散策路とある。 そんなもの地図に載ってない。 せっかくなので中に入って少し歩いてみた。 |
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こちらは散策路もしっかり整備されていて、 雰囲気もずっと明るい。 でも二村山の史跡とは関係ないようだ。 これという見所もなく、 歩きのためのコースらしい。 |
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車の持ち主さーん、ノラに乗られてますよー。 ここはノラが多かった。 よく似た毛並みのノラを他にも3匹見た。 民家の庭にも入っていったので、 このへんでゆるやかに 飼われてるものかもしれない。 それにしては人に慣れてなくて、 みんな逃げてしまった。 カリカリを投入する間も与えず。 |
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帰りにナガバノイシモチソウ自生保護区にも 寄ってみた。 愛知県の天然記念物になっていて、 普段は網で覆われ、一般公開してないことは 知っていたけど、場所の確認のために。 なかなか見つからなかったけど、 ようやく探し当てた。 沓掛城址の横の細い道を北へ700mくらい 走ったところを左に入ったところで、 緑色のフェンスが目印。 |
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8月の2日間、それも午前中だけ一般公開 されてるようだ。 咲くのがその時期だけで、 午後には花が閉じてしまうかららしい。 行けるものなら行きたい気もするけど、 午前中だけというのはちょっと。 何か他の花でも咲いてないかと期待したけど、 この日は何も咲いてなかった。 |
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思った以上に楽しめた、二村山散策。 源頼朝や鎌倉街道に多少なりとも興味があれば、何かしらぐっと来るものがあるかもしれない。 戦国時代にまつわる名所旧跡は多いけど、鎌倉時代までさかのぼったものはこのあたりにはそう多くない。 逆に言えば、そのあたりの歴史に興味がなければ行って楽しいところではないと思う。街道沿いの空き地で花や昆虫に遊んでもらうことはできるけど。 豊明の沓掛城址や、刈谷のカキツバタあたりとセットで行くならオススメできる。 |