2005年5月20日
「鬼岩公園
(おにいわこうえん)
岐阜県可児郡御嵩町
地図
撮影 OLYMPUS E-10

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名古屋から近いような遠いような微妙な
位置にある岐阜県可児(かに)。
今回初めて行ってみたら、やはり微妙に遠かった。
車で約1時間半で鬼岩公園に到着。
駐車場は21号線沿いのドライブイン(広い)も、
東に少し入った温泉街の駐車場も、どちらも無料。
温泉街の方が少しだけ入り口に近い。
名古屋方面から行くと、ここへ入る道は右折禁止
なので、少し行き過ぎたところでUターンして入る。
うわー。
と言ったきり言葉を探してしまうこの光景。
言葉を選べば、ひなびてる。
遠慮なしに言えば、さびれてる。
奥にある大きな温泉ホテルは営業してるようだし、
手前の鬼岩温泉は車もたくさんとまっていて
それなりに賑わっていたようだけど、
中間の食べ物屋や売店などは
つぶれて久しい感じだ。
窓などもバリバリに割れて、廃墟に近い。
駐車場から2分も歩けば鬼岩公園の入り口に着く。
鬼のお面がお出迎え。
電柱を立てる位置はどうしても
ここじゃなきゃ駄目だったのか!?
「名勝天然記念物 鬼岩」とある。
天然記念物という響きに案外弱い私。
こりゃありがてえとか思ってしまう。
このあたりは、巨大な花崗岩が浸食されて
独自の景観を作っていて、
飛騨木曽川国定公園の一部になっている。
鬼岩公園の案内図。
これはあんまり当てにならない、というか見づらい。
ドライブインでマップをもらえたりするらしいけど、
地図にない枝分かれの道などもあって、
自分の位置を見失いがちだ。
そんなに広いところでもないから、
方向感覚さえ失わなければ大丈夫だと思うけど。
それよりもここで大事なのは、
ちゃんとした靴を履いていくことだ。
スニーカー程度ではちょっと危ないところもある。
巨大な岩がゴーロゴロ。
これでもまだ小さい方。
上の方に行くと更に大きな岩が
むき出しになったり、せり出したりしてる。
そしてなんといってもここの一番の名物は、
岩穴くぐりだ。
まずはそこを目指すことにする。
コースは大きく分けて3つ。
左回りの遊歩道で行くか、右回りの山道を行くか、
真ん中の岩穴くぐりで行くか。
難易度を自分で選ぶことができる。
といっても、どこから行っても
そんなに大した違いはない。
どこから行っても、それなりに道は険しい。
岩穴くぐりの入り口に到着。
むむ? どこだ?
最初違う穴に潜っていって、
すぐに行き止まりになって、2メートル下まで
飛び降りなきゃいけないのか!?
とひるんだんだけど、それは違った。
あんなところから飛び降りたら骨折してしまう。
ああ、こっちだ、こっちだ。
えー、なになに、小さなお子さんやお年寄りや
酒の入った人、草履履きの人は
やめておいた方がいいです、か。
とりあえずどれにも該当しないので
思い切って入ってみた。
しかし、各所に設けられた「お助けブザー」
の存在が気に掛かる……。
ううっー、狭い。低いっ。暗いっ。
わっ、急に電気がついた!
センサーが反応したようだ。
のっけから大人だと膝が付くほどしゃがんで
進まないといけない。
横幅も狭くて肩が岩に挟まれそうになる。
185cm以上の大男は通れないんじゃないのか?
でも、ちょっと川口探検隊気分。
白いヘビとか出てこないかな。
もっと延々と長い洞窟を想像してたんだけど、
すぐに表に出てしまった。
なんだ、短いな。
ちょっと拍子抜け。
いったん外に出てまたあるんだけど、
そんなに大げさなもんでもなかった。
これなら子供でも大丈夫だ。
むしろ、日頃運動不足のお父さんや
お母さんの方が危ないかもしれない。
鬼人「関の太郎」の岩屋跡。
昔、鬼の関太郎とかいう人(?)が
この洞窟に住んでいたという伝説があるらしい。
横井庄一さんみたいな人だろう(違う、ちがう)。
昔はこのあたりも人跡未踏の山奥だっただろうから
そんな伝説もあながちでたらめとは言えないかも。
岩屋に入ってみたけど、
真っ暗闇でごぜえます、ってな感じで何も見えず。
少し闇に目が慣れたところで見渡してみても
何もなさそうだった。
フラッシュをたいて写真を撮ろうと思ったけど、
びっくりさせるといけないからやめておいた。
おっ、これが例のお助けブザーだな。
岩屋の何ヶ所に設置されていて、
進んでいる途中で進退窮まったときに
このブザーを押して助けを求める仕組みに
なっている。
けど、下の方ではそんなような人たちが
スタンバってる様子もなかった。
本当に来てくれるんだろうかという一抹の不安。
絶対イタズラで押す悪ガキとかいそうだな。
岩穴くぐりも無事通過して、
横に清流を見ながら松野湖を目指す。
ここは夏場が一番気持ちいいところだろうけど、
木々を見ると紅葉もよさそうだ。
5月の今は新緑はきれいだけど、
訪れる時期としては中途半端だった。
松野湖に到着。
なんだかんだで1時間くらいかかっただろうか。
人工のため池のようだ。
ダムになっていて、下へ放水することも
あるらしい。
突然放水するときはサイレンを鳴らすので
逃げてください、という注意書きがあった。
そんなこと急に言われてもー。
松野湖までは車でも来られる。
周囲も道が整備されてるようで、
ぐるっと歩くことができる。
一周7.2kmというから、2時間はかかる。
私はもちろんやめておいた。
松野湖まで行ったら、
あとは引き返すだけ。
来た道とは別の道を行くことにする。
途中でこんな気持ちのいい林道があった。
夕方の柔らかい日差しが差し込んで
5月のさわやかさを感じさせてくれた。
帰りは山道ルートで入り口を目指したら、
どんどん登ってしまい、こんな高いところに出た。
展望はいいけど、こんな道お願いしてなかった。
うー、足に来たっ。
ここは全体的に道は弱ハードだ。
散歩というレベルではない。
それにしても岩がせり出しているだけで
手すりも何もないので足がすくみがちに。
最近、高所恐怖症気味の私は
岩の先まで行けない。
川沿いにたくさん咲いていたこの白いのは何だ?
簡単に分かるようで分からないもどかしさ。
ヨメナっぽいけど、あれは秋の野草だし。
結局分からなかった。
これも分かりそうで分からない。
宿題は増える一方だ。
まだ少しだけスミレが残っていた。
白いスミレはあまりないから
名前を調べるのは簡単かも、
と思ったら、やっぱり調べがつかない。
手持ちのポケット図鑑には載ってない。
なんだこれ。
また変わってるやつだ。
これ野草かなぁ。
園芸種が飛んできたのか、コケとか?
今日の花調べは全滅だった。

<追記>
もしかしてこれって、マツバギクの花が
閉じた状態?
だとしたら、意外なところに咲いてるもんだ。
赤い実かと思ったら花だった。
調べたけど判明せず。
アリがこの花が好きらしく、
何匹も花にたかっていた。
名も知らぬ虫シリーズ。
名前以前に何の仲間かさえ分からないから、
調べるスタートラインにさえつけない。
名前も知らない何億種類もの虫がこの地球に
生きている現実。
これも当然分からない、
と思ったら、たまたま知ることができた。
ちょうど海野和男の小諸日記に出てきて。
シリアゲムシというらしい。
その中のヤマトシリアゲのようだ。
初めて耳にする名だ。
尻を上に丸めるところから名前が来てるとか。
細長く伸びたクチで死んだ虫のエキス(?)を
チューチュー吸うらしい。
ひゃー。
歩いていたら、目の前で鳥が飛び立って、
バサーバサーと逃げていった。
ちゃんと確認できなかったけど、アオサギか。
ここは鳥も多くて、特にホトトギスがよく鳴いていた。
もう紅葉?
よく分からないけど、赤く染まっていた。
そういう種類なのか、
こういうことも当たり前にあるのか。


 シーズンオフに行ったので、鬼岩公園の知名度や賑わいがよく掴めなかったのだけど、あの入り口近辺のさびれ方を見ると、近年は訪れる人も少なくなったのだろうか。
 岐阜県に入ってからも鬼岩公園方面への案内標識がまったくなかったことを考えると、元々あまりメジャーなスポットではなかったのかもしれない(花フェスタの案内は至るところにあった)。
 ただ、その割には駐車場に車がたくさんとまっていたのは解せない。公園内で見かけたのは2人だったのに。

 というように、やや謎めいた鬼岩公園だけど、少しハード目の散策をしたければなかなかいい場所だと思う。
 コース時間も1時間半から3時間オーバーまで自分で決めることができる。
 岩くぐりは、他ではなかなかできない体験なのでちょっと楽しい。軽い山登りも味わえるし、奇岩の景観も面白い。

 場所: 岐阜県可児郡御嵩町次月
 時間: 終日
 休み: なし
 入場: 無料
 駐車場: ドライブイン、温泉街ともに無料

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