2005年5月10日
「小堤西池のカキツバタ・他
(こづつみにしいけ)
愛知県刈谷市
地図
撮影 OLYMPUS E-10

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知立市の無量寿寺のカキツバタが見頃を迎えた
と中日新聞の夕刊に載っていた。
しかし、昨日の今日で行くのはちょっと危険。
混雑必至。
なので、微妙にはずして、刈谷の小堤西池へ
行くことにした。
専用駐車場はないけど、
近くの洲原公園の駐車場が
臨時駐車場になっている。
公園駐車場を北へ少し歩くと、
こんな案内看板が出ている。
最初、入り口に案内人らしき人が立っていた。
これは期待できるかも。
しかし、にぎわうというほどではなく、
数人とすれ違っただけだった。
意外と穴場なのか?
すぐ近くと思ったら思いの外遠い。
けっこう歩いてもたどり着かない。
案内表示もなく、それらしい光景も見えてこない。
ん? どこだ? 道間違えたか?
やや動揺しつつ、田んぼでも撮っておくかと一枚。
のどかな風景が広がる。
たくさんのカラスも飛び交う。
案内もないまま、それらしいところに着いた。
んん? ここ? なんか違うような。
もしかして、まだ早すぎたか!?
確かにシーズンは5月中旬から6月はじめに
かけてと言われているから、10日ではまだ早い
可能性はある。にしても、一本も咲いてないとは。
周りを見渡してもそれらしい場所は他にない。
半信半疑のまま引き返す。
そのとき、こちらにやってきた人たちに訊ねられ、
まだ全然みたいです、と答えたのだけど、
実はまったくの偽情報を教えてしまった。ああ。
せっかく来たのに残念だったなぁと思いつつ、
シロツメクサのようなアカツメクサのようなものを
撮ってお茶を濁す。
シロツメクサとアカツメクサって同じもの?
違う種類?
これはどっちだろう。
交配種とか?
いったん、車まで戻ったものの、
なんとなくあきらめきれず、もう一度行ってみた。
今度は更に奥まで。
あああー、あったー!
なんだ、こんな遠かったのか。
距離が600〜700mくらいあるから、
歩いて10分近くかかったのだった。
さっきの人たちに悪いことをしてしまったな。
でも私としてはもう一回来てみてよかった。
しかし、まだまだ早いことは確かで、
咲き具合は2分程度といったところだろうか。
最盛期は一面紫でいっぱいになるはず。
そのときはさぞかしきれいだろうけど、
人も多そうだ。
何しろ国の天然記念物だ。
京都の大田の沢、鳥取の岩美町の唐川と、
ここ小堤西池が日本三大カキツバタ自生地と
呼ばれているらしい。
自生というところに価値がある。
ちょっと奥まで踏み込んで近くで撮ってみた。
おお、なるほど、これがカキツバタか。
カキツバタと花菖蒲とアヤメの区別が
まったくついてなかったのだけど、
ネットで勉強して少し分かった。
水辺に咲いているのがカキツバタで、
花びらの付け根が白いのが特徴。
花菖蒲はその部分が黄色くて、
乾いたところに生えている。
アヤメは放射状のような模様がある、
だそうだ。
少し離れたところに咲いていたこれは
黄色いから花菖蒲ということになるのだろう。
けど、コブシとモクレンなどのように
一筋縄ではいかないのかもしれない。
またどこかで混乱しそうな予感がする。
何かをメモっている女の人がいた。
カキツバタの咲き具合でもチェックしてたのか。
やっぱりピークは例年通り5月の終わりくらい
なんだろうと思う。
栽培種と自生では微妙に時期のずれが
あるのかもしれない。
これはキショウブ。
一ヶ所に固まって咲いていたので、
ここに植えられたものなんだろう。
ところでショウブとアヤメはどちらも菖蒲と書く
というのをネットで勉強してるときに知った。
これって常識?
確かに変換してみるとどっちも菖蒲になる。
ということは、同じものなのか?
うう、またややこしい。
洲原公園に戻ってきた。
せっかくなので少し散策してみることにする。
えーと、ここはどんな公園なのかな。
と案内図を見ると……。
下書き?
何故白黒?
しかも、細い線で頼りなく。
一ヶ所だけうっすらと緑色になってる。
まさか日焼けでこんなふうになったとも思えない。
なんだろう、ちょっと気になった。
青空を背景にきれいな女の人(予想)が行く。
公園は大部分が洲原池で、
周りに遊歩道が作られている。
これが洲原池。
けっこう広い。
一周は2.3kmとからしい。
歩くとけっこう時間がかかりそうなので、
今回はやめておいた。
温水プールや遊具などもあるようだ。
ちょっとした売店もあった。
のんびりするアヒルたち。
他のカモたちはみんな北へ帰ってしまって、
残ったのはアヒルとカルガモだけ。
蝶か蛾か。
名前は分からない。
強風に吹かれてヨロヨロしていた。
ウォーキングとジョギングの人たち。
歩くにも走るにも距離的にちょうどいいのだろう。
こういう池の周りって、どこへ行っても、
歩いている人と走っている人が多い。
公園よりも人が少なくて、
川沿いのように同じ道の往復ではなく、
周回コースというのが達成感が味わえて
いいのかもしれない。
公園のノラ。
近づいても全然逃げないのは、
人に慣れているのもあるだろうけど、
かなりの老猫だからだろう。
カリカリ投入で元気づけておいた。
長生きするといいけど。
もう一匹のノラ。
こちらは若手。
ちょっと洋風。
少し逃げ気味だったけどカリカリを置いてきた。
洲原公園を後にして、
帰り道のついでに沓掛城跡にも寄ってみた。
ここは今川義元が桶狭間の合戦で
命を落とすことになる前、最後に泊まった城だ。
建物類は残ってないものの、
堀やその他の痕跡をとどめつつ、
現在は公園となっている。
ここが空堀。石垣と塀は偽物。
駐車場が侍屋敷の跡で、
本丸跡が芝生広場、
二の丸跡が広場になっている。
堀には花菖蒲や紫陽花の花が植えられている。
沓掛城跡の石碑と説明板が立っている。
本丸跡の芝生広場では子供たちが遊び、
公園周りではお母さんたちが話し込む。
カメラを持ってうろついてる私などは、
当然ながら浮き上がる。
堀に植えられたカキツバタ(だと思う)。
小堤西池に比べれば人の手で植えられてるので
整然としている。
ここを見ると、やはり自生のカキツバタは
咲く時期が遅いようだ。
根元が白いからカキツバタのはず。
たぶん。
じゃないとますます混乱してしまうから、
そういうことにしておいて欲しい。
それに、花菖蒲はもっと遅いはずだ。
6月から7月にかけてだから、
今の時期にこんなに咲いてるはずがない。
公園周りに咲いていたこいつは何だろう。
調べたけど分からなかった。
<追記>
マツバウンラン。
北アメリカ原産の帰化植物。
最近増えたやつで、少し古い野草図鑑には
載ってなかったりする。
なつかしい虫を見つけた。
この小さな黒いイモムシみたいなやつは、
子供の頃見た気がするんだけど、
何だったっけ。
蝶か何かの幼虫だろうか。
また調べなくてはいけないものが増えた。
<追記>
これはたぶん、テントウムシの幼虫だ。
ナナホシテントウのやつだろうか。


 カキツバタにはまだ少し早かったけど、行ってよかった。それなりに花も見られたし、満足。
 カキツバタと花菖蒲とアヤメの区別が少しつくようになったのも収穫だ。
 小堤西池へはできればもう一度最盛期に行ってみたい。一面に広がるカキツバタっていうのもなかなか見られるものではないから。人工的じゃないというのもありがたみがある。

 洲原公園、沓掛城も、行ったかいがあった。
 このあたり一帯はなかなかに見所が多い。豊明、知多、知立、刈谷あたりの名所や旧跡もまた機会を見つけて回ってみよう。

 というわけで、小堤西池のカキツバタ群落はオススメできる。5月の20日くらいがベストなんじゃないだろうか。

 場所: 愛知県刈谷市井ヶ谷町小堤西
 入場料: 無料
 駐車場: 無料(洲原公園駐車場)

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