2005年4月8日
「五色園(ごしきえん)」
愛知県日進市
地図
撮影 OLYMPUS E-10
自称日本で唯一の宗教公園「五色園」。 前からその存在は気になっていた。 しかし、あまりにマニアックな性質と、めったに 訪れる人がいないという噂を聞き、躊躇していた。 ところがそこが桜の隠れた(?)名所という ではないか。よし、行くなら今しかない、 ということで思い切って行ってみた。 入り口で、おおおー、200円入園料を取られたー。 一年のうち、桜の咲くこの季節だけ有料になる ようだ。駐車場は無料だけど。 |
|
咲いてる、咲いてる。 わっ、お墓が一杯。 想像してたのとは違った。 これだけお墓があるということは、 お墓参りに来る人もたくさんいるということだ。 まるでひと気がない深閑、荒涼とした公園をイメージ してたけど、実際は意外と明るい雰囲気だ。 ほっとしたのが半分、ちょっと拍子抜け半分。 |
|
お寺さんもあって、しかも立派だ。 大安寺という名前で、ちゃんとしてる。 というのも失礼だけど、とても普通だ。 宗教公園とは何事かと思ったけど、 お寺の敷地が公園仕立てになってる ということのようだ。 それならそんなに及び腰になる必要はない。 神社仏閣には行き慣れてる。 |
|
出た。 まったく予備知識がない人がこれを見たら、 意味がよく分からないだろう。 ここにはこういうジオラマというか、 親鸞聖人に関する数々のエピソードが コンクリート造りの人形で再現されているのだ。 この遅刻して大あわてなのがその親鸞聖人。 まさに遅れてきた主役。 草履まで脱げるほどの大遅刻。 走れ、親鸞聖人。 |
|
こちらでは女の人を中心に輪になって何かを 話してるのか何かをしてるのか。 話を聞いてるのかも。 親鸞聖人の生まれと母親に関するエピソード だったような、そうじゃなかったような。 写真では違和感がないと思うけど、 実はこの人たち、デカいんです。 等身大じゃないんです。 みんな2メートルくらいある大男と大女なんです。 何故2メートル? |
|
なんだ、この再現ドラマは? 石に寄りかかってのんきに居眠りしてるのが 親鸞聖人だろうか。 あとの二人は味方なのか、敵なのか? 後ろに写ってるおじさんが小さく見えると思う。 いや、あれは人形じゃないです。 実物大の人間です。 人形の大きさが伝わるだろうか。 |
|
こっちの竹藪の中では別のドラマが展開中。 何がどうしたんだか、さっぱり事情が分からない。 たまたま通りかかった第三者の私だから。 ここでは女の人に向かってるのが、 たぶん親鸞聖人。 後ろの男は弟子か仲間か。 ちゃんと説明板を読もうぜ、私。 |
|
アップにしてみました。 近すぎ。 これも全然状況が掴めない。 近づきすぎるとかえって物事が分からなくなる、 という教えだろう(そういうことなのか?)。 |
|
大きな荷物を背負った親鸞聖人とその一行。 向こうには南無阿弥陀仏と書かれた紙を掲げる おばあさんがいる。 あの文字を離れたこちから親鸞聖人が念写した。 のかどうかはよく分からないけど、 おばあさんが親鸞聖人たちを涙ながらに 見送ってる図なのだとは思う。 説明を読まないと想像が膨らんで面白いなぁ。 |
|
池の中から女の人が浮き上がってきたところ。 なのかな? これは親鸞聖人じゃないぞ。 うーん、このエピソードは読み切れない。 海のお姫様か? |
|
ある意味一番怖かったのがここ。 なんだろう、この廃墟のような建物は。 と思ったら、五色園御休所、と書かれている。 しかも、右からー! 昭和初期じゃないんだから。 ここができてからどれくらい経つんだろう。 当初はこんな休憩所が必要なほど 人で賑わっていたんだろうか。 あえてこの姿のまま放置するというのも、 栄華盛衰を私たちに教えるために違いない。 |
|
桜に戻ろう。 そう、今回は桜を見に来たんだ。 親鸞マジックにうっかりかかってしまっていた。 桜はやや雑然としている。 本数は全体としてかなりありそうだけど、 まとまり感がないので、ここだというポイントがない。 それでもこの時期限定の入園料を取るというこで、 提灯を飾るという歓迎姿勢は見受けられる。 |
|
ここらが桜のメインストリートになる。 二組の母親と子供が遊びに来ていて ほっとする。 しかし、この満開の時期にもかかわらず、 やはり人は少なかった。 ざっと見かけただけで15人くらいだったろうか。 |
|
公園なのに園内は車で大部分自由に走れる。 ドライブスルー見学というか、 サファリパーク的というか。 駐車スペースも公園内に点在している。 それだけ中が広いとも言える。 全部歩きだと1時間では回きれないだろう。 地図が入り口にしかないので、 変なところへ入っていくと迷子になりそう。 しかも、茂みの中には各種の人形が 身を潜めているから油断できない。 |
|
桜ヶ池の釣厳禁です。 と書かれてある。 厳禁といわれても、池の水自体が存在しないので こちらとしても戸惑いがちだ。 遠くには小さく親鸞聖人らしき人形が何かの ドラマを演じているようだ。 それはそうと、「釣」じゃなくて「釣り」の方が いいような気がするけど、気のせいだろうか。 |
|
ショベルカーが空き地で休んでいた。 この上何をする気だろう。 池の水がなくなっていたことと何か関係が あるのだろうか。 それともこの場所にあらたな 再現ドラマを出現させるのか? ちょっと楽しみだ。 |
|
売店へといざなう看板。 うどん、おでん、フィルム……。 このポカポカ陽気に? 更にガムテープ(?)を貼った上に、 コーラ、ジュース、お茶等、とある。 なんだろう、この感覚。 昭和50年代の、寂れた観光地のテイスト、 だろうか。 これでペナントなどがあればパーフェクトだ。 |
|
五色園の名前の由来は、 五色の花を植えたところからきてるらしい。 桜と梅と……。 残りは何だろう? 調べたら、松と竹と紅葉だった。 なんだぁ。 中途半端な色づかいというか、無理矢理というか。 これはツツジかな。ミツバツツジ? 何にしてもこれは五色のうちに入ってなかった。 |
|
最後はスミレを少し。 オオイヌやヒメ、カラスノエンドウなど、お馴染みの 野草たちと、スミレもそこそこ咲いていた。 スミレを見分けるのは(私には)とても難しい。 これはタチツボスミレだろうか。分からない。 |
|
これはノジスミレかなぁ。 |
|
これがタチツボか? うー、分からない。 降参。 そして帰る。 |
|
五色園は決してキワモノスポットではない。 と思う。 そう言い切る自信はないけど。 少なくともおどろおどろしい雰囲気ではない。 行く時期と時間帯を間違えなければ。 何の予備知識もなく行ったら、かなりびっくりするだろうけど、ある程度構えて行けばそれほどでもない。 ただ、桜の季節以外の夕暮れ時などに行く自信は私にはない。 今日などは明るい時間で桜も咲いていて、人もそれなりにいたから安心だった。 それにしても、なんで再現ドラマの人形たちは等身大じゃなく微妙に大きなサイズなんだろう。 見物人を威圧する目的でもあるまいに。 いや、それが悪いというわけでもないけど、ちょっと気になった。 桜見物のつもりがやっぱり親鸞聖人の再現ドラマに心奪われることになってしまった。 桜がなければその印象はもっと強いものになっただろう。今回は桜が上手い具合に緩和してくれた。 公式サイト 最後になって気づいたけど、最初の写真のマップで、五色園の横に「宗教公園」と書かれていたはずが、塗りつぶされている。 どうしたんだろう。宗教公園を自称するのをやめてしまったんだろうか? それとも何か差し障りが出来たのか。 イメージ戦略を変えたのか? いよいよもって謎は深まるばかりの五色園である。 |