デジカメ日記/OLYMPUS E-10にて撮影

 2005年 9月12日(月)

 完璧ではないけれど、入道雲に近いような夏の雲が深い青色の空に浮かんでいた。
 これは夏の空だ。もう9月も半ばなのに。
 今日の名古屋の最高気温は33度。どうりでこんな空になるはずだ。
 気持ちのいい暑い一日だった。

 去りゆくものに感傷を抱くことは決して悪いことじゃないと私は思っている。そういう人情を否定してまで生物として進化しても寂しい。感傷的な人間が愚かなわけではない。

 国家なんてものはつまらないものだからなくしてしまえばいい、と乱暴なことをときどき思ったりもするけど、日本人の人情や機微までなくなってしまって平気なのかというとそれはよくない。日本という小さな島国に生まれ、この土地で過ごす人間にしか感じられない細やかな感情というものが確かにあって、それを私はいい意味で感傷と呼びたい。
 8月の終わりには夏休みの終わりと思い出してもの悲しい気持ちになり、秋の紅葉を美しいと素直に感じ、冬は雪に喜びはしゃぎ、春は桜を追いかけ桜吹雪に酔う。
 日本人として当たり前の感情を持つことは、とても素敵なことじゃないか。毎年同じことを思い、同じことを繰り返し言うのだって全然いい。
 暑さ寒さや季節のことをこれだけ口にする人種も、世界の中で日本人だけだ。気温のことが挨拶になるのは日本だけに違いない。

 そしてもうひとつ、これは確信がないのだけど、日本人ほどたくさん空の写真を撮る人種は他にいないんじゃないだろうか。アメリカ人だって、ドイツ人だって、日本人ほど空の写真を撮らないような気がするけどどうだろう。
 ネットの写真サイトを見て回っていると、空の写真が実にたくさんある。そういうのを見ると、みんな空の写真が好きなんだと思って嬉しくなる。それだけでもいい国に生まれたと言っていい。


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