鈍い赤の夕日が山並みに沈みゆく。少しだけ急ぐように。
ここ一週間ほど暑さの頂点が続いてるけど、季節は確実に秋へと向かっている。
一番遅かった名古屋の日の入り時刻が19時11分だった。6月の終わりから7月の始めにかけて。今日の日の入りは18時53分だから、20分近く早くなっている。
感覚的にも少し前は7時半くらいまで明るさが残っていたのに、最近は7時をすぎるともう暗さを感じるようになった。これから秋にかけて夕暮れはますます加速していく。
今日やっと東北地方が梅雨明けしたというニュースを聞いてちょっと驚いた。まだしてなかったんだ。
桜前線でも日本列島の長さを知るけど、梅雨入り、梅雨明けのズレでもそれを思う。日の出、日の入り時間もかなり差がある。当たり前とえば当たり前なんだけど、去年だったかおととしだったか、考えてる以上に時間差があることを初めて知った。
たとえば8月4日でいうと、全国各所での日の入り、日の出時間はこうなっている。
札幌 4:28 18:53
東京 4:51 18:43
名古屋 5:03 18:53
大阪 5:10 18:58
博多 5:32 19:16
基本的に東の方ほど日の出が早くて、西の方ほど日の入りが遅い。ただ、日の入りの時間はそれほど差がないのに、日の出の時間が北海道と九州では1時間も違うというのは驚く。夜明け時間に左右される仕事ならかなり生活パターンが違ってきそうだ。
それと、夏休みを過ごす子供の感覚的な部分で北と南では相当な違いがあるんじゃないだろうか。夜明けとともに遊びに行くというのでも、北海道の子供は4時過ぎから家を出てちょうどいい感じなのに対して、九州の子供は5時過ぎからになるのだとしたら、思い出の中の朝の記憶というのも微妙に違ったものになるような気がする。もちろん、それぞれ自分のところしか知らない子供がほとんどだから比較はできないけれど。
名古屋で育った私は、この数字を見るまでもなく、夏休みの夜明けは5時だった。カブトムシを朝一番でとりにいくなら5時出発では遅すぎた。
北海道で育った人間は夏の4時は当然朝に属するものと思っているだろう。でも九州の人間はもしかしたら4時は夜中に属する時間帯なのかもしれない。
名古屋の8月31日の日の入り時間は18時21分。この数字を見たら、なんだか夏休みの終わりの悲しい気分がよみがえってしまった。
日没が早くなればなるほど一年の終わりが近づき、もの悲しさも募っていく。
どうやら私は人並み以上に日没時間に気持ちを左右される人間のようだ。
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