半日預かりの子猫。
顔からしてノラ丸出し。
こういう柄をバットマンというのだろうか。もう少し白い部分の切れ込みが少ないと、確かにそんな感じだ。
アイはどうにも子猫が苦手で、こいつとの相性も悪かった。
こいつもチビのくせに気が強くて、アイとにらみ合って、互いにフーーッとか、シャーーッとか威嚇し合っていた。
そしていつものようにアイの方が負けて、すごすごと家から出て行くのだった。寂しそうにこちらを振り返り、振り返りしながら。
気の毒なアイ。その後、半日家出していた。
子猫の方は無事もらい手が見つかったということで、新しい家に行った。
最初は慣れなかったけど、一日で慣れて、おとなしくだっこされるようになったらしい。
ノラで拾われて、知らない家にもらわれていくときはいつも、いろいろ考えてしまう。けど、必要とされるところで生きることは悪いことじゃないと思うようにしている。ノラとして生きていけるならそれに越したことはないけど、街中ではなかなかそうもいかない。
アイもノラ出身だけど、猫としてはまずは幸せに生きている方だろう。家と外を好きなときに出入りして、メシに困ることもない。このチビもそうなるといい。
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