デジカメ日記/OLYMPUS E-10にて撮影

 2005年 7月4日(月)

 サクランボが送られてきた。
 ハウス栽培のやつかもしれない。プリプリしてて健康的な酸味があった。

 サクランボなんてめったに食べないし、自分で買うこともないから、こういうのはけっこうありがたい。
 だったら逆に送ってあげればいいのにと思うのだけど、そういうところにはなかなか気が回らない。美味しいブランド米とか、故郷の松阪牛とか、そういう外面のいいものになってしまいがちだ。

 今年はなんだか、これまで縁がなかったものをよく食べている。マンゴーとか、トウモロコシとか、スイカとか。
 フルーツは基本的に食べなかった。子供の頃から。冬のミカンでさえ。それがわりと食べるようになったのは心境の変化か、体質の変化なのか。
 ビタミンBやCのサプリメントを飲むよりも果物や野菜を食べた方がずっとましに違いないから、これからはもう少しだけ積極的に食べていこうと思う。それと、これまで食べたことがなかった変わったフルーツも試していきたい。マンゴーのように食べてみたら好物になるものもきっとあるだろうから。

 サクランボは日本語では桜桃。英語ではチェリー。むむ? じゃあ、サクランボって何語だろう?
 調べてみると、日本語は日本語のようだ。語源がはっきりしないようで、「桜ん坊」の言葉やイメージが変化したものだとか、「桜モモ」がなまったものとか、いくつかの説があるらしい。
 元々は、江戸時代初期に中国から伝来したものなんだとか。
 または、ヨーロッパからアメリカを経由して渡ってきたという話もある。
 なんだか正体がはっきりないやつだ、サクランボというやつは。

 桜桃といえばやはり太宰治を思い出す。
 短い小説「桜桃」の中で、主人公の「私」は大盛りに盛られた桜桃を、極めてまずそうに食べては種を吐き、食べては種を吐き、子供より親が大事と思いたいと心の中でつぶやく。
 太宰治が好きな人なら記憶に残っているシーンなんじゃないかと思うけど、私もこのサクランボを食べながら思い出していた。
 そういえば、今年の桜桃忌ももう過ぎてたか。忘れていた。
 一年に一度くらいは太宰さんのことを思い出してもいい。だから来年もまた6月にはサクランボを食べよう。来年はもう送ってもらえないだろうから、自分で買って。


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