デジカメ日記/OLYMPUS E-10にて撮影

 2005年 5月30日(月)

 夕方から突然雨が降り出した。
 天気予報では、「ところにより一時雨。降水確率は30パーセント」とか言ってたような気がする。
 多くの人は降り出した雨になすすべなく、濡れながら家路を急いでいた。
 一方でちゃんと傘を持っていて濡れずに済んでいた人たちもいた。

 念のために傘を持って行く人生と、大丈夫だろうと傘を持っていかない人生。
 全然違うとも言えるし、どっちでも変わらないとも言える。雨に濡れることくらい、そんなに致命的なことではないから。
 ただ、起こり得る嫌なことに備えるという人生と、無自覚に生きることの間にはけっこう深い溝があるような気もする。念のため傘を持って出るという姿勢はそれを端的に表しているかもしれない。
 傘を持つということには積極的な意志が働いているのに対して、持って行かないことにはそれほど強い意志は伴っていないことが多いのではないだろうか。
 今日は雨が降る予感がするけど自分はあえて傘を持っていなかないぞ、降るなら降ってみやがれ、などと思いながら家を出る人間はそういないと思う。いたらちょっと憧れる。

 などと、とりとめもなく、信号待ちの車の中から、雨に濡れる人と濡れてない人を見ながらぼんやり考えていた。
 車を降りた後、私はもちろん濡れて帰った。雨に打たれるっていつも気持ちいいな、と思いながら。
 自分の愚かさを喜びに変えられる人生でありたいと私は願う。


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