10倍ズームの感動度は40パーセント、手ぶれ補正の感動度は20パーセント。
それがC-2100UZの第一印象だ。
10倍ズームは確かにこれまで遠くに小さくしか写せなかったものをそれなりに大きく引き寄せることはできる。けど、今までまったく見えなかったものが見えるようになるというほどでもないので、さほど感動的というわけでもない。マクロレンズを初めて使って撮ったときの方がずっと新鮮な感動があった。
手ぶれ補正に関しても、これはちょっと期待が大きすぎたかもしれない。手ぶれをぴたりと止めてくれる夢のような機能を想像していたけど、そんなに都合よくできているわけではなかった。
むしろ手ぶれを補正しようとする補正を補正しないといけないような事態も起こりがちだ。
手ぶれに合わせてCCDが細かくゆら〜りゆら〜り揺れているのを、その揺れが止まるのを待たなくてはいけなかったりする。
適当にシャッターを切ると、手ぶれと手ぶれ補正の二重のぶれが発生してしまうなんてことも多い。
特に暗くてシャッタースピードが遅くなるとき、その傾向が強くなる。
なんというか、水面に浮いたボートの上に立って、自分も動きを止めて、なおかつボートの揺れがおさまるのを待たなくてはならないような感じとでもいおうか。
確かに時と場合によっては手ぶれを抑えてくれて便利な機能なんだけど、逆に手ぶれ以上にぶれてしまうこともあって、それほど絶対的なものではないということが分かった。
このへんはもう少し慣れていかないといけないのだけど、期待が大きかっただけに残念だ。
シャッタースピード二段階分くらい稼いでくれるという説明がされていたが、そんなところなのかもしれない。
近距離、中距離の画質が思ったよりいい。キレがある。むしろこっちの方で使えるデジのような気がする。
10倍ズームというのは、意外と人間の目に近い感じで、近くのものから遠くのものまで、人の目が捉えたいと思う大きさで捉えることができる。
3倍ズームでは自分の見た目とは違うことが最初から分かるから、写真として被写体なり構図なりを考えるのだけど(なかば無意識に)、10倍ズームだと見ることができるすべてをカバーしてくれるので、見たままを切り取ろうというように意識が変わる。
これは面白い発見だった。使ってみなければ分からない部分だ。
だからこのデジは、最望遠でいかに遠くのものを捉えるかというよりも、1倍から10倍(38mm〜380mm)までの間を自由に行き来できるという部分で使い勝手のいいデジという言い方ができそうだ。
逆に言えば、池の向こう岸にいる小さな鳥を大写ししようとする場合などは10倍くらいじゃ全然足りないということだ。
お気軽バードウォッチャー・デビューをひそかに狙っていたけど、それはどうも難しそうだ。
とはいえ、この写真のように割と遠くに飛んでいた鳥をこの程度に縮小した画像でそれなりに写せるのは10倍ズームならではだ。3倍じゃ黒い粒にしかならない。
横に写ってる東山タワーも、肉眼では3センチくらいにしか見えないものがここまで大きく写る。
外に持ち出して使ってみると、また違う発見がありそうだ。
動物園でも行ってるみるかな。
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