保護された野良のチビたち。
アイの子供ではない。
近所の野良チビだ。
いかにも野良って顔をしてる。
捨て子の小さな兄弟みたいに。
人間も猫も育ちは顔に表れる。
ただ、これが飼い猫になるとすっかり飼い猫の顔になるから面白い。そのへんも人間と同じだ。
これから里親を探すことになるのだけど、こういうときいつも思うのは、野良の一生と飼い猫の一生とどちらが幸せなのだろうということだ。
野良には自由があるけど事故と空腹と病気が常につきまとって寿命は短い。
家猫になれば空腹もなく、病気なれば病院へも行けるけど、生き甲斐みたいなものを失いがちだ。
個人的には半野良、半家が一番だと思うのだけど、なかなかそう上手くはいかない。世の中は猫好きな人間ばかりでもないから。
いや、幸せか不幸かなんてことは彼等にとってはそれほど重要なことではないのかもしれない。
もし猫の地球上での役割が人間を慰めることであるならば、猫は人とともに暮らすべきだと言える。
ただメシを食って、寝て、頭をなでられたりしてるだけで猫は人に多くのものを与えるから。
そんなこと、猫たちにとっては知ったこっちゃないだろうけど。
この2匹のチビたちも、きっと二つの家族にささやかな幸せを与えることになるだろう。
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