デジカメ日記/Nikon COOLPIX950にて撮影

 2004年 8月29日(日)

 静かな日曜日の一日。
 夕方ベランダから見上げた空は、台風の接近を感じさせる不穏な雰囲気を漂わせていた。
 それでも、雲の切れ間から除く薄い青空が、なんとなく安心感を与えてくれた。
 こちら側のあちらにはいつも向こう側があるのだということを、思い出させてくれたから。

 今年の夏はもう早々に帰り支度を始めたのか、すっかり勢いを失ってしまったように感じられる。
 残暑という言葉もほとんど聞かれない。
 セミの鳴き声もやみ、汗をかいて目が覚めることもなくなった。
 まだ8月は終わってないというのに。
 私としては、お盆明けに謎の奇病に捕まってしまったこともあって、とうとう最後まで乗り切れない夏になってしまいそうだ。
 夏への未練を残したまま秋にも乗り遅れてしまう予感がある。
 巡る季節のスピードについていけなくなったのは、私の足が遅くなったからだろうか。

 台風が来ると世間では騒がしい。
 どうも台風はあまり関心が持てず、気持ちも高ぶらない私は、ただ通り過ぎるのを静かに待つだけだ。
 できたらうちの上空は避けて通って欲しいと自分勝手なことを思いつつ、進路に当たった人たちは気の毒だと思ったりするけど、でもやっぱり他人事だ。
 台風そのものが写真に撮れたりしたなら、もう少し好きになっていただろうけど。
 台風が青色だったりしたらよかったのに。

 過ぎゆく夏を惜しみつつ、もう少しだけ残った夏を味わい喜ぼう。
 一年は瞬く間に過ぎるけど、来年の夏を思うと、とても遠いから。

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