SANYO DSC-SX150にて撮影

2004年 5月24日(月)



 久しぶりに映画館へ行ってきた。
 ポイントカードを見たら、前回は去年の6月5日だった(ハン・ソッキュ主演の『二重スパイ』だと思う)。
 あれからもう一年も経ったのか。
 思う以上に早いスピードで月日は流れている。
 曲がる目印にしていた本屋もいつの間にか動物病院になっていた。
 自分の変化以上に世界は動いているらしい。

 月曜日はメンズデーということで、男は1,000円になる。
(レイトショーと、60歳以上はいつでも1,000円)
 相変わらず閑散とした館内で、少し笑いそうになる。
 写真を撮っていても人っ子一人通らないし、トイレも一人でゆっくり入れる。

 今回観たのは日本映画の『死に花』。
 客はおそらく4人か5人だろうと予測を立てていたら、予想を僅かに上回る6人だった。
 惜しい。
 この少人数の入りだからこそ、のんびりくつろいで観られるわけで、だから私はあの映画館が好きだ。
 もう両隣や前後に人のいる映画館へは行けないようになってしまった。

『死に花』に関しては、良くも悪くも期待を裏切る作品だった。
 老人4人組が銀行強盗を企てるというあらすじしか知らなかったから、たぶん痛快老人コメディみたいなものなんだろうなと思っていたら、実際はずいぶん違っていた。
 笑い不足という点でやや物足りなかった一方、深みという点では期待以上だった。
 観ている間は考えさせるけど終わったとたんに忘れてしまう映画が多い中で、観終わった後から考えさせられるという作品はそれほど多くない。
 タイプでいうと『ワンダフルライフ』に近いかもしれない。
 老人と生き甲斐というテーマは、そのまま私たちの年代にも当てはまることが多い。
 残りの人生をどう生きるか、何をすれば夢中になれるか、ただ死ぬのを待つだけではない人生とはどういうものなのか。
 20代ではまだ切実な問題ではないだろうけど、30代以降の人間ならいろいろ考えさせられることも多いだろう。
 とはいえ、そんなに深刻な作品ではない。どちらかというとシリアスよりコメディに近いと言っていいし、ラストの痛快さと、その一歩先での気分のいいオチも待っている。
 傑作、名作のたぐいではないけど、これは後々まで残していきたい愛すべき日本映画だと思った。

 次は『世界の中心で、愛をさけぶ』だ。
 うっかり油断してると終わってしまうから、来月中には行きたい。
 次も空いてるといいな。


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