SANYO DSC-SX150にて撮影

2004年 2月28日(土)



 ベランダがほぼ真西を向いているので、太陽はちょうど正面に沈んでいく。
 遠くに見えている名古屋駅のツインタワーの向こう側に。

 夕陽はどこに沈んでも絵になるなと思う。
 原始の地球でも、人々が暮らす街の向こうでも、山でも海でも草原でも、21世紀のビル群の間でも。
 きっとずっと未来、街がどんなに姿を変えてもそれは変わらないだろう。
 地球の大気というのは、生命を生み育むというだけでなく、空を青く澄ませたり、オレンジに染めたりするという意味でも偉大な存在だ。

 地球人はなんと幸せな生命体だろう。
 ここで起こっている無数の奇跡を奇跡と認識してありがたがることなく奇跡を享受できているのだから。
 この広い宇宙の中でも地球人ほど恵まれている生命体はそう多くないんじゃないだろうか。
 知能が足りず、笑ってしまうほど牧歌的で、他の惑星の人からどんなに侮られていようと、私たちが幸せであるということに変わりはない。
 そのことを素直に喜んでいいと思う。

 いつの日か、遠い未来で地球人は宇宙の現実に直面し、賢くならざるを得なくなり、高い知性を手に入れることになるだろう。
 そうなったとき、未来の地球人は今の私たちほど素朴な幸せを感じることはできなくなるに違いない。
 脳手術で天才になることで幸せをなくしてしまったチャーリイ・ゴードンのように。
 それでも、今と変わらず未来の地球人は夕陽を見て幸せな気持ちになるんじゃないかと私は思う。
 私たちの中にある太古の遺伝子がそうさせるように。
 遠い未来、太陽が消滅してしまうその日まで。


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