SANYO DSC-SX150にて撮影

2003年 10月6日(月)



 月と金星の近しい関係。
 けれどその距離は無限で、永遠に近づくことはない。
 そう、星と星は決して巡り会わないのだ。どれだけ近づいたとしても触れあうことはないのだから。
 そもそも、地球から見て近くに固まっているよう見えても、宇宙の中では気が遠くなるほど遠い関係にある星たちは例外なく孤独だ。
 もし出会ってしまったら、互いに爆発して消えてしまう。

 人と人は星同士とは違って巡り会うけど、その確率は低い。
 毎日たくさんの人と会ったりすれ違ったり空間を共有していても、巡り会う人は生涯でもほんの数人に過ぎない。
 でも、それでも人は巡り会いという奇跡を体験することができるだけ幸せだ。
 たとえ一生誰とも巡り会えなかったとしても、可能性を持つだけでも幸運なことだから、文句は言えない。
 人は決められた軌道を描いているわけではないから、人とぶつかり合うようにして巡り会うのは不思議なことではない。

 それにしても私たちは一生、月さえも行けないまま生涯を終えることになるのだろうか?
 金星だって火星だって行けるものなら行ってみたいのに。
 世間が狭いという言葉があるけど、地球人は全員、まさにこの言葉通り世間が狭い。
 お隣さんのところにさえ行けないのだから。
 なんだかそう考えるとものすごく寂しい。これだけ広い宇宙に無数の星があるのに、その一つにも行けず、他の星の住人の誰とも知り合いになれないなんて。
 せめて向こうから訪れてくれるのを期待して夜空を見上げるくらいしかない。
 病気で家から出られず窓の外ばかり見ている少女のように。
 なんと悲しく悲しいことか。

 私たちは一生この地球から出ることが出来ず、100年近くも過ごし、一体何をしてるというのだろう?
 宇宙における個人の意味は無に等しい。
 それでも無ではないと信じたい。ゼロではないと。
 宇宙に住む人々は、私たちの存在を知っているのだろうか?
 ささやかなことに怒ったり泣いたり笑ったりしてる私たちのことを。

 生きている間に巡り会うことを私は夢見る。宇宙のどこかに暮らす幸せな人たちに……。


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