SANYO DSC-SX150にて撮影

2003年 8月18日(月)

田舎の野良は警戒心が強い。
近づくと逃げていき人を決して寄せ付けようとしない。
けれどいつもカメラ目線だ。
だから写真を撮るには好都合でいい。
アイのようにカメラを向けるとすぐに視線をそらすやつよりずっと。

今回もまた顔ぶれが変わっていた。
半年ごとにメンバーが違う。
チビがいたり、いなくなっていたり。
田舎における野良の世代交代はものすごく早い。
半年ぶりに会う親戚の子供の成長より。
平均寿命は1、2年なんじゃないだろうか。
自然環境は整っていても食生活がかなり貧しいから、
猫にとって田舎は都会よりも住みづらい。
田舎の人は野良にエサなんかやらないから。
都会人の気まぐれのようには。
だから田舎には猫おばちゃんは存在しない(たぶん)。
とはいえ、中には猫好きの家庭も少しはあって、たまにエサなどもらっている。
夕飯の残りとか、煮干しとか、せいぜいカリカリくらいを。
それでなんとか生き延びているわけだが、栄養が行き届かないと病気に弱くなる。
交通事故はめったにないだろうけど、ほとんどは病死してしまうのだろう。
あとはケンカの傷とか。
それでも野良はいる。
ふと気づくと田舎の風景の中に。
昔も今も。
命をつないで。

次に会えるのは3ヶ月後の正月だ。
それまでに何匹生き残っているだろう。
チビはもう親になっているかもしれない。
向こうは覚えてなくてもこっちは覚えている。
それじゃあ、また正月に、
と挨拶して田舎を後にした。

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