英国情報−生活全般関係

MATSUI


 ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜に続き、松井稼頭央までもが大リーグに挑戦することになった。「リトル松井」と呼ばれて既に現地では評判も高いようだ。野球については門外漢なのでこれ以上どうこういうつもりはないが、一つだけどうでもいいことを危惧するならば、日本には「松井」という人が溢れているのではないかとアメリカ人が思わないかなということだけである。なお、日本でも既に一部メディアでは「松井秀」と名前の一文字を出して「松井稼」と区別しなければならなくなって、些細なことではあるが少し面倒なことにはなっている。まどうでもいいか。

Dixons
 さて、こうした状況を見て密かに喜んでいるであろう英国の会社があることを思わずにいられない。それは、英国の大手家電量販店の「ディクソンズ(Dixons)」である。

 ディクソンズとは、日本で言えばコジマとヤマダ電機とヨドバシカメラとビックカメラとカメラのさくらやとベスト電器を足して6で割って店舗面積をぎゅっと縮小したようなお店である。たいてい何処の街の繁華街に行っても1件は在る(と言うか、そもそも英国の繁華街のお店のラインナップは日本よりも激しく似たり寄ったりであり、金太郎飴状態である)。

 このディクソンズ、さして安いというわけでもないが、さりとて他にあまり比較するようなお店もないので、何となくここで買ってしまう。私もテレビ、ビデオ、ステレオ等をディクソンズで買い揃えた(帰国時に全て売っ払ったが)。因みに、私がよく行っていたトッテナム・コート・ロードのディクソンズでは、ビデオテープの安売りの際、4巻で£3.75で売っている隣の棚で10巻セットが£11.99で売られていた。あほか。

当家に唯一残ったMATSUI製品のスピーカー
 でディクソンズのオリジナル製品のブランド名が他ならぬ「MATSUI」なのである。SONY、Panasonic、TOSHIBA、HITACHI等と、並んでMATSUIを見たときにそんなメーカーあったっけかなとかなり悩んだが、暫くしてそれがディクソンズのブランドであることを知って謎が解けた。

 MATSUIは別に日本の松井さんとは何の関係もないらしく、単にディクソンズがブランド名を付けるとき、日本の製品の評判が非常に高かったので、日本風の名前にしたというだけらしい。だからってなぜMATSUIなのかまでは分からないが、とにかくそんな事情とのこと。日本メーカーが欧米風の名前をせっせと付けている一方で、英国メーカーが日本風の名前を付け高品質っぽいイメージ戦略で勝負しているというのは、何とも面白い話である。

 そんなわけで、ディクソンズとしてみれば、Matsuiという日本人が大活躍してくれるおかげでMatsuiの名前も売れることになり、棚ぼたでイメージアップにつながると勝手に期待しているであろうことは想像に難くない。果たしてその効果が出ているかどうかは分からないが。



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